断面図や省略図といった特殊な図示法を解説。『機械製図の基礎知識』第4回を公開《PDF無料配布中》

~加工者が誤解しない投影図を描く~

株式会社イプロス

ものづくり&まちづくりのBtoB情報サイト「Tech Note」を運営する株式会社イプロス(本社:東京都港区)は、『機械製図の基礎知識』の第4回を公開いたしました。第4回は、特殊な図示法(断面図・省略図)について解説します(次回は、局部投影図・相関線について解説予定)。本連載では、ものづくりの製品開発・設計に携わるエンジニアに役立つ、機械製図の基礎を全10回にわたって解説します。

著者:Material工房・テクノフレキス 代表 藤崎 淳子
監修:株式会社ラブノーツ 代表取締役 技術士(機械部門) 山田 学
 
  • 第4回:特殊な図示法1
第3回では、加工方法を考慮した、見やすい投影図を描くために必要な知識を紹介しました。第三角法による正投影による投影図では図面が煩雑になってしまい、対象物の情報を分かりやすく表せないことがあります。そのような場合、加工者が誤解しない投影図を描くために、断面図や省略図といった図示法を用いて表現します。今回は、読み手の理解を深めつつ簡潔に投影図を表すことができる、特殊な図示法を解説します。

【もくじ】
1. 断面図
2. ハッチングの描き方
3. 断面にしてはいけないもの
4. 省略図(長尺部品、片側省略、繰り返し図形の省略)

1. 断面図
物体を外形から見たとき、隠れた部分を分かりやすくするため、物体のある面を切断したと仮定して、その状態を断面図として図示することができます。これは、対象物をより理解しやすくするために、最もよく使うテクニックの一つです。

このように、加工者にとって理解しやすい製図を作るための断面図の作法には、さまざまな種類があります。

・全断面図

対象物の基本中心線で、切断面を決めて断面にしたものが全断面図です(図1)。

図1:全断面図の例図1:全断面図の例

対称図形などで基本中心線が明らかな場合は、切断線の指示を省略することができます。しかし、特定の部分を断面にする場合は、切断線を用いて切断面を明確に指示する必要があります。

・片側断面図

対称形の対象物の中心線から片側を外形図、もう一方を断面図として表すことができます(図2)。これを、片側断面図といいます。

図2:片側断面図の例図2:片側断面図の例

・合成断面図

平行な2つ以上の平面で切断した断面を、組み合わせて表したものが、合成断面図です。この場合、切断箇所が明確になるように切断線を示す必要があります(図3)。

図3:合成断面図の例図3:合成断面図の例

2. ハッチングの描き方
ハッチングとは、一定の面を平行な線で埋めることをいいます。切断面の切り口を表す場合は、切断面、または切り口の軸、および輪郭に対して45度の角度で描きます。ただし、形状に合わせて角度を変えるのがよいとされています(図4)。

図4:ハッチングの良い例悪い例図4:ハッチングの良い例悪い例

組み合わせ部品の場合は、部品のハッチングの向きを変えて、組み合わせ部品であることを分かりやすくします。また、ハッチング範囲内に文字や記号がある場合は、その部分だけハッチングを中断します(図5)。

図5:ハッチングの注意点図5:ハッチングの注意点

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  • バックナンバー
第1回:図面とは
1.設計の流れと製図
2.ISOとJIS
3.図面の役割
第2回:投影図の描き方
1.用紙サイズ、線の種類と用途、尺度
2.表題欄
3.第一角法と第三角法と矢示法
第3回:加工と投影図の向き
1.正面図の決め方と投影図を配置する際の注意点
2.旋盤加工と投影図
3.フライス盤加工と投影図

■現在公開中の『機械製図の基礎知識』一覧(2019年12月17日現在、第4回まで公開)
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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区浜松町1-18-16 住友浜松町ビル4F
電話番号
03-5405-4822
代表者名
小林 啓二
上場
未上場
資本金
1億円
設立
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