北海道大学と三菱総研DCSが反射スペクトルデータを用いたスマート農業に関する共同研究において、稲の生育状況の指標化に向けた取り組みを開始
国立大学法人北海道大学(北海道札幌市北区、総長:寳金 清博、以下:北海道大学)と、三菱総研DCS株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:松下 岳彦、以下:DCS)は、稲の育成段階を表現する新たな指標を策定するため、2022年11月よりスペクトルデータの解析を開始しました。
なお、北海道大学とDCSは、2021年10月よりスマート農業に関する産学共同研究を行っています。
なお、北海道大学とDCSは、2021年10月よりスマート農業に関する産学共同研究を行っています。
1.概要
反射スペクトル計測とは、専用の分光器の視野に入射する、植生などの反射光(紫外・可視・赤外など)の波長ごとの強度を、広い波長域で同時に精密測定する技術です。
この情報を分析することにより、撮影対象の生育段階や病害虫などの被害状況を推定することができます。共同研究では、独自開発した分光器を用いて北海道の稲圃場でデータを取得(北海道大学)、そのデータをAI技術等を活用して解析します(DCS)。そして解析結果を踏まえ、
・稲の育成状況を推定するために有効な波長を特定
・計測時の光の入射および測定器の角度および天候といった条件がその推定に及ぼす影響の評価
などの研究テーマに共同で取り組んでいます。
2.背景
日本国内の農業分野において、高齢化や人手不足の問題を解決するため「スマート農業」を活用する動きが出始めています。
北海道大学では、農業分野を中心とした様々な課題を解決するために、超小型衛星やドローンを用いて詳細なスペクトルを測定・解析する研究を進めています。その研究の一環として、北海道大学は独自に開発した低価格な小型分光器を用いて、数10種類の農作物について、スペクトルデータの収集および解析を行ってきました。
スペクトルデータを活用するためには、専門知識と高度な解析技術が必要となります。DCSは累計50社以上でのデータ分析業務支援を活かしたデータ解析・AI技術のノウハウを活かして、データ解析の面から研究に参画してきました。
3.今後の展望
ある農作物の病害虫発生有無を検出する等、特定の目的でスペクトル情報を活用する場合、どの波長(あるいは、波長の組み合わせ)がその目的に最も有効かがわかれば、必要最小限の波長のみで高精度測定することで、高い判別能力を保ちながらコストを抑えることが可能になります。北海道大学では、独自に開発した手持ちサイズの小型分光器で、多様な植物種の様々な状態および太陽入射・計測角度ごとのスペクトルデータをアーカイブした「スペクトルライブラリ」を構築、目的に応じた有効な波長を抽出する作業に取り組んでいます。
北海道大学の農業におけるスペクトル計測の専門知識や研究ノウハウと、DCSのデータ解析の強みを組み合わせることで、「スペクトルライブラリ」の充実を図ると共に、それを活かした多様な植物の生育状況や病害虫被害の把握のための実装を容易にし、国内の農業の様々な課題の解決を目指します。
■北海道大学について
北海道大学は、1876年に創立された札幌農学校に源を発する、140年以上の歴史と伝統を誇る基幹総合大学であり、人文・社会科学や自然科学の各分野における強みを生かし、応用研究と基礎研究の両方を重視した多様性のある研究を行っています。大学の社会貢献の取り組みを国連のSDGsの枠組みを使って評価する「THEインパクトランキング2022」では、国内1位にランクインしました。
■三菱総研DCSについて
DCSは、1970年の創立以来、銀行・クレジットカード等金融関連業務で豊富な実績を有するIT企業です。2010年よりデータサイエンス事業を開始、データ分析を中心としたデータ利活用における支援を多くの企業にご提供しています。また、データ分析やAI実装で培った知見やノウハウを活かし、データサイエンティスト育成支援やデータ利活用組織立ち上げ支援も行っています。
URL:https://www.dcs.co.jp
■本リリースに関するお問い合わせ先
北海道大学
・研究内容に関して
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
大学院理学研究院 教授 高橋幸弘
TEL: 011-706-9244 E-mail: yukihiro@sci.hokudai.ac.jp
・配信元
〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目
社会共創部広報課
TEL: 011-706-2610 E-mail: jp-press@general.hokudai.ac.jp
三菱総研DCS株式会社
・当リリースに関して
〒140-8506 東京都品川区東品川四丁目12 番2 号
広報部
TEL: 03-3458-8214 E-mail: kouhou@dcs.co.jp
反射スペクトル計測とは、専用の分光器の視野に入射する、植生などの反射光(紫外・可視・赤外など)の波長ごとの強度を、広い波長域で同時に精密測定する技術です。
この情報を分析することにより、撮影対象の生育段階や病害虫などの被害状況を推定することができます。共同研究では、独自開発した分光器を用いて北海道の稲圃場でデータを取得(北海道大学)、そのデータをAI技術等を活用して解析します(DCS)。そして解析結果を踏まえ、
・稲の育成状況を推定するために有効な波長を特定
・計測時の光の入射および測定器の角度および天候といった条件がその推定に及ぼす影響の評価
などの研究テーマに共同で取り組んでいます。
2.背景
日本国内の農業分野において、高齢化や人手不足の問題を解決するため「スマート農業」を活用する動きが出始めています。
北海道大学では、農業分野を中心とした様々な課題を解決するために、超小型衛星やドローンを用いて詳細なスペクトルを測定・解析する研究を進めています。その研究の一環として、北海道大学は独自に開発した低価格な小型分光器を用いて、数10種類の農作物について、スペクトルデータの収集および解析を行ってきました。
スペクトルデータを活用するためには、専門知識と高度な解析技術が必要となります。DCSは累計50社以上でのデータ分析業務支援を活かしたデータ解析・AI技術のノウハウを活かして、データ解析の面から研究に参画してきました。
3.今後の展望
ある農作物の病害虫発生有無を検出する等、特定の目的でスペクトル情報を活用する場合、どの波長(あるいは、波長の組み合わせ)がその目的に最も有効かがわかれば、必要最小限の波長のみで高精度測定することで、高い判別能力を保ちながらコストを抑えることが可能になります。北海道大学では、独自に開発した手持ちサイズの小型分光器で、多様な植物種の様々な状態および太陽入射・計測角度ごとのスペクトルデータをアーカイブした「スペクトルライブラリ」を構築、目的に応じた有効な波長を抽出する作業に取り組んでいます。
北海道大学の農業におけるスペクトル計測の専門知識や研究ノウハウと、DCSのデータ解析の強みを組み合わせることで、「スペクトルライブラリ」の充実を図ると共に、それを活かした多様な植物の生育状況や病害虫被害の把握のための実装を容易にし、国内の農業の様々な課題の解決を目指します。
※共同研究の詳細はこちら:https://www.dcs.co.jp/technology/report/spectrum/index.html
■北海道大学について
北海道大学は、1876年に創立された札幌農学校に源を発する、140年以上の歴史と伝統を誇る基幹総合大学であり、人文・社会科学や自然科学の各分野における強みを生かし、応用研究と基礎研究の両方を重視した多様性のある研究を行っています。大学の社会貢献の取り組みを国連のSDGsの枠組みを使って評価する「THEインパクトランキング2022」では、国内1位にランクインしました。
■三菱総研DCSについて
DCSは、1970年の創立以来、銀行・クレジットカード等金融関連業務で豊富な実績を有するIT企業です。2010年よりデータサイエンス事業を開始、データ分析を中心としたデータ利活用における支援を多くの企業にご提供しています。また、データ分析やAI実装で培った知見やノウハウを活かし、データサイエンティスト育成支援やデータ利活用組織立ち上げ支援も行っています。
URL:https://www.dcs.co.jp
■本リリースに関するお問い合わせ先
北海道大学
・研究内容に関して
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
大学院理学研究院 教授 高橋幸弘
TEL: 011-706-9244 E-mail: yukihiro@sci.hokudai.ac.jp
・配信元
〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目
社会共創部広報課
TEL: 011-706-2610 E-mail: jp-press@general.hokudai.ac.jp
三菱総研DCS株式会社
・当リリースに関して
〒140-8506 東京都品川区東品川四丁目12 番2 号
広報部
TEL: 03-3458-8214 E-mail: kouhou@dcs.co.jp
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