米国CFS社にレアアース系高温超電導線材を納入、生産能力を拡大
~カーボンニュートラル社会へ貢献~
株式会社フジクラ(取締役社長CEO岡田直樹)は、米国で世界初の核融合炉の実証に取り組むCommonwealth Fusion Systems※1(コモンウェルス・フュージョン・システムズ:以下CFS)社にレアアース系高温超電導線材※2の納入を開始し、将来に向けて同線材の生産能力の拡大を推進します。
【ポイント】
・二酸化炭素を排出しないエネルギーの必要性と、環境問題を根本的に解決できると期待されている“核融合発電”開発に向けた取り組みに貢献
・核融合炉に求められる超高磁場中で、高い電流特性と高強度を実現するレアアース系高温超電導線材の量産技術を確立。生産能力の拡大を推進。
CFS社は、MIT(マサチューセッツ工科大学)のスピンオフ企業として、2018年に設立され、世界初の核融合商業炉の実現に取り組んでいる、近年、大変注目されている最先端企業です。
核融合発電は、従来の発電と比較して、二酸化炭素を排出せず、その資源は海水中に豊富にあります。また、安全性などの点で優れ、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決する技術と期待されています。
当社が開発した超高磁場を実現するレアアース系高温超電導線材を採用することで、核融合発電に必要な超電導電磁石を従来よりも小型化することができます。
当社は、高温超電導※3が発見されて以来、世界トップレベルの研究開発を継続しており、現在は国内外に高性能で均一なレアアース系高温超電導線材を提供し、ユーザから高い評価を得ています。
CFS社が実現しようとする高温超電導を用いた核融合実証炉は、超高磁場中での高い電流特性だけでなく、高強度も同時に実現する必要があり、当社は長年培かった高い技術力でこれら要求を実現する量産技術を確立しました。
CFS社の共同出資者で最高科学責任者(Chief Science Officer)でもあるBrandon Sorbom氏は、次のように述べています。「我々は、SPARC※4の核融合電磁石に使用する高温超電導線材を提供するパートナーの1社として、フジクラと協力できることを嬉しく思っています。私たちはフジクラの高温超電導線材の性能に非常に感銘を受けており、核融合産業が必要とする大量の高温超電導線材の生産に対応できるよう、フジクラと協力してスケールアップしていくことを楽しみにしています。」
当社は、CFS社への本格納入を機に、生産能力を拡大し、レアアース系高温超電導のプレゼンスを高めると共に、今後も様々な次世代超電導機器への貢献を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
※1 Commonwealth Fusion Systems社
高温超電導を用いた世界初の核融合発電の商用化を目指してマサチューセッツ工科大学からスピンオフして、2018年に設立された米国マサチューセッツ州デベンズに本拠地を置く会社。従業員350人。
※2 レアアース系高温超電導線材
ニッケル基合金などのテープ状金属基板上に、中間層を介してレアアース等からなる酸化物超電導材料を結晶成長させながら成膜した超電導線材。その特性は、超高磁場中でも高く次世代超電導機器実現のために普及が期待されている。
※3 高温超電導
ある温度以下になると電気抵抗がゼロになる現象を超電導といい、液体ヘリウム(沸点:-269℃)を使って冷却する低温超電導(金属系超電導)と、液体ヘリウムを用いない温度でも超電導を示す高温超電導(酸化物系超電導)とがある。
※4 SPARC
現在、マサチューセッツ工科大学と共に開発している核融合検証炉のこと。
【参考:用語説明】
〇核融合
太陽のエネルギーの源であり、質量の小さな原子の原子核同士が融合して、その過程で膨大なエネルギーが発生する反応のこと。燃料1gで石油8トンを燃やした時と同等のエネルギーを生みだすことができるとされている。この資源の元は海水中に豊富に含まれており、かつ、二酸化炭素も発生しないため、将来、カーボンニュートラル社会の実現に期待される発電方式とされている。
・二酸化炭素を排出しないエネルギーの必要性と、環境問題を根本的に解決できると期待されている“核融合発電”開発に向けた取り組みに貢献
・核融合炉に求められる超高磁場中で、高い電流特性と高強度を実現するレアアース系高温超電導線材の量産技術を確立。生産能力の拡大を推進。
CFS社は、MIT(マサチューセッツ工科大学)のスピンオフ企業として、2018年に設立され、世界初の核融合商業炉の実現に取り組んでいる、近年、大変注目されている最先端企業です。
核融合発電は、従来の発電と比較して、二酸化炭素を排出せず、その資源は海水中に豊富にあります。また、安全性などの点で優れ、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決する技術と期待されています。
当社が開発した超高磁場を実現するレアアース系高温超電導線材を採用することで、核融合発電に必要な超電導電磁石を従来よりも小型化することができます。
当社は、高温超電導※3が発見されて以来、世界トップレベルの研究開発を継続しており、現在は国内外に高性能で均一なレアアース系高温超電導線材を提供し、ユーザから高い評価を得ています。
CFS社が実現しようとする高温超電導を用いた核融合実証炉は、超高磁場中での高い電流特性だけでなく、高強度も同時に実現する必要があり、当社は長年培かった高い技術力でこれら要求を実現する量産技術を確立しました。
CFS社の共同出資者で最高科学責任者(Chief Science Officer)でもあるBrandon Sorbom氏は、次のように述べています。「我々は、SPARC※4の核融合電磁石に使用する高温超電導線材を提供するパートナーの1社として、フジクラと協力できることを嬉しく思っています。私たちはフジクラの高温超電導線材の性能に非常に感銘を受けており、核融合産業が必要とする大量の高温超電導線材の生産に対応できるよう、フジクラと協力してスケールアップしていくことを楽しみにしています。」
当社は、CFS社への本格納入を機に、生産能力を拡大し、レアアース系高温超電導のプレゼンスを高めると共に、今後も様々な次世代超電導機器への貢献を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
※1 Commonwealth Fusion Systems社
高温超電導を用いた世界初の核融合発電の商用化を目指してマサチューセッツ工科大学からスピンオフして、2018年に設立された米国マサチューセッツ州デベンズに本拠地を置く会社。従業員350人。
※2 レアアース系高温超電導線材
ニッケル基合金などのテープ状金属基板上に、中間層を介してレアアース等からなる酸化物超電導材料を結晶成長させながら成膜した超電導線材。その特性は、超高磁場中でも高く次世代超電導機器実現のために普及が期待されている。
※3 高温超電導
ある温度以下になると電気抵抗がゼロになる現象を超電導といい、液体ヘリウム(沸点:-269℃)を使って冷却する低温超電導(金属系超電導)と、液体ヘリウムを用いない温度でも超電導を示す高温超電導(酸化物系超電導)とがある。
※4 SPARC
現在、マサチューセッツ工科大学と共に開発している核融合検証炉のこと。
【参考:用語説明】
〇核融合
太陽のエネルギーの源であり、質量の小さな原子の原子核同士が融合して、その過程で膨大なエネルギーが発生する反応のこと。燃料1gで石油8トンを燃やした時と同等のエネルギーを生みだすことができるとされている。この資源の元は海水中に豊富に含まれており、かつ、二酸化炭素も発生しないため、将来、カーボンニュートラル社会の実現に期待される発電方式とされている。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像