ブランド企業がOOH広告で「アテンション」を得るための広告クリエイティブを科学的に調査
VRアイトラッキング、脳科学、ML(機械学習)、AI(人工知能)、生成AIなど新しいテクノロジーを活用
株式会社大阪メトロアドエラは、株式会社電通、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ、Hivestack Japan株式会社、株式会社パス・コミュニケーションズ、一般社団法人日本広告業協会/OOH新共通指標策定プロジェクトと共同で、交通・屋外広告(Out-of-Home: OOH、以下OOH広告)のクリエイティブに関する調査を行いました。広告のインプレッション、リーチの先の効果指標として、広告にどのぐらいの注目が集められているかということを表す「アテンション」という言葉が、欧米の広告業界でも使われだしています。アテンションを高めるための変数として、今回は「サリエンシー(目立ち度)」(※1)に注目し、広告効果を向上させるクリエイティビティはどのようなものか?について、科学的分析を目指した調査を行いました。
(※1)サリエンシー:注目される視覚的要素の顕著性(=目立ち度)を計算するモデル。例えばあるビジュアルが視覚に与える刺激の特徴に基づき、アテンションがどのように向けられるのかを予測するために使われます。
この調査研究は、VRアイトラッキング、脳科学、ML(機械学習)、AI(人工知能)、生成AIなどの新しいテクノロジーを活用しています。これにより従来行われてきたような広告接触者へのアンケートだけでは把握しきれなかった広告接触時の無意識の反応や、受動的な広告接触を通じたOOH広告の効果を分析しています。
■背景と目的
グローバルの広告業界において、単にリーチやインプレッションを測定するだけでなく、消費者の注意をどれだけ引きつけるかが重要視されるようになってきているため、ARF(the Advertising Research Foundation)(※2)は最近、特に「アテンションの計測方法」「アテンション指標」の研究と研究結果の発表に注力しています。
(※2)ARF:1936年から広告、メディア、マーケティングに関する科学的研究の実践と400以上の会員企業に対し透明性と信頼性のある情報を提供している非営利団体(ニューヨーク本部)。主に米国の広告、マーケティング、メディア業界を対象に活動しているが、その研究結果やベストプラクティスは国際的にも広く認知され、利用されています。
また、グローバルOOH市場では、取引指標の標準化として視認率を考慮したインプレッション(VAC=Visibility Adjusted Contact / のべ広告視認者数)が採用されています。日本でもこの基準に基づいた取引指標の標準化が進められており、インプレッションによって広告枠を購入し、広告クリエイティブの効果としてアテンションを重視するという新たな取引形態へと移行しています。
本共同調査では、アテンションを高める広告効果の研究を進め、ブランド企業がOOH広告で最大の効果を発揮できるよう、広告主様のアテンション効果とクリエイティビティの向上を支援します。
■調査手法
・アイトラッキング:OOH広告のどの部分が注目を集めるかを測定
・脳科学:歩行中に本能的に目を引く要素を解析
・機械学習:歩行者が意識的に見る箇所を分析
・AI:過去の広告効果から「記憶」と「好感度」を予測
生成AI:デジタルポスターや動画を生成AIプラットフォームとストック素材で作成し注目を集めるOOH広告のクリエイティビティを調査
■調査結果の分析概要
・クリエイティビティ毎の差異と視認時間の変化
・オーディエンスと広告との距離に応じた視認性の違い
・クリエイティブの認識についての一貫性
・アテンションを集めるサリエンシーの高いクリエイティビティの特徴
■期待される成果
本調査では、OOH広告のアテンションを高めるための要素をまとめ、効果的な広告クリエイティブ制作に役立つ知見を共有し、OOH業界全体の進歩を促進します。OOH広告で注目を集めるクリエイティブを生み出すことは、激しい競争市場でブランドが成功するために不可欠です。この共同調査から得られる成果が、広告業界に与える影響に期待しています。
なお、詳細な情報は今後セミナーやカンファレンスなどで提供する予定です。
▼高広伯彦氏コメント
(マーケティングエンジン代表取締役社長、社会構想大学院大学特任教授、京都大学博士(経営科学))
「アテンション」と「サリエンシー」の重要性
インターネットの普及による「情報洪水」の時代において、どのようなメディアを用いても広告が届きにくくなっているという課題は、広告業界全体に困難をもたらしています。このことは「良い場所」の広告枠を獲得しても、生活者の視野には入りますが、「見てもらえる」までには至らない可能性が増えているということに他なりません。そのため、適切なターゲットリーチを確実にするためのメディア・プランニングと、注目される要素が考慮された広告クリエイティブのプランがますます必要になってきています。マーケティングや心理学の世界では「選択的注意」という言葉が知られていますが、人々は自身のアテンションを全てに向けているわけでなく、日々大量に浴びる情報の中から選り分けています。この原理が働くため、広告クリエイティビティの観点から「どうすれば見てもらえるか」を研究・考察し、広告出稿に活かして、広告効果を高める努力をする必要があります。
【株式会社 大阪メトロ アドエラ】
代表者:代表取締役社長 大矢雅士
所在地:大阪市西区九条南二丁目34番3号 Osaka Metro 九条ビル
設立:2021年
事業概要:広告メディア事業、非連続新規事業(人と人をつなぐ新規事業)
URL: https://osakametro-adera.jp/
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社 大阪メトロ アドエラ
東京オフィス:荒井(080-7601-4252)
お問い合わせ:https://osakametro-adera.jp/contact
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