京都フュージョニアリング、英国原子力公社と包括協定を締結
【包括協定締結の背景】
当社はこれまで、フュージョンエネルギー炉に必要不可欠な技術のノウハウ提供に関わる事業の受注契約を獲得したほか、UKAEAが主導する核融合炉開発プログラム(STEP:Spherical Tokamak for Energy Production)における概念設計に関わるフレームワーク(Engineering Delivery Partner)への参加などを通じ、UKAEAとフュージョンエネルギーの実現に向けた協力関係を構築してきました。
昨年3月にはフュージョンエネルギー開発における連携協定を締結し、フュージョンエネルギー炉への適用が期待される構造材料「炭化ケイ素複合材料」の開発を中心に協力体制を継続しているほか、直近では、2021年に受注を公表したUKAEAの球状トカマク装置MAST Upgrade用のジャイロトロンシステムの性能試験において、35GHz低周波数では最大級かつ最長級となるマイルストーンを達成するなど、フュージョンエネルギーの社会実装への貢献に向けて取り組んでいます。
【今後の具体的な取り組み内容】
本包括協定では、新たにトリチウム(三重水素)を燃料とするトカマク型のフュージョンエネルギー炉において必須となる、トリチウム増殖性能を備えたブランケット設計に関する技術開発に両社で取り組みます。これにより、ブランケット技術を構想段階から商業化に向けてより一層前進させることを目指します。また、将来的にはより広範に、燃料サイクルや熱サイクル、遠隔操作技術などの分野で協力していく予定です。
今回の包括協定締結について、当社の共同創業者 兼 代表取締役社長 兼 チーフフュージョニアであり、フュージョンエネルギーを40年以上にわたり研究している小西 哲之は、「UKAEAと緊密に協力できることを誇りに思います。UKAEAは世界で最も有名なフュージョンエネルギー研究機関のひとつであり、今回の共同研究が、それぞれのフュージョンエネルギー実現に向けた野心と能力を最大限に活用し、単独で達成しうる以上の成果をもたらすことを期待しています」と述べています。
また、UKAEA事務局長のスティーブン・ウィーラー氏は、「フュージョンエネルギーは、必ずや将来の世界のエネルギー供給において、安全かつ温室効果ガスを発生しない、持続可能な選択肢になります。京都フュージョニアリングは、英国と日本でその技術と能力を拡大しており、本協定は、互いにその技術にアクセスする手段を提供してくれることになります。両社の協力のもと、新技術を開発することを楽しみにしています」と述べています。
【UKAEAについて】
英国原子力公社(UKAEA)は、核融合の開発を担当する英国の国家研究機関です。
フュージョンエネルギーは、安全で持続可能な低炭素エネルギーを何世代にもわたって提供できる大きな可能性を持っています。太陽や星が輝くのと同じプロセスをベースにしており、世界の将来のエネルギーミックスの一部を形成することが期待されています。これを実現するには、科学、工学、技術分野での最先端の研究と挑戦が必要です。
UKAEAのプログラムには、MAST-Upgrade(Mega Amp Spherical Tokamak)核融合実験と2021年から2023年12月31日まで英国政府から運用のための資金提供されたJET(Joint European Torus)核融合研究施設があります。UKAEAは、英国政府を代表して、JETのプラズマ運用から再利用および廃止処分への移行を進めており、本プロセスから得られる知見を通じて持続可能な将来の核融合発電所の進歩に貢献します。
さらにUKAEAは、英国が650億ポンドをかけて行う「Fusion Futures Programme」を実施しています。これは、英国のフュージョンエネルギー戦略を支援するための英国の「Euratom R&T」代替プログラムで、オックスフォードに位置するUKAEAのカラムキャンパスに新しい施設を設立し、新技術の進歩と核融合燃料サイクルの能力を拡張と同時に、世界をリードするイノベーションを促進し、国際協力や将来の核融合発電所の開発を通じて一般産業の能力を刺激することを目指しています。また、様々な分野やレベルでの専門知識を育成することに焦点を当てた核融合技術パッケージも導入されます。2021年に、UKAEAは南ヨークシャーのロザラム近くに核融合技術施設を開設し、将来の核融合発電所のための材料や部品の開発とテストを行っています。
UKAEAは、ロボティクスや材料などの幅広い分野で、学術界、他の研究機関、および産業供給チェーンと共に最先端の取り組みを行っています。
公式ウェブサイト: https://www.gov.uk/ukaea
SNS: @UKAEAofficial(https://twitter.com/UKAEAofficial)
【京都フュージョニアリング株式会社について】
当社は、京都大学の長年にわたる核融合研究の成果に基づき2019年に設立された、フュージョンエネルギープラント機器の開発に特色を持つエンジニアリング企業です。
プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器、水素同位体移送ポンプを始めとした先端核融合工学分野において世界有数の技術力を有しており、英国原子力公社を始め全世界の核融合研究開発機関・企業を顧客に持ちます。日本のものづくり力を結集し、革新的なエンジニアリングソリューションを世界に提供することで、人類に究極のクリーンエネルギーを提供し、フュージョンエネルギーという新たな世界市場を創出することを目指しています。
<会社概要>
会社名 京都フュージョニアリング株式会社
設立 2019年10月
事業内容 フュージョンエネルギープラント関連装置・システムの研究開発
およびプラントエンジニアリング
代表者 代表取締役社長 小西 哲之(こにし さとし)
社員数 103名 (2023年10月1日時点、派遣・業務委託・海外子会社含む)
所在地 東京都千代田区大手町(本社)
・京都府宇治市五ケ庄(研究拠点・京都大学宇治キャンパス内)
・英国バークシャー州レディング(英国子会社オフィス)
・米国ワシントン州シアトル(米国子会社オフィス)
HP https://kyotofusioneering.com/
採用ページ https://kyotofusioneering.com/joinus
ブログ https://kyotofusioneering.com/news_category/blog
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 商品サービス
- ビジネスカテゴリ
- 電気・ガス・資源・エネルギー
- ダウンロード