国内大学初!千葉工業大学が学位証明書をNFTで発行。学生自らデザインを考案
「大学での経験を”原石”とし、新たなチャンスや信頼関係を磨くきっかけにしてほしい」という想いを込めて
今回のNFT学位証明書は、オンチェーン情報で一般公開されるNFTと、学生側で公開/非公開の設定が可能なVC(Verifiable Credentials)(※1)の二つの技術を掛け合わせることで、学生のプライバシーを保護しています。NFT画像には「千葉工業大学の卒業生であること」のみを記載し、学生の名前や学位、学科などの個人情報をVCとして発行しました。
※1 VC(Verifiable Credentials)とは、資格や能力等を証明するデジタル上で検証可能な個人情報のこと。国際技術標準化団体のW3Cによって標準化されている。
同NFT証明書の秘密鍵は、株式会社Crypto Garageが提供するキーマネジメントサービス「mahola wallet」を利用し、管理を行なっています。信頼性の高いカストディ業者に管理を委託することで、漏洩リスク等の低減化を図っています。
※注釈:2023年3月22日現在、当社調べ
本件における3つのポイント
1. 「大学」が学位証明書をNFTで発行した事例としては国内初
2. 千葉工業大学の学生3名が証明書のデザインを考案
3. 学生のプライバシー保護を目的とした「NFT+VC」の形での発行
▼「NFT+VC」の技術設計についての詳細は、こちらの記事をご覧ください
【イベントレポート】Blockcerts勉強会〜千葉工業大学のNFT学修歴証明書の裏側〜 - PitPa Tech Blog
https://zenn.dev/sakazuki_xyz/articles/eventreport-blockcerts
学生が自ら考案。NFT学位証明書のデザインコンセプトについて
本NFT学位証明書のデザインコンセプトは、同大学にてデザイン研究に取り組む稲坂研究室の学生3名が考案し、NFT、VCそれぞれにデザインを反映しました。
▼【左】NFT学位証明書のデザイン、【右】VCの証書デザイン
■コンセプト:「大学での経験が”原石”となり、新たなチャンスや信頼関係を磨くきっかけになる。」
見つけ、掘って、磨くことで本来の価値が輝く、ダイヤモンドの「原石」。人間も、学び、努力し、能力を磨くことで光を放つ「原石」のようなもの。この両者の共通点に着眼し、コンセプトが生み出されました。原石の色は、千葉工業大学のスクールカラー「紫紺」を採用しています。
◆デザインを考案した、稲坂研究室の学生さんからのコメント
「原石」をコンセプトにした背景は、原石が宝石に変化するまでの「自ら掘り、磨き、徐々に光っていく」過程が、大学生活を通じて学生が成長していく過程に似ていると考えたからです。つまり、主体的に学びを得て、力に変えるために努力し、能力を最大限発揮することで、光り輝く。この共通点をコンセプトに落とし込むことで、学生一人ひとりの可能性を表現できればと考えました。
また、学生生活や卒業は「ゴール」ではなく、あくまで人生における一つの過程に過ぎないということを表現するために、宝石ではなく敢えて「原石」をモチーフにしています。
今後のNFT学位証明書のあり方として、特別な表彰に限らず、日々学びを得る中での「努力」や「成果」などの些細な活動も評価され、学位証明書に反映される仕組みが必要だと考えています。さらに、「原石」にもいろんな形があるように、ダイナミックNFT(※2)などの技術を活用することで、個々がオリジナルの証明書を手にする未来もあるのではないでしょうか。
今回のNFT学位証明書を通じて、世界中のどこに行っても「千葉工大の卒業生であること」に誇りを持ち、それぞれの学生が大学生活での経験や努力を糧に、新たな舞台で活躍する可能性が広がることを願っています。
※2 NFT発行後も表示仕様や機能を変化させることができるNFTのこと
◆千葉工業大学 変革センター 伊藤穰一所長からのコメント
本学位証明書の発行にあたって、VCだけでなくNFTも発行した背景は、卒業生が本NFT学位証明書と他のクレデンシャルを一元管理できるようにするためです。NFTを管理するウォレットには、単一の企業や機関によってコントロールされずに自ら管理できる「パーミッションレス」という性質があります。この性質を踏まえ、NFTという形で発行するに至りました。また、クレデンシャルの認証技術に関しても、オープンソースかつオープンスタンダードなものを利用し、世界中の誰もが実績を確認できる仕組みを担保しました。今後、クレデンシャルを発行する際には、保有者がクレデンシャルを蓄積させ、グローバルで活用できるよう配慮することが重要だと感じています。
本NFT学位証明書のデザインは卒業生がウォレットを接続するweb3上のあらゆる場所で表示されるため、デザインそのものが「CITの学生である」ことを表している点にとてもワクワクしています。NFT学位証明書を発行した国内初の大学として、そのNFTのデザインがCITのデザインであることを誇りに思います。
学位証明書を「NFT+VC」の形で発行する3つのメリット
①学生のプライバシーを保護した形で「千葉工業大学の卒業生」であることを証明可能
NFTはブロックチェーン上に存在する一方で、VCはブロックチェーンの活用が必須ではない証明技術です。今回の証明書の発行にあたっては、学生の個人情報保護の観点からVCにはブロックチェーンを活用していません。そのため、「千葉工業大学の卒業生であること」のみがNFTで分かる形で、個人名や学位などの個人情報はVCに記載することでプライバシーを保護しています。VCの情報は学生側で「公開/非公開」の設定が可能です。例えば、就職活動時にVCのURLを経歴書に記載しておくことで、同大学の卒業生であることをオンライン上で証明することができます。
②大学機関に依存しない形でのアイデンティティの横展開が可能に
NFTは、MetaMaskなどの暗号資産ウォレットを通じて個人で管理できるという特性を持ちます。そのため、NFTと連携可能なオンラインチャットツール「Discord」やタスク管理ツール「Dework」などと接続するだけでアイデンティティの証明を行うことができ、web3時代の働き方を促進します。また、国際規格に準拠した形で発行しているため、グローバル規模での活用も可能です。
▼NFTマーケットプレイス「Opensea」でも閲覧可能
③就職時における、リファレンスチェック時のコストを削減
就職時に求職者が提示する経歴内容が自己申告制であることもあり、情報の真正性を十分にチェックできない、またはチェックに時間や手間などのコストがかかるといった課題があります。しかし、「透明性」と「真正性」の担保が可能なNFTを活用することで、雇用側は第三者により立証された職歴情報を元に採用を進めることが可能になります。学生側も、大学に証明書の発行や情報開示を逐一求めることが不要となり双方のコストを削減できます。
千葉工業大学 令和4年度学位記授与式の開催概要
■日時:令和5年3月22日(水曜日)午後2時00分開式(午後1時00分開場予定)
■会場:幕張メッセイベントホール(JR京葉線「海浜幕張駅」から徒歩5分)
■お問い合わせ:千葉工業大学 教学センター(学務担当)TEL:047-478-0237
詳細はこちらご覧ください:https://www.it-chiba.ac.jp/topics/r4graduation/
株式会社PitPaについて
【会社概要】
株式会社PitPa(ピトパ)
本社所在地:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコDGビル
代表者:代表取締役社長 石部 達也
設立年月日:2018年8月
資本金:1.7億円
公式サイト:https://pitpa.jp/
主な事業内容:
・ポッドキャスト制作・マーケティング支援事業
・ブロックチェーンを活用した採用支援事業
【株式会社PitPaについて】
PitPaは「メディアのあり方を再定義し、持続可能な経済性を提供する」をミッションに、最先端のテクノロジーを活用しながらポッドキャスト制作事業やブロックチェーン事業を展開しています。ポッドキャスト制作事業では、元MITメディアラボ所長として知られる伊藤穰一氏のポッドキャスト番組「Joi Ito’s Podcast – 変革への道」を運用。同番組リスナーのエンゲージメントを高める「会員証NFT」の配布を皮切りに、個人の学歴や職歴、スキルといった人的資本に関わる証明書のNFT化を通じて、「個人」の可能性を最大限に引き出し、新たな機会創出を目指す人材事業にまで発展してきました。今後も、私たちが心から「面白い」と感じたテクノロジーやカルチャーを活用したビジネスの構築を通じて、個人が活躍できる社会の実現に向けて取り組んで参ります。
〈本件についてのお問い合わせ〉
株式会社PitPa 担当:富山
E-mail:support@pitpa.jp
〈取材・大学広報・学位記授与式関連についてのお問い合わせ〉
千葉工業大学 入試広報部
E-mail:cit@it-chiba.ac.jp
※本学の各担当部署から回答いたします。
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