鹿児島県肝付町にて高齢者見守りIoT実験に成功

〜フジクラら4社、GPS搭載シューズと見守りシステムを共同開発し実験~

 株式会社フジクラ(本社:東京都江東区、取締役社長:伊藤 雅彦、以下フジクラ)、株式会社NTTドコモと共同で39Meister事業を運営する株式会社ハタプロ(本社:東京都港区、代表取締役:伊澤 諒太、以下ハタプロ)39Meisterチーム、株式会社キャラバン(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:岡部 道成、以下キャラバン)、株式会社LiveRidge(本社:東京都港区、代表取締役:澤和 寛昌、以下LiveRidge)は、位置情報を取得する専用IoTシューズ及びその位置検知を行う見守りシステムを開発いたしました。この度、鹿児島県肝付町協力のもと、実際の利用シーンを想定した捜索実証実験を実施し、その有用性を確認いたしました。
■背景
 警察庁発表の統計によると、認知症またはその疑いによる行方不明者は全国で15,432人(2016年)を記録し、4年連続で1万人を超えるなど、その数は年々増加傾向にあります。認知症による行方不明者の早期発見や安全確保は、早急に対策を講ずべき日本の社会全体の問題となっており、高齢者が多く暮らす日本の各地域でも例外ではありません。今回実験を行った鹿児島県肝付町では、認知症による行方不明者や、死亡事故などが実際に発生しており、その対策が急がれる一方、人手による見守りには限界があり、ICTやIoTといった最新技術の導入が期待されておりました。

■捜索実験プロジェクトについて
 フジクラは、2013年よりMVNOサービス「Oxymo(オキシモ)」を事業社様向けに提供しております。IoT領域で携帯回線を使用した社会課題解決の1つとしてGPSによる位置情報との連携により、高齢者の見守りに活用できると期待を寄せておりましたが、GPSデバイスを携帯していただかない限り位置検知はできず、特に認知症の方を対象とすると、そのGPSデバイスを自然な形で外出時に携帯頂くことが課題で、その解決方法について検証を重ねてまいりました。

 今回、どのような方であっても外出時に身に着ける「靴」に着目し、さらに行方不明になった方を探す側の立場にたって捜索オペレーションの課題も検討し解決することにより、これまでの製品と比べより早期発見ができるシステムを構築すべく本プロジェクトを立ち上げました。それぞれの分野で強みを持つパートナー企業と連携し、実際のフィールドでその有用性を立証いたしました。

■開発したGPS搭載シューズについて
 今回、GPSモジュールを搭載しても履心地の良い日常から利用できるシューズを新たに設計いたしました。これまで見守り向けに作られたGPS搭載シューズはGPSデバイスを搭載することに着目されており、靴として履き心地を含めて満足されていないことが普及の妨げになってきました。今回制作を行ったキャラバンは、日本の登山史に名前を刻んだトレッキングシューズメーカーであり、登山というシビアな環境下で快適かつ安全にご利用いただけるシューズの開発に専念してまいりました。今回、キャラバンの持つ制作技術やデザインの専門性を活かし、GPSモジュールを靴の中に最適に実装しながらも、軽量かつ履き心地が良くすべりづらい実用性とデザイン性の高いシューズの開発に成功いたしました。
 


■開発した見守りシステムについて
 従来の位置検索システムは、利用者にとって必ずしも使いやすいシステムにはなっておりませんでした。たとえば、直感的な操作による位置検索が困難であったり、画面構成が複雑なため肝心な捜索時に使い方が分からないといった課題がありました。今回システム提供を担当したハタプロとLiveRidgeは、IoT向けの管理システムや医療介護向けのシステム開発に関するノウハウと実績を有しており、それらをシステムでは見守り及び捜索ケースに特化した機能の実装と、画面の遷移の少ないデザインを採用すること、初見のユーザーでも迷わず使える捜索実用性の高いシステムを開発いたしました。
 


■実験の実施内容と結果
・実施日:2018年3月10日(土)
・実施場所:鹿児島県肝付町 新富地区
・実施概要:地域住民、医療介護関係者、警察、消防、自治体関係者約100名が集まり、認知症に対する理解の共有及び徘徊・行方不明を想定した捜索訓練を行った。
・実施詳細:肝付町で毎年実施されている認知症徘徊模擬訓練(※)において、今回開発を行ったGPS端末を搭載したシューズを履いた2名の徘徊役が行方不明になったことを想定して実施。徘徊者の特徴や性別年齢などの情報は捜索直前に公開し、徘徊役は当該地域外の人も含まれており、実際の捜索が発生したものと同等とした。
徘徊役が出発した20分後から、5人程度で構成される捜索チームが、今回開発を行った見守りシステムを利用して探索を開始。スマートフォン画面に表示される徘徊役の位置情報をもとに移動を行いながら、徘徊役の捜索を行った。

・実験結果
捜索開始から約30分で徘徊役の発見に至った。
GPSシューズの有用性としては、GPS端末を挿入した状態でも履いた異物感がなく、靴の履き心地も普通の靴同等以上という意見であった。また、斜面な急な丘や落ち葉の溜まった滑りやすい足元の悪い場所でも、安定して歩行でき、長い距離の後も足の異常は見られなかった。
見守りシステムの有用性として、いつ画面を見ても徘徊役の位置情報が地図上で正しく表示されていた。また、捜索者自身の位置も同じ地図上に表示されていたため、捜索時間の短縮に繋がった。

※認知症徘徊模擬訓練とは
本地区において7年前から実施されている、認知症高齢者の行方不明者の捜索訓練を目的とした地域住民の取り組み
 


■今後の展開
 本実証実験の結果を踏まえ、日常から使える履き心地を追求したIoTシューズの開発とソフトウェアの改善活動を行い、本サービスの事業化を目指してまいります。今後も4社は各社の専門知識を生かして、見守り事業を国内他地域に展開していき、高齢化にともなう様々な課題解決に取り組んでまいります。

■各社の紹介
・株式会社フジクラ
国内大手光ファイバ・ケーブル、フレキシブルプリント配線板、自動車電装部品、産業用電線などのメーカー
・株式会社ハタプロ
NTTドコモと共同で39Meisterを運営、リーン型開発手法を導入したハードウェアの設計・開発及びコンサルティング
・株式会社キャラバン
スポーツ・アウトドア用品の製造販売。スポーツ教室の運営およびその企画コンサルタント
・株式会社LiveRidge
GPS見守り位置情報サービス「LiveAir」の開発・提供
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