簡易施工タイプの電力ケーブル『e-Cable(イーケーブル)™』154kVへラインナップ拡充
SWCC株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役 CEO 社長執行役員:小又哲夫、以下「当社」)は、高経年設備の更新需要や送配電網の増強需要の拡大が一層見込まれる電力インフラ市場において、接続工事の省力化、スキルレス化を実現する簡易施工タイプの電力ケーブル(イージーストリッピングタイプの外部半導電層を有した電力ケーブル)を『e-Cable(イーケーブル)™』としてブランド化するとともに、ラインナップを154kV用ケーブルへ拡充いたしましたのでお知らせいたします。
■『e-Cable™』154kV用の開発背景
電力インフラ市場では、高度経済成長期に建設された設備の更新需要に加え、データセンターの増加や再生可能エネルギーの安定供給に向けた電力網整備などにより、送配電網の増強需要が拡大すると予想されています。このような国内電力需要の拡大を受け、軽量で耐震性も良く、施工時間が短縮できることで高評価をいただいている電力部品「SICONEX®(サイコネックス)」、およびそれに接続される電力ケーブルをはじめとした電力関連製品の需要の拡大が期待されています。
一方、ケーブル接続工事においては、電力工事を行う技能者の人手不足や高齢化といった課題があり、インフラを守るための社会課題となっております。このような状況のなか、旺盛な需要に対応するため、電力工事の効率化と熟練技能者に依存しないスキルレスな施工技術の確立が求められています。
この環境に対応するため、当社は高電圧電力ケーブル接続工事システム『SICOPLUS®(サイコプラス)』を展開しており、ケーブルの端末加工のスキルレス化を実現したイージーストリッピングタイプケーブルは、短期間での接続技能者育成を可能とするための重要なアイテムとなっています。すでに66/77kV用は、2021年より納入を開始しており、接続作業の効率化に役立つとお客様から高評価をいただいております。この度、本製品シリーズのブランドネームを『e-Cable™』と定め、さらに高電圧である154kV用へラインナップを拡充いたしました。
電圧の高い154kV線路の接続工事では、より高い施工技能レベルが必要とされますが、『e-Cable™』を適用することで、施工のスキルレス化に寄与するだけでなく、作業時間を従来の約1/4に短縮することが可能となりました。

■『e-Cable™』の特長
高電圧がかかる電力ケーブルは、一般的に導体である銅撚り線の周囲に半導電層(抵抗が金属と電気を通さない絶縁層との中間程度のプラスチック層:内部半導電層)を設け、その外周に絶縁層、外部半導電層、保護のための被覆層という構造をとっております。従来の66kV以上の線路での電力ケーブルの接続工事では、絶縁体に一体化された外部半導電層をガラスなどの鋭利な工具で真円に削る処理が必要なため、高度なスキルが求められ、この技術の習得に多くの時間がかかっていました。しかし、『e-Cable™』を使用すれば、専用の工具で外部半導電層に切り取り線を入れ、手で簡単に剥ぐだけで平滑な絶縁体表面を露出させることができるため、習熟度の低い施工技術者でも容易に端末加工ができるようになります。
さらに、従来のケーブル外部半導電層処理では、削り作業で細かい削り屑が発生していましたが、『e-Cable™』は削り屑が生じません。そのため、工事現場での養生が不要になり、削り屑排出を抑えることで、環境管理の手間を軽減することができます。
『e-Cable™』は、接続作業の効率化とスキルレス化を実現できるため、短期間で接続技能員を育てることが可能となり、接続技能員の人手不足といった社会課題の解決に応えることができます。
<外部半導電層処理比較>
ケーブル外部半導電層 処理方法

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従来の電力ケーブル:削る |
『e-Cable™』:剥ぎ取る |


ケーブル処理後の屑

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従来の電力ケーブル:削り屑 |
『e-Cable™』:外部半導電層剥ぎ取り片のみ |


今後は、さらなる高電圧クラスへの適用拡大も視野に入れており、施工能力の維持・強化が求められる電力市場において、『e-Cable™』の展開を通じて、高電圧電力ケーブル接続工事システム『SICOPLUS®』の対応力を強化してまいります。
(参考情報)
・ 高電圧電力ケーブル接続工事システム『SICOPLUS®(サイコプラス)』
https://www.swcc.co.jp/jpn/news/detail/2021/news_3491.html
【本件に関するお問合わせ先】
SWCC株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 広報グループ
inq-sonota@swcc-g.com
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