東 信・椎木 俊介『Encyclopedia of Flowers 植物図鑑 第5巻 覚醒の力』発売。悄然とした人心の覚醒の力となればとの想いを募らせ、花を生け続けた植物と人間社会をめぐるクロニクル。
株式会社青幻舎は、シリーズ第5弾にて、サイズも内容もリニューアルし、新たな局面を迎えた写真集『植物図鑑 第5巻』を刊行しました。
花の純粋無垢な美しさに忠実に従い、無私にその姿を留めることに尽くす。
それは、シリーズの原点に立ちかえることであった。
東信と椎木俊介が10年以上にわたってライフワークとして取り組んできた「植物図鑑」シリーズの第5巻。制作に費やした2年間は、ちょうど人々がパンデミックに苛まれてきた時期と同じくする。その最中に、たまたま伝統的な華道の源流についての本を手に取り、今日、私たちが直面する状況に重なる記述を目にする。室町時代に京都で発生した大飢饉の際に、難民たちに温かい粥を配り、小屋を建てて避難させ、そして悄然とした人々の心を慰め、生きる希望を取り戻してもらうために花を生け続ける僧侶たちがいたというのだ。このエピソードに心を打たれた二人は、今、自分たちにできること、すべきことは、花を生け、人々に供することだと確信し、本書を編んだ。本書では、よりダイナミックに作品を体感できるように、デザインを一新。
サイズがひと回り大きくなり、限りなく水平にページが開く製本方法を採用している。
■ 本書の中身紹介
【受けつがれてきた美のかたち】
いけばなの源流に敬意の念を表した《IKEBANA》シリーズ、また、要(かなめ)や核を意味する《PIVOT》シリーズは、要となった根元から先に行くほど広がる扇のような形状の作品群だ。扇状は日本では古くから「末広がり」とも呼ばれ、縁起が良いとされてきた。一つの起点からのびのびと枝葉を張りめぐらし、花開く姿に希望を託した。
【生命の「共生」の姿】
ルーツの異なる花々をフラットに、等価に生けた《WHOLE》シリーズ。どんな高価な植物も、あるいは道端にささやかに咲く花も、その存在価値は等しい。そして、《AUTOGENESIS》シリーズでは、多種多様な植物の共
同体が、まるで一つの生命体となって強烈な生気を吐いている。《FLOCK》が意味する「群れ」とは、個体が身を守るために集合体をつくる生存本能のあり方だ。
■書誌情報
発売:2021年12月19日
書名:植物図鑑 第5巻
著者:東 信
写真:椎木俊介
アートデレクション:原研哉
製本:クータバインディング上製本
判型:A4変形( H297 × W225 mm)
総頁:288頁
図版数:カラー図版220点以上
植物名リスト付き
定価:4,500円+税
ISBN: 978-4-86152-877-4 C0072
■ 著者プロフィール
東 信(あずま・まこと)
フラワーアーティスト。ニューヨークでの個展を皮切りに、ヨーロッパを中心に実験的な作品を数多く発表するほか、2009年より実験的植物集団「東信、花樹研究所(AMKK)」を立ち上げ、世界各地で作品発表を重ねる。独自の視点から植物の美を追求し続けている。
椎木 俊介(しいのき・しゅんすけ)
ボタニカル・フォトグラファー。東が植物による造形表現をはじめると時期を同じくして、カメラを手にし、刻々と姿かたちを変容させる生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。
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