在宅勤務を「増やしたい」が45%!メリット・デメリットと9割超が求める悪天候ルールの現実

正社員300名への調査をもとに在宅勤務の実態を分析し、人事・労務担当者が今すぐ取り組むべき悪天候時のルール整備について、安全配慮義務の観点も交えながら実務的な示唆をお伝えします。

エフアンドエムネット株式会社

エフアンドエムネット株式会社(本社所在地:大阪府吹田市、代表取締役社長:上枝康弘)は、管理部門向けのビジネスメディア「労務SEARCH(労務サーチ)」にて、企業で働く300名を対象に、在宅勤務に関するアンケート調査をおこないました。

300人が回答!在宅勤務に関するアンケート調査【2026年】

調査背景

コロナ禍をきっかけに広がった在宅勤務は、現在では多くの企業で働き方の選択肢のひとつとなっています。一方で、出社回帰の動きが進むなか、社員が在宅勤務をどのように受け止めているのか、会社にどのような制度整備を求めているのかは、人事・労務担当者にとって重要なテーマです。

特に近年は、猛暑日や台風、大雪などの悪天候時における出社判断も課題となっています。通勤時の安全確保や勤務ルールの公平性を考えるうえで、在宅勤務を一時的な配慮として扱うのではなく、就業ルールや社内制度としてどのように整備するかが問われています。

今回、労務SEARCHでは、正社員300名を対象に在宅勤務に関するアンケート調査を実施しました。これからも労務SEARCHでは、管理部門の悩みを解決できるようなアンケート調査を実施し、バックオフィス業務に役立つ、価値のある情報を発信してまいります。

■■当調査の引用・転載に関するお願い■■

当調査のデータを引用・転載する場合には、必ず「出典:労務SEARCH(https://romsearch.officestation.jp/report/57614)」と表記いただきますようお願いいたします。

主な調査結果

・勤務スタイルは完全出社が27%で最多、完全リモートは22.7%

・1〜2年前と比べて「変わらない」43.7%「会社の方針で減った」19%

・最大のメリットは「通勤時間・コスト削減」が57.3%で圧倒的1位

・デメリットは「コミュニケーション不足」や「オン・オフの切り替え」

・今後の希望は?「今より増やしたい」が45%

・改善してほしいことは「悪天候ルールの整備」「手当の充実」など

・悪天候時のルールは整備されているか?「専用ルールあり」はわずか7%

・合計93.3%が悪天候時の在宅勤務を希望する現実

● 勤務スタイルは完全出社が27%で最多、完全リモートは22.7%

現在の勤務スタイルを教えてください。

最多は「完全出社」(27.0%)で、「ほぼ出社(週1日未満の在宅)」(21.0%)と合わせた出社系スタイルは計48%を占めています。依然として出社が主流であることがわかります。

一方、「完全在宅(フルリモート)」(22.7%)、「週3日以上在宅」(15.0%)、「週1〜2日在宅」(14.3%)を合計した在宅系スタイルは計52%と過半数を占めており、社員の勤務スタイルは出社系・在宅系に二極化・多様化していることが浮き彫りになっています。

● 1〜2年前と比べて「変わらない」43.7%「会社の方針で減った」19%

最多は「変わらない」(43.7%)でしたが、注目すべきは「減った(会社の方針)」が19.0%に上っている点です。この割合は「増えた」(15.7%)を上回っており、自らの意思によらず在宅機会が縮小した社員が一定数いることを示しています。コロナ禍以降の出社回帰傾向が数値にも表れている結果といえるでしょう。

また、「在宅勤務をしたことがない」層が19.7%いることも見逃せません。在宅勤務の普及が語られる一方で、いまだ在宅勤務を経験していない社員も一定数存在しており、在宅勤務の浸透度には職場や業種によって大きな差があることがわかります。

1〜2年前と比べて、在宅勤務の頻度はどう変わりましたか?

● 最大のメリットは「通勤時間・コスト削減」が57.3%で圧倒的1位

在宅勤務のメリットと考えるものを一つ選んでください。

「通勤時間・コストの削減」が57.3%と圧倒的1位となりました。2位「育児・介護との両立がしやすい」(16.3%)に20ポイント以上の差をつけており、在宅勤務の最大の恩恵として通勤からの解放を挙げる社員が突出していることがわかります。

注目したいのは4位にランクインした「猛暑・悪天候時の移動負担がない」(9.7%)です。通勤そのものへのリスク意識が高まっており、安全に関わる問題として在宅勤務の価値を捉えている社員が一定数いることが示されています。

この意識は、後半で詳しく解説する悪天候時の在宅勤務希望(93.3%)とも深く関連する重要なシグナルといえます。

● デメリットは「コミュニケーション不足」や「オン・オフの切り替え」

1位「コミュニケーションが取りにくい」(30.7%)と2位「仕事とプライベートの切り替えが難しい」(28.7%)が拮抗しており、この2つで全回答の約6割を占めています。在宅勤務における”つながりの難しさ”と”境界線の引きにくさ”が、多くの社員にとって共通の課題となっていることが明確に示されました。

一方、「特にデメリットを感じない」と答えた社員も13.7%存在しています。すでに在宅勤務の環境・ツール・習慣が整い、デメリットをほとんど意識しなくなった”在宅慣れ”した層も一定数いることがわかります。

コミュニケーション不足やオン・オフの切り替えといった課題に対応するには、テレワークの運用ルールを整備することが第一歩です。評価方法や勤怠管理のルールをあわせて見直すことで、在宅勤務の課題の多くは軽減できます。

在宅勤務のデメリットと考えるものを一つ選んでください。

 今後の希望は?「今より増やしたい」が45%

今後、在宅勤務の頻度についてどう希望しますか?

「今より増やしたい」と「現状のまま在宅勤務を希望」がともに45.0%と同率で並ぶ結果となりました。

「今より減らしたい(出社を増やしたい)」(3.0%)と「在宅勤務はなくてよい」(7.0%)の合計はわずか10%にとどまっており、社員の9割が現行以上の在宅勤務を望んでいるという実態が明確になりました。

出社回帰を進める企業は、この社員側の意識とのギャップを認識しておく必要があります。

 改善してほしいことは「悪天候ルールの整備」「手当の充実」など

会社への改善要望で最多となったのは「悪天候・災害時の在宅勤務ルールを整備してほしい」(21.8%)でした。

2位の「通信費・光熱費などの手当を充実させてほしい」(21.2%)とほぼ同率であることを踏まえると、コスト面の充実と並んで、安全に関わるルール整備が社員の最大関心事のひとつであることがわかります。

また、6位にランクインした「在宅勤務時の評価基準を明確にしてほしい」(7.5%)も、人事実務上は重要なテーマです。在宅勤務が普及しても評価への不透明感が残る限り、社員の心理的安全性は高まりにくく、パフォーマンスや定着率にも影響しかねません。

在宅勤務制度について、会社に改善してほしいことを教えてください。(複数回答)

 悪天候時のルールは整備されているか?「専用ルールあり」はわずか7%

あなたの会社では、猛暑日・台風・大雪など悪天候・災害時の在宅勤務に関するルールがありますか?

悪天候時の在宅勤務専用のルールや制度を設けている企業は、わずか7.0%にとどまっています。

「上司の裁量で対応」(27.7%)、「特に対応していない」(24.0%)、「そもそも在宅勤務制度がない」(15.7%)を合わせると、制度なしに運用している企業は合計67%以上に上ります。

社員の93.3%が悪天候時の在宅を望んでいるにもかかわらず、専用ルールが存在する企業は7%のみ。この86ポイント以上の落差は、単なる制度の未整備にとどまらず、社員の安全への意識と企業の対応の間に生じている深刻なギャップを示しています。

 合計93.3%が悪天候時の在宅勤務を希望する現実

同調査にて悪天候時の在宅勤務について尋ねたところ、「強くそう思う」が73.3%と7割を超え、「ややそう思う」(20.0%)と合わせると、悪天候時に在宅勤務を希望する社員の割合は93.3%に達しました。これは単なる「できれば便利」という希望ではなく、安全への強い要求として受け止めるべき数値です。

とくに猛暑日における通勤リスクは、2025年6月(令和7年6月)に職場の熱中症対策が罰則付きで義務化されたことからも、企業が真剣に向き合うべき問題として位置づけられています。「職場に着いてからの対策」だけでなく、「そもそも猛暑日に通勤させること自体のリスク」を考慮する視点が、人事・労務担当者にも求められる時代になっています。

猛暑日・台風・大雪など悪天候・災害時に、在宅勤務を認めてほしいと思いますか?

「希望93%・整備7%」のギャップ、人事が今すぐ動くべき3つの理由

悪天候時の在宅勤務をめぐるこのギャップは、「社員のわがまま」として片付けられる問題ではありません。人事・労務担当者が今すぐ制度整備に動くべき、法的・組織的・採用面の3つの理由があります。

理由① 安全配慮義務の新解釈

猛暑日や暴風警報が発令された状況下での出社強要は、労働契約法第5条が定める「安全配慮義務」の観点でリスクになりうるという考え方が広がっています。2025年6月(令和7年6月)に職場の熱中症対策が罰則付きで義務化された流れを踏まえると、通勤中を含めた労働者の安全確保に対する企業責任の範囲は、今後さらに広がる可能性があります。「会社に着いてからが職場」という旧来の発想から、「通勤中のリスクも企業として考慮すべき」という認識への転換が求められています。

理由② 上司裁量運用のリスク

ルールや制度に関する設問では27.7%の企業が「上司の裁量で対応」していると回答しています。担当者によって判断基準が異なるこの運用は、同じ悪天候であっても部署や上司によって在宅の可否が変わるという不公平感を生みます。その結果、心理的安全性の低下や、許可しなかった上司へのハラスメント申告リスクに発展するケースも考えられます。

ルールの明文化は、社員を守るだけでなく、管理職を守ることにもつながります。こうした上司依存の運用が続くと、業務時間外にも判断を求められる管理職の負担も増大します。つながらない権利の整備とあわせて、管理職が個人の裁量で抱え込まない仕組みづくりが求められます。

理由③ 採用・定着への影響

悪天候時の在宅ルールが整備されていない企業は、求職者・在籍社員双方に「社員の安全を軽視している」という印象を与えかねません。実際、先行企業のなかには「暴風警報・特別警報発令時は原則在宅勤務」を就業規則に明記し、採用ブランディングにも積極的に活用しているケースも出てきています。人材確保が経営課題となる時代において、制度の有無は競争力に直結します。

制度への不満は表面化しにくいものの、GW明けや年度の節目に退職として表れることも少なくありません。日頃から社員が「この会社は自分の安全を考えてくれている」と感じられる環境づくりが、定着率の向上につながります。

調査結果まとめ

「社員が希望すればいつでもできる」「何かあれば上司が判断する」という属人的な運用から脱し、悪天候時の在宅勤務基準を就業規則に明文化することは、社員の安全を守るだけでなく、企業への信頼を高める取り組みでもあります。

制度整備はゼロから始める必要はありません。既存のテレワーク規程への一項追加から始められます。人事・労務担当者がその一歩を踏み出すことが、社員の安心と会社の信頼の両方につながります。

<調査の実施概要>

調査対象

企業で働く男女300名

調査方法

インターネット調査

調査日

2026年6月10日〜2026年6月21日

掲載記事

在宅勤務を「増やしたい」が45%!メリット・デメリットと9割超が求める悪天候ルールの現実

■労務SEARCHについて

労務SEARCH

労務SEARCHは、労務・人事にとどまらず、総務・経理・法務・財務などバックオフィス部門全体の実務課題解決を支援するビジネスメディアです。記事コンテンツ、ホワイトペーパー、セミナー、テンプレート、調査レポートなどを通じて、管理部門担当者の情報収集と業務改善をサポートしています。

会員・ユーザー数は7.6万人以上(2026年5月現在)。管理部門の実務担当者・役職者に加え、士業など専門性の高い読者層にも利用されており、バックオフィス向けBtoB SaaS・クラウドサービス・業務支援サービスの認知拡大、リード獲得、イベント集客に活用いただけるメディアです。
サイトURL:https://romsearch.officestation.jp/

■エフアンドエムネット株式会社 概要

会社名

エフアンドエムネット株式会社

代表者

代表取締役社長 上枝 康弘

設立

2000年9月

資本金

5,800万円

事業内容

・SaaSの提供

・ホームページ制作

・業務用システムの企画・開発・運用代行

事業所

大阪・東京

サイト

https://www.fandmnet.com/

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会社概要

URL
https://www.fandmnet.com/
業種
情報通信
本社所在地
大阪府吹田市江坂町 1丁目23番38号 F&Mビル
電話番号
06-6339-9403
代表者名
上枝 康弘
上場
未上場
資本金
5800万円
設立
2000年09月