大企業の重大障害、対応にあたった担当者の約9割が「特定のエンジニア頼み」。属人化が「運用赤字」の急所に。

88.7%が「対応は特定の担当者の知識・経験に依存していた」、作業開始までに30分以上が65.4%。PagerDuty、「AI時代のシステム障害対応に関する現場実態調査」(全6回シリーズ)第2回を発表

PagerDuty

 インシデント管理ソリューションを提供するPagerDuty株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山根伸行)は、従業員1,000名以上の企業(以下、大企業)で、過去1年以内に事業や顧客へ影響が出たシステム障害(以下、重大障害)の対応を担った309名を対象に「大企業の重大システム障害・初動と『属人化』の実態調査」を実施しました。本調査は、調査シリーズ「AI時代のシステム障害対応に関する現場実態調査」(全6回)の第2回にあたります。

 重大な障害が起きたとき、現場は何に時間を使っているのか。回答から浮かび上がったのは、対応時間の多くが復旧作業そのものではなく、「誰に連絡すべきかを探し、その担当者を待ち、同じ状況を何度も説明し直す」ことに費やされている可能性です。対応が特定の担当者の知識や経験に依存していたとの回答は88.7%にのぼりました。第1回の調査(※1)では、手順書の整備や育成が後回しにされ続ける「運用赤字」の状態を示しましたが、本調査からは、その影響が重大障害の初動で時間として表れている様子がうかがえます。現場が対応時間の短縮に必要だと挙げたのも、人員の増強ではなく、人を探さずに済む仕組みでした。

■ 調査背景:なぜ「初動」と「属人化」に着目したか

 第1回では、障害対応に追われる現場で「手順書の整備」(44.9%)や「育成・教育」(36.7%)が後回しになり、障害対応の知識が3人以下に集中する職場が39.9%にのぼることを示しました(※1)。手順が文書になく、知識が個人に蓄積されているとき、重大障害の初動では何が起きているのか。第2回はこの問いを、回答者に影響が最も大きかった障害1件を思い起こしてもらう形で尋ねました。作業を始めるまでの時間、安定するまでの時間、最も時間がかかったこと、指揮役と役割分担の状況、そして対応時間を短くするために必要なものまでを対象としています。

※1 PagerDuty「第1回目: AI時代のシステム障害対応に関する現場実態調査」(2026年10月9日)URL

■ 調査結果ハイライト:初動の遅れ、特定の担当者への依存、説明・調整の負担

  1. 88.7%が、対応は「特定の担当者の知識・経験に依存していた」と回答(Q:対応の特定担当者への依存)「非常にそう思う」39.8%、「ややそう思う」48.9%。「あまり/全くそう思わない」は合わせて10.7%にとどまりました。

  2. 作業を始めるまで「30分以上」が65.4%、安定まで「3時間以上」が51.5%(Q:対応開始までの時間/安定までの時間)

    必要な担当者がそろい作業を始めるまで「30分以上」65.4%、「1時間以上」40.2%(「最後まで担当者がそろわなかった」1.0%を含む)。安定までは「3時間以上」が51.5%、「6時間以上」かかったと回答した層は25.9%でした。

  3. 復旧を長引かせたのは「原因の特定」、次いで「担当者の特定・招集」(Q:最も時間がかかったこと/着手前の手作業)

    「原因の特定」22.3%、「担当者の特定・招集」18.1%、「特定の担当者しか分からない作業・判断の待ち」15.2%が、いずれも「復旧作業そのもの」14.2%を上回りました。着手前の手作業は「電話やチャットで担当者に個別に連絡」41.4%、「対応すべき部署・担当者を調べた」37.2%、「過去の対応者の記憶や個人メモを頼りに調べた」34.3%が上位です。

  4. 80.3%が復旧作業より「説明・報告・調整」に時間を使った。指揮役が明確だったのは27.2%(Q:説明・報告の負担/指揮役の有無/役割分担)

    同じ状況を異なる相手に説明し直した回数は「2〜3回」46.3%、「4回以上」24.3%。対応開始時点で指揮役が「明確に決まっていた」のは27.2%で、技術的な調査・復旧の担当者が報告・説明も「すべて、またはほぼすべて担った」ケースは31.4%でした。

調査レポート(全文)のダウンロードURL

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入。

※出典:PagerDuty株式会社「大企業の重大システム障害・初動と『属人化』の実態調査」(2026年)。

※引用の際は「PagerDuty株式会社調べ」と明記し、本レポートのURL(下記ダウンロードページ)を記載いただけますようお願いします。

■ 本調査の考察:現場が挙げたのは、人員ではなく仕組みと役割

 最も時間がかかったこととして「原因の特定」に続き「担当者の特定・招集」「特定の担当者しか分からない作業・判断の待ち」が挙がり、着手前には担当者への個別連絡や、過去の対応者の記憶・個人メモに頼った調査が行われていました。対応開始時点で指揮役が明確だったのは27.2%にとどまり、技術担当者が報告・説明まで担うケースも少なくありません。

 第1回で示した「運用赤字」、すなわち手順書や育成の後回しが、こうした初動の姿につながっている可能性があると当社は考えています。一方で、対応時間の短縮に必要なものとして現場が上位に挙げたのは「情報を一元的に共有する仕組み」54.7%、「手順やノウハウの文書化・共有」40.1%、「指揮する責任者の明確化」37.5%で、いずれも仕組みと役割に関する項目でした。「人員の増強」は10.4%にとどまっており、現場は人を増やすことより、人を探さずに済む仕組みを求めている様子がうかがえます。

■ 解決に向けた提言:経営層への3つの提言

現場が挙げた上位項目に沿って、経営層が検討すべき方向性を3点にまとめました。

1. 障害対応の情報を一元的に共有できる状態をつくり、関係者が同じ情報を確認できるようにする。

2. 対応手順とノウハウを文書化し、担当者の記憶や個人メモから切り離す。

3. 指揮役と、技術対応・報告説明の役割分担を障害が起きる前に決め、連絡・招集を手作業から仕組みへ移す。

調査レポート(全文)のダウンロードURL

■ 今後の展望

本シリーズは今後1年間、視点を「現場」から「人」、そして「経営」へと移しながら継続します。第3回では、こうした対応を繰り返す現場の人材に何が起きているのかを取り上げる予定です。後半は予算配分や投資対効果といった経営の論点を想定し、各回のテーマは前の回の結果を踏まえて設計します。

■ 調査概要

調査名称:大企業の重大システム障害・初動と「属人化」の実態調査(「AI時代のシステム障害対応に関する現場実態調査」第2回/全6回)

調査主体:PagerDuty株式会社

調査方法:株式会社IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査

調査期間:2026年8月13日〜8月18日

有効回答:従業員1,000名以上の企業に勤め、システム運用・保守、SRE、セキュリティ運用のいずれかに責任者または担当者として携わり、過去1年以内に事業や顧客へ影響が出たシステム障害の対応で何らかの役割を担った方 309名(影響が最も大きかった障害1件を想起して回答)

■ PagerDutyについて

PagerDuty株式会社は、デジタルオペレーション管理のグローバルリーダーであるPagerDuty, Inc.(NYSE:PD)の日本法人として、大規模なIT運用業務の効率化を支援しています。当社が提供する「PagerDuty Operations Cloud」は、インシデント管理、AIOps、自動化、カスタマーサービスオペレーションを統合した、柔軟で拡張性のあるプラットフォームです。Operations Cloudを採用することで、企業は運用障害のリスクやコストを軽減し、イノベーションの速度を高めることで収益を拡大できます。Fortune500の半数以上、Fortune100の70%近くがPagerDutyを現代の企業に不可欠なインフラストラクチャーとして採用しています。日本における顧客事例はこちらをご覧ください。

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会社概要

PagerDuty株式会社

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URL
https://www.pagerduty.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー18階
電話番号
03-4580-9905
代表者名
​​山根 伸行
上場
未上場
資本金
-
設立
2022年03月