【東京都足立区】10月9日(日)より、足立区立郷土博物館で区制90周年記念特別展「琳派の花園 あだち」がスタートします。
江戸時代後期から明治時代に花開いた、千住・足立の琳派にスポットを当てて、これまで未公開の作品も含めご紹介します。
海外からも注目の高い、日本美術の流派の一つ「琳派(りんぱ)」。江戸時代後期、足立の地でその琳派が花開いたことをご存じでしょうか。足立区制90周年にあたる今年、平成23年(2011年)よりスタートした足立区文化遺産調査の成果の中から、千住・足立の琳派作品をまとめてご観覧いただく展覧会を開催。酒井抱一、鈴木其一、村越其栄、村越向栄らが、足立に残した美の数々をご覧いただけます。
- 区制90周年記念特別展「琳派の花園 あだち」
場所:足立区立郷土博物館(足立区大谷田5-20-1)
※音声ガイドと電子展示会(バーチャルミュージアム)を初導入
https://rimpa-adachicitymuseum.jp/
- 足立の地で「琳派」が花開いた理由
足立の地で「琳派」が花開いたのは、江戸琳派の祖ともいわれる酒井抱一や鈴木其一が千住にゆかりの人物だったことに端を発します。其一に学んだ村越父子が江戸後期から明治にかけて千住に居を構えて活動したことで、さらに多くの作品が生まれ、豊かな文化が育まれてきました。
●武蔵野美術大学 玉蟲敏子教授
日本美術史の研究者として特に「琳派」を対象とした多くの著作を持つ。著作の一つ「俵屋宗達金銀の〈かざり〉の系譜」が、平成24年度に芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。学術分野における業績が認められ、平成30年に紫綬褒章を受章。区が行っている文化遺産調査の資料研究にも携わる。
【村越其栄《秋草図屏風》江戸時代後期 千住河原町稲荷神社蔵】
鈴木其一に絵を学んだ千住の琳派絵師、村越其栄の作品。ひまわりや朝顔と共に秋の草花を表現。周囲の葉には
琳派らしい、顔料のにじみを生かす「たらし込み」が駆使されている。
- 足立の「琳派」は暮らしから生まれた
豊かだった当時の千住の商家と農村部の人たちが交流しながら、掛け軸や屏風などさまざまな調度品を飾って、晴れの日のお祝い事でお客様をもてなす、あるいは四季折々の日常を楽しむ、豊かで美的な暮らしがありました。
「調査で明らかになってきたのですが、当時の足立では『うちにもこういうものを書いてほしい』というふうに注文が広がり、絵師と発注者の交流によって、絵画がつくられていく日常が根付いていたのです。そのことが具体的に分かることが足立の魅力なのです」(同上・玉蟲敏子教授)。
【村越向栄《八橋図屏風》明治時代 個人蔵(当館寄託)】
琳派といえば、尾形光琳や酒井抱一も描いた八橋とかきつばた。村越其栄の息子で、やはり琳派の絵師として活
躍した村越向栄も、このモチーフを引き継いでいる。
【村越向栄《月次景物図》「十月 蔦に百舌図」 明治時代 当館蔵】
四季折々、十二か月の月ごとの草花や名所の風景が描かれた掛け軸の1点(十月)。一つひとつ作品を順番にみていくと、季節の移り変わりを楽しむことができる。
【酒井抱一 下絵・原羊遊斎 蒔絵《筑波山に都鳥墨切蒔絵大盃》文化14年(1817) 個人蔵】
酒井抱一が下絵を描いた盃。文化14年に開催された2度目の酒合戦で実際に使用された。
【村越其栄《紅葉鹿図屏風》江戸時代後期 個人蔵(当館寄託)】
紅葉と鹿は、古くから日本絵画定番の秋の組み合わせ。赤々と茂る紅葉の下、一頭の牝鹿が雄鹿を探し「つま恋」の鳴き声をあげる姿が描かれている。
【舩津文渕《四季草花図小襖》嘉永6年(1853) 日比谷二朗氏蔵】
著名な絵師・谷文晁に絵を学んだ足立区江北地域の豪農、舩津文渕の作品。金地に四季の草花を描いた琳派風な一作。作者は琳派の絵師ではないが、琳派の人たちと交流し、技法を取り入れていた。
- 琳派とは
- 足立区立郷土博物館
TEL 03-3620-9393
FAX 03-5697-6562
開館時間:午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館)
入館料:一般200円(高校生以上)/団体(20名以上)は半額
70歳以上の方、障害者手帳保持者およびその介助者1名 無料
無料公開日:第2・3土曜日
交通案内:
JR亀有駅北口より
4番乗場〔足立郷土博物館〕下車徒歩1分
1番乗場〔東淵江庭園〕下車徒歩4分
JR・東京メトロ千代田線綾瀬駅西口より
6番乗場八潮駅北口・六ツ木都住行〔東淵江庭園〕下車徒歩4分
TXつくばエクスプレス八潮駅南口より
3番乗場亀有駅北口行〔足立郷土博物館〕下車1分
無料駐車場有
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ホームページ:https://www.city.adachi.tokyo.jp/hakubutsukan/
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