ルビフル本フェア開催で、全ふりがなつきの科学雑誌『Newton』別冊シリーズなどの販売冊数、前年比26%向上

一般財団法人ルビ財団

2025年12月19日 11時00分

社会にふりがな（ルビ）を適切に増やすことで、あらゆる人が学びやすく、多文化が共生する「ルビフル」な社会づくりを目指す一般財団法人ルビ財団（所在地：東京都港区、代表理事：伊藤豊、以下ルビ財団）は、株式会社ニュートンプレスが発行する科学雑誌『Newton』別冊シリーズなどの販売冊数が、2025年5〜6月の「ルビフル本フェア」開催期間中に前年比26%増加したことをお知らせします。

日本語は、漢字が読めなければ内容を理解しづらく、アルファベットで書かれた英単語と比べて辞書をひくことも難しいため、読めない漢字の存在が読書のハードルとなることがあります。
ルビ財団では、書籍にルビが適切に振られていれば、子どもや漢字が苦手な人でも興味のある分野の本を読むことができ、可能性を広げることができると考え、ふりがな（ルビ）が多く振られた「ルビフル本」の選書活動に取り組んでいます。

このたび、2025年5月16日〜6月19日に丸善ジュンク堂書店90店舗で開催されたルビフル本の選書フェア「ルビで広がる本の世界フェア」の結果、『Newton』別冊シリーズを中心としたニュートンプレス発行商品の販売冊数が5月に前年比39%、6月に14%、5～6月累計で26%向上したことを確認しました。
『Newtonムック・別冊シリーズ』は2023年10月以降の号はすべて総ルビとなっており、年齢に関係なく興味関心さえあれば読むことができます。今回のフェアを通じて、これまで科学雑誌を手に取る機会の少なかった層にも広がりを見せたことがうかがえます。

◆関係者コメント

丸善ジュンク堂書店　営業本部　大内達也氏

書店に長く勤めていると、学者の方や研究者の方、読書好きの方と接する機会が多く、外国の方や漢字が苦手な方のご苦労を実感する機会があまりなかったのかもしれません。今回ルビ財団という存在と出会い、その活動目的を知って、はじめてルビの重要性に気づかされました。思えば自分の子どもの頃は、児童文学全集や文庫本は総ルビの本が多く、ルビのおかげでたくさんの漢字が読めるようになり、物語に没頭できたのだと思い至りました。

「科学雑誌『Newton』別冊シリーズ」は、総ルビを徹底されており、最新の科学知識や興味深い探求テーマについて、中高校生でも、あるいは基礎知識がなくとも、気軽に読んで楽しむことができる画期的なシリーズだと思います。もともと質の高いイラストや写真、図版が多数掲載されており、それを眺めるだけでも楽しい雑誌ですが、それに加えて総ルビを導入することにより、誰にでも科学の世界に踏み入れられる機会を、意識して広げてくれていると感じます。

「科学雑誌『Newton』別冊シリーズ」を「ルビで広がる本の世界フェア」の中心的存在として掲げることで、広く一般に総ルビのよさを伝えることができたと思います。

株式会社ニュートンプレス代表取締役　松田洋太郎氏

科学雑誌「Newton」は1981年の創刊以来一貫して「中学生以上なら誰でも予備知識なしに読めること」を編集方針にしてきました。特にワンテーマをビジュアル中心に展開するNewton別冊は、若い方から年配の方まで幅広いお客様に楽しんで頂きたいシリーズなので総ルビにしています。出版アクセシビリティの観点からも重要な取り組みだと考えています。「ルビフル大賞」グランプリを受賞した別冊「精神科医が語る発達障害のすべて改訂第2版」は、ルビフル本フェアの反響により現在でも多くの書店様からご注文を頂いており、おかげさまで弊社ムックとしては異例の5刷まで版を重ねています。