Z世代の約7割、提出前の「AIチェック」を実践。狙いは、タイパより「上司との対話の質向上」
生成AI導入企業で働く527名に調査。上司に求めるのは「添削」より「相談・判断」
LINEヤフー株式会社の100%子会社で、LINEヤフーサービスの運営業務を担うLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社(以下、当社)は、生成AIを導入している企業で働くZ世代(22〜28歳)の会社員527人を対象に、「生成AI時代の業務意識と上司への期待に関する調査」を実施しました。
調査の結果、上司に提出する資料やメールを事前に生成AIでブラッシュアップする「AIチェック」を、日常的に行う人は69.6%にのぼりました。その目的として、「作業時間の短縮(タイパ)(20.8%)」を大きく上回ったのは、「評価・信頼の維持(46.9%)」や「相談の質を高めるため(42.9%)」という回答でした。
この結果から、デジタルネイティブであるZ世代は、AIを単なる時間効率ツールとしてではなく、上司とのコミュニケーションをより本質的で価値あるものにするための事前準備として活用している様子がうかがえます。
※本リリースの「AIチェック」とは、提出前の資料・メールに対し、生成AIで推敲・チェック、情報整理、アイデア出しなどを行い、内容をブラッシュアップすることを指します。
◾️調査結果のポイント
①提出前AIチェックは上司との対話の「前工程」として定着
上司へ提出する資料やメールについて、69.6%が「提出前に日常的にAIチェックを行う(ほぼ毎回+ときどき)」と回答しました(ほぼ毎回25.2%/ときどき44.4%)。「まれに行う」まで含めると、提出前にAIチェックを行う人は82.5%に達しました。若手の間で「提出前にAIで体裁を整える」行動が、一定程度日常化していることが分かります。

②AIチェックの目的は、上司との時間を「添削」から「相談・判断」へシフトすること
提出前にAIチェックを行う理由(上位3つ選択、n=475)では、「評価・信頼の維持(46.9%)」と「相談の質を高めるため(42.9%)」が上位でした。続いて「指摘によるストレスの軽減(30.1%)」「期待を超える成果の創出(29.7%)」が3割前後で並び、「作業時間の短縮(タイパ)」は20.8%でした。
1位 評価・信頼の維持(46.9%)
一定の水準を満たした状態で提出することで、上司からの評価や信頼を損なわないため
2位 相談の質を高めるため(42.9%)
上司には細かいチェックではなく、判断や相談に時間を使ってもらうため
3位 指摘によるストレスの軽減(30.1%)
上司から初歩的なミスを指摘されることが、自分にとって負担やストレスに感じられるため
4位 期待を超える成果の創出(29.7%)
自分の実力以上のクオリティに仕上げ、上司の期待を超える「高い成果」を出したいから
5位 作業時間の短縮(タイパ)(20.8%)
自分の作業時間を短縮し、業務を効率的に終わらせたいから(20.8%)

◾️Z世代の声(社内ヒアリングより/定性):AIは「上司との対話を深めるためのパートナー」

これらの結果から、提出物の体裁や事前準備をAIで整えたうえで、上司とは背景やリスクを踏まえたより本質的な判断・相談に時間を割きたい、という意向がうかがえます。
③Z世代が考える、AI時代の上司の役割は「文脈込みの判断」
AIが知識を教えてくれる時代に、上司に求める役割を調査したところ「業務のやり方を教える先生役(25.2%)」と「仕事の意味を語る旗振り役(25.0%)」が拮抗しました。一方、その役割をAIではなく人間に求める理由としては「文脈・背景まで踏まえた判断をしてくれるから」が最多(34.5%)でした。
今回の調査からは、データやマニュアルでは処理しづらい状況を読み解き、意思決定につなげる“文脈込みの判断”が、AI時代における上司の価値として、若手社員の中でより重視されている傾向が見られました。

④補足:AIが最初からある職場ほど定着する傾向
本調査では、同じZ世代(22歳〜28歳)の回答者を、「現在の職場への参画時点で生成AIが導入されていたか(AI入社組、n=195)」と、「入社後に導入されたか(AI後追い組、n=332)」の2グループに分けて比較しました。その結果、提出前のAIチェックを「ほぼ毎回行う」割合は、AI入社組(47.2% )がAI後追い組(12.3% )の約4倍となっており、「その組織での業務開始時にツールが標準化されていたか」という環境要因が、活用習慣に関連する可能性を示しています。

⑤関連データ:心理的安全性が低いチーム、生成AIを信頼する人は11.8%
心理的安全性が「高いチーム(5〜7点)」と「低いチーム(1〜3点)」で、生成AIのフィードバックを信頼して行動に移す意向(生成AIへの信頼度)の割合を比較しました。
心理的安全性が高いチーム(5〜7点、n=239):生成AIを信頼している72%
心理的安全性が低いチーム(1〜3点、n=152):生成AIを信頼している11.8%
※中間層(4点、n=136)は本比較の対象外
なお、上司への信頼についても別設問で測定したところ、心理的安全性が低いチームは、上司と生成AIの双方に対して信頼が低い傾向にありました。また、心理的安全性と生成AIへの信頼度の間には、相関係数 r=0.64 の正の相関が確認されました。
本結果は因果を示すものではありませんが、AI活用の推進にはツール導入だけでなく、率直に相談できる土壌も関係する可能性があることを示しています。

◾️考察:生成AIがもたらす、上司と部下のコミュニケーションの質の進化
本調査の結果、Z世代は生成AIを、単なる業務の効率化にとどまらず、上司とのコミュニケーションをより本質的で価値あるものにするためにも活用していることがうかがえます。
形式面の不備をAIが即座に補完できるようになった今、上司が従来担ってきた「添削」という役割は、大きな変化の時を迎えています。代わって上司に求められるのは、データやマニュアルにはない文脈や背景を踏まえ、人間にしかできない意思決定に専念する役割にシフトしていると考えられます。
当社においても、2023年より生成AIツールを全社導入し、AIが形式的な業務や「正解のある問い」を担うことで、社員同士が人間にしかできない「文脈の共有」や「意思決定」といった高度なコミュニケーションにより多くの時間を割ける環境づくりを進めています。
当社は「No.1コミュニケーションカンパニー」を目指す企業として、今後も生成AIの活用を通じ、業務効率化にとどまらない「コミュニケーションの質の向上」を追求してまいります。
【調査概要】
調査名:生成AI時代の業務意識と上司への期待に関する調査
調査時期:2025年12月23日〜26日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国のZ世代(22歳〜28歳)会社員のうち、勤務先に生成AIが導入されている環境で働く層
有効回答数:527名
実施主体:LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社
注意事項:
・本調査は「勤務先に生成AIが導入されている環境で働く層」を対象としており、Z世代全体を代表する推計ではありません。
・本リリースの調査結果をご利用いただく際は、「LINEヤフーコミュニケーションズ調べ」とご明記ください。
【ご参考】当社の生成AIを活用した働き方事例
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