ベッコフオートメーション 2023年度も業績好調
総売上高は前年比16%増の17億5000万ユーロを達成
2023年・2024年の厳しい経済動向
「2023年は困難な年でした」とマネージング・ディレクターであるハンス・ベッコフは説明します。「2022年からの好調な受注は、2023年の最初の数カ月間継続し、受注残高と売上高は過去最高を記録しました。しかし、年度が進むにつれて受注は大幅に減少しました。主な要因は、部品供給難の時期に納品量の変動を補い、大量の製品在庫を確保するため、お客様が2022年と2023年の初めに大量発注をしたことが挙げられます。2023年が進むにつれて発注量を少量に抑えることでバランスを取っていました。加えて、景気後退が一部の地域や産業に影響を与えたことも挙げられます」
2024年第1四半期のベッコフの受注は増加傾向にあり、安定しています。ハンス・ベッコフは、「今年の後半には需要が大幅に増加すると予想しています」と述べた上で、「2024年度は、2023年度と比較して受注および売上が大幅に減少する見込みです」と付け加えました。「安定した成長が再び見られるのは2025年以降になるでしょう。しかし、これについてはあまり心配はしていません。当社の44年の歴史の中で5度目の急速な落ち込みとなりますが、堅実なファミリー企業として、我々は十分な準備ができています。これを乗り越えた結果、もたらされる機会をお客様とともに最大限に活用していくつもりです」と述べました。
ベッコフ全製品の在庫を確保
過去2年間、ベッコフは生産設備、倉庫、インフラに大規模な投資を行い、生産能力を100%以上増強しました。加えて、部品の供給状況も大幅に改善しました。ハンス・ベッコフは、「我々の目標は、2023年末までに再びお客様に信頼できる標準納期を保証するために最善を尽くすことでした。現在では、ほぼすべての製品を在庫から供給できています」と強調しました。
革新を続けるオートメーション技術
ベッコフは、今年のハノーバー・メッセに向けて、CPU性能を強化した産業用PC、WindowsおよびLinux用の強力な制御ソフトウェア、バスターミナルシステムの拡張、制御盤の置き換えが可能なMX-System 、ドライブとモータの新製品、ソフトウェアベースの新たな安全CPU、制御および開発環境へのAIの深い統合など、エキサイティングな革新技術の数々を発表します。
長期的発展への前向きな展望
全体を通してハンス・ベッコフは将来の展望に前向きです。「自動化技術は、世界中のあらゆる分野で使用されている基幹技術であり、デジタル化とエコロジーを変革する原動力です。持続的な需要の増加と、新製品および新しい技術形態の導入により、2025年以降、良好で安定した成長を取り戻す見通しです。当社のソフトウェアとPC制御技術は、I/O、モーション、ビジョン、AIのための強力なハードウェア、従業員の豊かな専門知識と仕事に対するコミットメントとを組み合わせることで、多くのお客様のアプリケーションを成功に導く優れた基盤を築いてきました。今後もこのような課題に挑戦し続けてまいります」
(本リリースは2024年4月3日にドイツ・フェアル本社にて発表したリリース内容の抄訳です)
■ベッコフオートメーション
ベッコフオートメーションはPC制御に特化した制御機器メーカ。「TwinCAT」という独自の計測・制御ソフトウェアにより、Windowなどの汎用OSを搭載した産業用PCをリアルタイムコントローラ(NCやPLCなど)として活用することが可能。また、ベッコフは極めて高速で同期性能が高い「EtherCAT」というオープンな産業用通信規格の開発元でもある。EtherCATの推進団体であるEtherCAT Technology Group(ETG)の会員は、72カ国・地域の7,150組織。世界最大の産業用通信規格推進団体として知られる。TwinCATやEtherCATを搭載した産業用コントローラは産業用ロボット、自動車業界、包装機械、射出成形機、風力発電設備、工作機械など、世界中のさまざまなアプリケーションで採用されている。
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