しばらく口に含んでから飲む緑茶の新しい飲み方 “含み飲み” コロナ禍においてクローズアップされる 新・生活習慣病に“緑茶”を「第3回 伊藤園健康フォーラム」
お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵~茶カテキン研究最前線~
株式会社伊藤園(社長:本庄 大介 本社:東京都渋谷区)は、「第3回 伊藤園健康フォーラム」(主催:伊藤園中央研究所)を、2021年5月20日(木)に伊藤園公式YouTubeにて開催しました。
本フォーラムは、お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵~茶カテキン研究最前線~をテーマに開催。茶カテキンの最前線を研究されている専門家による、お茶に関する講演およびパネルディスカッションを通して、人々が笑顔で健康な毎日をお過ごしいただけるよう、お茶が果たせる役割について、専門家の方々を交えて議論を行いました。
- 伊藤園が考える「緑茶と健康」
■伊藤園中央研究所 衣笠
「自然」「健康」「安全」「良いデザイン」「おいしい」の5つの商品開発コンセプトを基に事業展開をしている伊藤園中央研究所では、お茶を科学し「健康と安心」をお客様に届け「おいしさと楽しさ」を世界に広めるべく、「健康」「安心」「おいしさ」「楽しさ」に焦点を当てて研究をしております。
「健康」に関する研究に特に注力しており、緑茶のカテキン・テアニン摂取により、インフルエンザ予防の効果があることや、「食べすぎ」「寝不足」「ストレス」などが大きな要因となる、「生活習慣病」への対応に緑茶が効果的であることを明らかにしています。緑茶には「カテキン」以外にも様々な成分が含まれており、今後も緑茶に関する研究を更に続けていきたいと考えております。日本の超高齢化社会および、今後さらに問題になるであろう生活習慣病に対する研究なども積極的に行い、最新の研究情報を世界に向けて発信し続けてまいります。
- マスクや手洗いに並ぶ『公衆衛生的な使い方』に“お茶”を
■松田氏 講演内容
これは論文査読中の内容ではありますが、これまで伊藤園との共同研究にて、緑茶・ほうじ茶・紅茶などに含まれる茶カテキンが、ヒトのだ液中に加えた新型コロナウイルスの感染力を抑制することがわかっています。新型コロナウイルス感染症では、感染者(無症状の感染者を含む)のだ液からの飛沫感染を防ぐことが大切です。そのため、人が多い環境に行く前や食事の前にお茶を飲み、だ液の中のウイルスが減ることにより、感染者が他の人にウイルスを拡散することを抑制するのではないかと考えています。利他的に他人にうつさないことを目的としてお茶を飲むという、マスクや手洗いに並ぶ『公衆衛生的な使い方』ができるのではないかと期待しています。これはあくまで試験管内の実験ではありますが、現在ヒトでの臨床研究もスタートさせ、さらに研究を進めていく予定です。
- コロナ禍でさらに気になる口腔ケアは、身近な“お茶”から
■米永氏 講演内容
人間の3大欲求の中で、唯一介助が必要になるのが「食欲」であり、食べられないことは人間にとって大きな苦痛となります。これらの状態が続くことを『イートロス』と呼びます。『イートロス』になると低栄養になり、カヘキシア(骨と皮だけの状態になるようなこと)になり、最悪死に至ることもあります。こういった観点から口腔内の健康を保つことは非常に重要であると考えています。歯垢1gあたり生菌1000億個おり、それらが影響する歯周炎などにもお茶が効果的であることがわかっています。
お茶に含まれる茶カテキンには、口臭抑制効果があると考えています。このようにお茶は口腔内を健康に保ちながら、体内においても様々な効果が期待されているため、『イートロス飲料』として提示していくべきものだと考えています。イートロスを克服し、健やかに、穏やかに人生を全うできる、そんな世の中を目指しています。
- コロナ禍での長期間の社会生活の制限は、どのような影響を与えるか
■今野氏
「長期化する外出自粛生活は、ストレスを増大し、認知機能の低下を招いています。外に出て運動することや人とコミュニケーションを図ることは脳への刺激になっており、それらの制限が大きく影響すると考えております。」
■工藤氏
「外出自粛の中で体内リズムが乱れ、コロナ太りや血糖値・血圧の上昇を引き起こしているようです。それらはストレスを要因としている場合がほとんどで、体内リズムをしっかりと整えていく事が重要です。」
■米永氏
「長期間のマスク使用によって、やはり口臭の発生などの口腔環境の悪化を気にされる方が、非常に増えております。」
以上のディスカッションから、コロナ禍での長期間の社会生活の制限は、認知機能の低下、ストレス、コロナ太り、口腔環境の悪化などをもたらしていることが分かりました。
- お茶のチカラの活かし方
■松田氏
「新型コロナウイルスは感染力が強く、だ液の中、つまり人の口から出る飛沫内に存在するので、日常生活の中で感染が拡大してしまいます。試験管レベルの試験結果ですが、一般販売されているお茶で十分に効果が期待ができます。」
■米永氏
「お茶の飲み方として、しばらく口に含んでから飲む“含み飲み”が非常におすすめです。すぐに飲み込んでしまうよりも効果が期待でき、簡単にできます。」
■今野氏
「認知症予防にはお茶を1日2杯以上、できれば5杯以上飲むことがおすすめです。ストレスに関しても、緑茶を推奨しています。リラックス作用のある「テアニン」が含まれているためで、比較的ぬるめの温度で抽出されます。」
■工藤氏
「体内リズムの崩れによるコロナ太りを防ぐ方法として、お茶をふりかけにして食べる「出汁緑茶」をおすすめしています。お茶は飲み物のイメージが大きいですが、食べ物としてもおすすめです。」
ディスカッションを通して、コロナ禍においてクローズアップされる健康課題に対しても「お茶」が有効であることが分かりました。
- QOLを高めるお茶・茶カテキンとの上手な付き合い方~4つのポイント
① お茶を自分のために周りのために飲む衛生習慣
② お茶の含み飲みで、口から始める健康管理
③ お茶で心にゆとりとコミュニケーションを
④ お茶を飲みながら体内リズムを整えよう
- 登壇者
松田 修氏(京都府立医科大学大学院医学研究科 免疫学 教授)
京都府立医科大学を卒業後、自治医科大学付属病院レジデントを経て、京都大学医学研究科博士課程を修了、医学博士。JSPS特別研究員を経て、1994年に京都府立医科大学にて微生物学の助教、その後同・講師、同・准教授。2008~2012年JSTさきがけ研究者を兼務。2010年免疫・微生物学教授となり、2011年より現職。専門分野は、免疫学、再生医学。
米永 一理氏(東京大学大学院医学系研究科 イートロス医学講座 特任准教授)
鹿児島大学歯学部卒業後、東京大学で研修し、東京大学大学院に進学。その後東海大学医学部を卒業し、十和田市立中央病院で研修。東京大学口腔外科助教、十和田市立中央総合内科医員、JR東京総合病院総合診療科医長、JR東京総合病院地域医療連携相談センター長、十和田市立中央病院附属とわだ診療所院長などを経て、2020年4月より現職。現在日本口腔ケア学会口腔ケアアンバサダー委員会委員長でもあり、口腔ケアから『食べる』を支える活動も行っている。
今野 裕之氏(医療法人社団TLC医療会ブレインケアクリニック 名誉院長)
ブレインケアクリニック名誉院長・一般社団法人日本ブレインケア・認知症予防研究所所長。精神科領域の栄養療法や米国発の認知症治療・リコード法などを実践。著書に「最新栄養医学でわかった! ボケない人の最強の食事術(青春出版社)」、その他監修やメディア出演など多数。
工藤 孝文氏(みやま市工藤内科 院長)
福岡県みやま市工藤内科院長。専門分野は糖尿病・肥満治療、東洋医学・漢方治療で、多数のテレビ番組に出演中。著書に「緑茶コーヒーダイエット」「やせる出汁」などがある。
衣笠 仁(株式会社伊藤園 中央研究所 所長)
1986年 日本大学農獣医学部卒業、株式会社伊藤園入社、中央研究所に配属、茶の香りの研究に携わる。特に飲料の製造時に起こる品質変化に関する研究を専門とする。2007年 開発部開発6課に異動、緑茶飲料の開発に携わる。2013年 中央研究所に異動、現在に至る。
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