むじょう、ブランドアイデンティティを再構築――縮充時代の旗印へ

旧来の形を継ぎながら、右肩下がりのなかにある希望と強さを表現

株式会社むじょう

2025年6月20日 20時59分

株式会社むじょう（本社：東京都目黒区、代表取締役：前田陽汰）は、2025年6月、自社のブランドアイデンティティ（VI＝Visual Identity）を刷新いたしました。
このたびのリニューアルでは、むじょうの中核思想である「縮充（しゅくじゅう）」の哲学を、視覚的により力強く、わかりやすく伝えるためにロゴマークとロゴタイプを全面的に見直しました。
新しいロゴデザインは、「株式会社枠（わく）」が担当。むじょうが掲げる「縮小の中にも確かな前進と希望がある」という価値観を、線・太さ・方向性といった最小限の造形に凝縮しました。

旧ロゴが表したもの――「変化にやさしい」状態の象徴として

旧ロゴ。X軸に漸近する関数をモチーフにし、漸近線は限りなく0に近づくが0になる（=絶える）ことはないことを表現。

むじょうの旧ロゴマークは、X軸に漸近する関数をモチーフとしたものでした。
漸近線は限りなく0に近づいていきますが、0（絶える）になることは決してありません。

生命や関係性、地域の営みなども、変化を続けながらも、どこかに“続いている”状態がある。

むじょうが大切にしてきた「変化にやさしい」あり方を、なめらかなカーブによって視覚化したロゴでした。この造形は、創業当初からむじょうの思想を表す「静かな旗印」として存在してきました。

新ロゴに込めた意思――「縮充」の美意識を線で伝える

新ロゴ。太さと明度が変化する“右肩下がり”の1本の線が中心モチーフ。右肩下がりの先には希望の色である黄色を使用。

今回のVI刷新では、この旧ロゴの思想的背景を受け継ぎながらも、むじょうの現在地と未来にふさわしい、新たな造形へとアップデートを行いました。

新ロゴでは、山頂のような頂点から右肩下がりに向かって一本の線が引かれています。注目すべきはその線の“太さと明るさの変化”です。左側は細く暗く、右にいくほど太く、明るくなっていく。これは、縮小を前提とした社会においても、なお前向きに、力強く歩んでいくという「縮充」の姿勢をそのまま形にしたものです。

成長や拡大ではなく、「減ることを前提に、それでもなお豊かであろうとする」

そんな時代に向き合う人々の旗印となるロゴを目指しました。

VI制作は「株式会社枠」が担当

今回のブランドアイデンティティの再設計は「株式会社枠（わく）」様に依頼させていただきました。
むじょうの活動領域や思想的な土台、将来的に社会に問いかけたい哲学的なメッセージまでを丁寧にヒアリングしていただき、最終的に線一本の角度・太さ・明度にまでその思考を落とし込む作業を重ねていただきました。

そして素敵なメッセージも...

今後の展望――「思想を伝える形」としてのロゴへ

むじょうは、ロゴや書体を単なる見た目のデザインとしてではなく、「思想の入口」あるいは「問いを開く装置」として捉えています。
今回のロゴ刷新は、人口減少や土地の粗放化、耕作放棄地の増加など、不可避な変化に直面する日本社会において、むじょうが掲げる縮充という思想をより多くの人に伝えるための第一歩でもあります。

このロゴを旗印に、むじょうは今後も「減っていくことと、豊かに生きることの両立」をテーマにした実践・研究・政策提言を展開していきます。