富裕層・経営者の5割超が相続対策に未着手、60代からの相続対策スタートが最多。“財産観”に変化、現金・有価証券など流動性資産を重視する層が増加
〜相続税負担への不安高まる一方で準備は後手、全国の経営者・富裕層約900名を調査〜
個人資産家や企業オーナーを対象に財産コンサルティングを提供する株式会社青山財産ネットワークス(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見 正純、以下「当社」)は、全国の経営者504名および関東在住の富裕層400名を対象に資産に関する意識調査を実施しました。
最新調査では、不動産が依然として最多である一方、現金・預貯金や有価証券など流動性資産を重視する傾向も広がりつつあります。また、相続税負担への懸念を背景に、生前贈与や保険活用など具体的な対策を取る層が増加していることがわかりました。一方で、依然として4割超が「未着手」であり、早期準備の重要性が浮き彫りとなりました。
本調査は、資産に関する意識の見える化を目的に2023年より毎年実施しています。
今回の調査の結果、相続対策を「何もしていない」と回答した割合は、全国経営者56.2%、関東富裕層43.8%で、両属性の平均が50.7%と、5割超が相続対策に未着手であることが明らかになりました。
一方、相続税負担への不安を感じる割合は、全国経営者47.5%、関東の富裕層が46.4%といずれも高い割合でした。特に全国経営者では、前回調査(2025年2月)より6.4ポイントも上昇しました。地価上昇に伴い課税評価額が上がりやすく、相続税負担への懸念が強まっていることが背景として考えられます。
▍主な調査結果
① 5割超(50.7%)が相続対策に未着手
②60代からの相続対策が最多
③家族との相続の話し合い経験は全国経営者40.1%、関東富裕層50.3%と10ポイント差
④相続税への不安は全国経営者47.5%、関東の富裕層が46.4%
⑤「財産」と聞いて思い浮かぶものとして、「不動産」「現金」「有価証券」が上位
▍調査結果 詳細
① 5割超(50.7%)が相続対策に未着手
相続対策を「何もしていない」と回答した割合は、全国経営者で 56.2%、関東富裕層で 43.8%。両調査を合算すると 50.7% に達し、改善傾向はあるものの依然として未着手層が半数を超える高水準であることが明らかになりました。

前回調査(2025年2月)と比較すると、全国経営者では 61.8% → 56.2%(▲5.6pt)、関東富裕層では 50.8% → 43.8%(▲7.0pt) と減少しており、一定の準備行動は進んでいます。しかし、相続対策が進みにくい背景には、「生前の分析を嫌がる」「死後の話を避けたい」「家族への情報開示に抵抗」「後継者未定」といった心理的・情報的ハードルが存在します。
②60代からの相続対策が最多
行動開始時期は 60~69歳が最多(48.9%)、次いで 70代(22.7%)、50代(15.6%)でした。高齢期に入ってからの着手が中心であり、早期準備の重要性が改めて浮き彫りになっています。
③家族との相続の話し合い経験は全国経営者40.1%、関東富裕層50.3%と10ポイント差
家族との話し合い経験は、全国経営者で 40.1%(+6.5pt)、関東富裕層で 50.3%(+3.3pt) と前回調査から増加しました。コミュニケーション面で前進は見られるものの、依然として半数近くが話し合い未経験であり、心理的抵抗や情報開示への不安が課題となっています。

④相続税への不安は全国経営者47.5%、関東の富裕層が46.4%
相続税負担への不安は、全国経営者 47.5%(+6.4pt)、関東富裕層 46.4%(▲7.7pt) と高水準でした。背景には、近年は路線価上昇幅が大きく、関東圏では相続税評価額が億単位で増加したケースもあり、納税資金不足への懸念が強まっていることが挙げられます。
⑤財産と聞いて思い浮かべるものは「不動産」が依然トップ、有価証券は関東富裕層で微増
「財産」と聞いて思い浮べるものは、全国経営者・関東富裕層ともに不動産・現金・有価証券が上位を占めています。
• 全国経営者:不動産 80.8%、現金 75.4%、有価証券 62.0%
• 関東富裕層:不動産 87.8%、現金 79.8%、有価証券 77.0%
前回調査(2025年2月)との比較では、全国経営者は現金・預貯金がわずかに増加、関東富裕層では有価証券・保険が3.7ポイント増加しました。

大きな構成変化は見られないものの、関東富裕層における「有価証券・保険」と回答した方の比率の上昇は、NISA制度の拡充など資産運用への関心の高まりや、都市部における物価上昇への備えが影響している可能性があります。一方で、不動産への関心は両層とも依然として強く、日本の資産家における不動産志向は根強い傾向です。
(参考)最近の不動産活用トレンド
近年、建築費の高騰に伴い、資産家の間では「大きくしすぎない・豪華にしすぎない」傾向が強まっています。フルボリュームの建築を避け、収益性を重視した土地活用や、土地条件によっては建築を行わずに土地を貸し出す戦略が増加しています。

▍調査概要
•関東の富裕層調査
o 調査方法:オンラインアンケート
o 調査期間:2025年10月14日(火)~10月15日(水)
o 対象:関東在住の富裕層(60歳以上、純資産1億円以上)
o 回答者数:400名
•全国の経営者調査
o 調査方法:オンラインアンケート
o 調査期間:2025年10月14日(火)~10月15日(水)
o 対象:全国の経営者・不動産オーナー
o 回答者数:504名
▍調査背景
都市部の富裕層や全国の経営者は、相続税負担や資産承継に関する課題に直面しています。特に関東圏では地価の高さから相続税の負担感が強く、資産構成や準備行動に変化が生じています。当社はこうした動向を把握するため、富裕層および経営者を対象に最新調査を実施しました。
▍参考情報:不動産・相続をめぐる最新動向と意思決定の実態について
■ 不動産売却は「焦らない」判断が主流に
首都圏全般では、不動産売却について〝焦らず慎重に判断する〟傾向が続いています。
売却後の資金については、新たな不動産への買い替えや金融商品(保険)への組み換えを検討するケースも増えていますが、インフレや不動産マーケット、建築費の高騰を背景に、判断としては慎重になり、実行に踏み切れず様子見となる例が非常に多く見られます。
また、次世代への承継を見据えた検討の場面では、家族のコンセンサスが不可欠となり、相続人(子どもや配偶者)との話し合いに同席すると、世代間の価値観の違いが浮き彫りになるケースも少なくありません。
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■ 土地活用は「付加価値」と「リスク最小化」志向が顕著
一方で、土地活用については比較的前向きな姿勢が見られます。
人口動態や駅距離など将来推移を見据え、単純な賃貸住宅(いわゆる〝レジ〟系)ではなく、付加価値を重視する傾向が顕著です。
具体的には、ペット共生型や学生マンション、防音マンションといった付加価値型住宅に加え、医療モールや保育園・高齢者施設などの特殊建築物、さらにはロードサイド店舗においても、定期借地を活用しリスクを最小限に抑えたいという要望が、コロナ禍以降増加していると感じられます。
定期借地や普通借地、等価交換などを組み合わせたスキームも多く採用されています。
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■ 多様化する提案と「一社依存」のリスク
近年では、各デベロッパーが土地を保有する資産家の要望に応じ、さまざまなオリジナルメニュー(スキーム)を用意するケースも増えています。
その一方で、一社の提案のみで意思決定を行うことはリスクが高く、契約後では修正が難しいのが実情です。
判断にあたっては、ご家族の意見を優先しつつ、専門家を交え、複数社の意見を比較することで、より最適に近い判断が可能になると考えられます。
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■ 建築費高騰下で求められる意思決定のタイミング
建築費の高騰が続くなか、「いずれ下がるだろう」という希望的観測から、プロジェクト自体を先送りする動きも見られます。
しかし、建築費や不動産市況は高止まり、あるいは上昇局面が続く可能性が高く、金利動向を踏まえると、合理性の観点では、実行するのであれば早期判断が有利となると考えられます。
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■ インバウンド需要活用には中長期視点が不可欠
インバウンド需要を背景に、ホテルや民泊、シェアハウスといった活用も選択肢となります。
一方で、エリア特性やインバウンドの属性、マーケットデータ、立地条件を十分に分析せずに進めた場合、将来的に他用途への転用が難しくなるケースもあり、中長期的な視点での検証が不可欠です。
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■ 相続対策の若年化と「相談前の相談」の増加
遺言書作成や信託に関する相談は、高齢化・長寿化社会を背景に増加しています。信託についても多様なスキームが存在するため、メリット・デメリットを専門家と丁寧に整理する必要があります。
意思決定権者はあくまで当事者ですが、決め方によっては家族関係に影響を及ぼすこともあり、慎重かつ冷静な判断が求められます。
また、相続相談は近年若年化が進んでおり、「親の相続対策を終えたうえで、自分自身の相続対策も早めに考えたい」といった相談が、40代〜50代前半を中心に増えています。早期に着手することで、法人化を含めた多くの選択肢を検討できる点は大きな特徴です。
一方で、配偶者や子ども世代からの相談は増えているものの、当事者(オーナー)が動かないと何も始まらないという構造的な課題もあります。そのため、「どうすれば当事者に動いてもらえるか」といったご相談が水面下で増えているのも実情です。
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■ 専門家連携における「全体最適」ニーズの高まり
近年では、税理士・司法書士・弁護士といった専門家からも、部分最適ではなく〝全体最適〟を求めた相談が増加しています。不動産・相続・税務を横断した視点での判断の重要性が、より一層高まっています。
【株式会社青山財産ネットワークス 概要】
個人資産家と企業オーナーに対し、財産承継と事業承継コンサルティング、財産運用、管理の総合財産コンサルティングサービスを提供しています。顧客の資産規模平均は10億円で、財産コンサルティング分野における数少ない上場企業として、約30年に渡りコンサルティングサービスを提供してきました。2024年11月に発表したチェスターグループとの業務提携並びに経営統合により、今後さらに多くのお客様にコンサルティングサービスを提供してまいります。
会社名:株式会社青山財産ネットワークス
代表者:蓮見 正純
設立:1991年9月17日
所在地:東京都港区赤坂8丁目4番14号 青山タワープレイス3階
資本金:12億6,899万円 ※2025年12月31日現在
事業内容:財産コンサルティング,事業承継コンサルティング,不動産ソリューションコンサルティング
【本件に関するお問い合わせ】
(株)青山財産ネットワークス 広報担当:百合本
広報メールアドレス:azn-pr@azn.co.jp
TEL:03-6439-5824
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