【速報】2025参院選 – AIで各党マニフェスト・政見放送を定量分析

〜マニフェスト・政見放送・街頭演説の「乖離」をAIが可視化、年代別支持率から「ウケる」論法も発見・5日連続で分析結果を提供 〜

コグニティ

 独自の定性情報の定量化AI技術を活用し、組織の意思決定支援を行うコグニティ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:河野 理愛、以下コグニティ)は、2025年7月20日に投開票を迎える第27回参議院議員通常選挙の各政党・候補者の主張をAIで定量分析する特設サイト「2025年参院選『政論』解体新書」を開設しました。

 分析内容は、選挙戦で語られる言葉の“中身”の構造・論理・話し方をスコア化するもので、今回はマニフェスト・政見放送・街頭演説といった発信チャネルによる内容の違いを徹底比較。さらに、年代別の政党支持率との相関から「どんな話し方がどの層に刺さるのか」も分析し、選ばれる政治の“型”を明らかにします。コグニティは「技術の力で、思考バイアスなき社会を」というミッションのもと、選挙においても有権者の意思決定をデータドリブンで支援すべく今後も分析結果を順次公開していきます。

2025参院選、AIで分析してみました

■ 予告動画(YouTube)

プロジェクトの全体像や見どころを1分半にまとめた予告動画を公開中。

「熱量だけじゃ、伝わらない」政治トークの裏側をぜひご覧ください。

https://youtu.be/NSC1-ygzP5Q

■ 分析結果【一の巻:マニフェスト分析】

– 各党マニフェストの構造と論理性

 「一の巻(Day1)」では、全14政党のマニフェストを対象に、主張数・論理構成・説明密度をAIでスコア化。NHK世論調査で示された「国民の関心テーマ」(物価高・少子化・政治とカネ等)への言及量も検証しました。

【マニュフェスト分析:注目ポイント】

・自由民主党・立憲民主党・公明党は「物価高」「社会保障」など、国民関心度に即したテーマ配分で主張。

・一方、れいわ新選組は3万字超のマニフェストでありながら「少子化」への記述が極端に少なく、参政党は「物価」への言及が顕著に不足。

日本共産党は「物価高対策」への偏重が目立ち、他テーマとのバランスを欠く結果に。

・また、国民民主党は唯一、主張に「理由・根拠」を添える構造が高く評価され、論理性の高さが浮き彫りに。

【各党マニフェストの情報量と論理構成】

 - れいわ新選組:3万6千字マニフェストでも、多くは語られなかった社会保障 -

 政党ごとにマニフェストの文章量や主張の構成には大きな偏りが見られました。例えば、日本保守党・社民党・みんなでつくる党・再生の道といった小規模政党のマニフェストは説明文量がほとんどなく、有権者に伝わる具体策が極めて少ない状態でした。一方で最大ボリュームのマニフェストはれいわ新選組で、3万6千字超にも及ぶ詳細な公約集(PDF配布)を公開しています。文字数は少なくとも一つの主張に集中して書かれているケースもある(例:みんなでつくる党)一方で、多くの話題を盛り込みすぎて論点が拡散しているケースも確認されました。加えて、国民民主党のみが主張に対する明確な「理由付け」(根拠説明)の記述を有しており、2022年参院選時と同様に論理的整合性の取れた主張構成が見られました。一方、公明党やNHK党のマニフェストでは説明のない話題が非常に多く検出されるなど、主張の裏付けや具体性に欠ける傾向も見られます。

各政党マニフェスト、基礎データ

【国民の関心テーマと言及バランス】

 - 参政党:「外国人政策(31)」対「物価高対策(7)」で優先度はっきり -

 NHKの世論調査で提示された「投票で重視するテーマ」に対し、各党マニフェストでの言及状況を比較しました。その結果、マニフェスト全体(14党合計)で見ると概ね世論調査の関心比率に近い語句出現率となりましたが、各党別に見ると取り上げる話題の偏りが顕著です。具体的には、自民党・立憲民主党・公明党は比較的世論の関心比率に近いバランスで主要テーマに言及していました。際立った例として、日本共産党は物価高対策(コメ・物価高)への言及が極端に多く、日本保守党は外交・安全保障の話題比率が高い傾向が見られます。またれいわ新選組は社会保障・少子化への言及が相対的に少なく、参政党は物価高対策が少ない一方で外国人政策への言及が多いなど、政党ごとに重視する政策分野の差異が明確になりました。これらの結果、マニフェストは単なる表現量だけでなく、主な主張内容でも偏りが大きいことが分かります。意外な政党が特定分野についてしっかり説明しているケースもあり(例:チームみらいによる「外交・安全保障」の詳細な言及)、一方で有権者の関心が高いテーマにもかかわらず十分な言及がないケースも見られました(例:れいわ新選組の「社会保障」、参政党の「物価高対策」)。

マニフェスト中の強い主張と、その説明構造

■ 分析結果【二の巻:政見放送分析】

– 政見放送におけるマニフェストとの内容の違い

「二の巻(Day2)」では、12本の政見放送を対象に「話し方」「話題の密度」「論理の深さ」を定量評価。驚くべき結果として、マニフェストで重視されていたテーマが、政見放送で“語られていない”というケースも多数確認され、マニフェストとの乖離が定量的に可視化されました。これにより、『政見放送だけで候補者を判断するのは危うい』という警鐘が明確になりました。

【政見放送分析:注目ポイント】

日本保守党・NHK党・維新などは、「外国人政策」への言及が政見放送で急増。
一方、「外交・安全保障」は、マニフェストでは多く語られていたのに、政見放送ではほぼ沈黙。
例:外交をマニフェストで大きく掲げていた日本保守党は、政見放送でこのテーマをほとんど語らず。

・話し方では、維新・保守党は非常に早口かつフィラー(あのー、えー)多用傾向。一方で、自民共産は丁寧で一貫性ある話法を維持。

・質問の仕方にも政党差が。この数年の選挙戦で増加している「問いかけ」話法として、その質問文章の長さに着目。れいわの質問文は平均22文字、自民は40文字、維新は72文字と使用するテクニックの違いが明確に。

【話し方の定量比較(話量・スピードなど)】

 政見放送で各候補者(政党代表など)が語った内容を分析したところ、話すスピードや口調にも党派間で顕著な違いが見られました。多くの政党は全体的にゆっくりめ(ニュースアナウンサー平均より遅め)に話していましたが、日本維新の会と日本保守党の政見放送は明らかに非常に速いトークスピードで、ビジネスプレゼン並みに矢継ぎ早に語る傾向が確認されています。話すスピードの速い政党では、「あのー」「えー」などのフィラーや、「これ」「あれ」といった指示語の使用頻度が高い傾向も検出されました。これにより、具体性に欠ける印象や論点の不明瞭さにつながる可能性が示唆されています。一方、支持率と話し方の関係を見ると、支持率の高い政党ほど”問いかけ口調”がシンプルで聞き手を引きつけていることが分かりました(自民党の質問文は約40語、れいわ新選組は22語、維新は72語といった差異)。質問を投げかけながら主張を展開する手法自体は近年増えていますが、特に支持率上位の政党ほど「はい・いいえで答えられる簡潔な問い」で有権者の関心を引き寄せている傾向です。

各党政見放送、基礎データ

【政見放送で語られるテーマ傾向】

 「一の巻」で取り上げた国民関心テーマについて、政見放送では各党がどの程度言及しているかを分析しました。その結果、政見放送ではマニフェスト以上に強調されたテーマや逆に影を潜めたテーマがあることが判明しました。全党の政見放送合計で見ると、「物価高対策」や「外国人政策」といったトピックはマニフェストよりもはるかに強く言及されており、その一方「外交・安全保障」は政見放送になると言及率が大きく減少する傾向が見られました。党別に見ると、「物価高対策」の扱いは政見放送で増やした党(立憲民主党、公明党、国民民主党など)と減らした党(日本共産党、日本保守党)に二分されるなど、対応が分かれました。「外国人政策」についてはNHK党、日本保守党、日本維新の会、再生の道で政見放送における言及が増加しており、各党がマニフェスト作成時から直近の社会トレンドに合わせて話題配分を変えている様子がうかがえます。特に、日本保守党はマニフェストと比べて複数の話題で言及率に大きな変動が見られ、書面上の主張と政見放送でのアピール内容にギャップが生じていることが明らかになりました。

主張差分(マニフェスト→政見放送での増減)

【「政見放送だけでは判断できない」重要性】

 以上の分析から、各党の政見放送での主張はその時々のトレンドに合わせて強調点を変えている傾向が強いことが分かりました。選挙戦終盤の政見放送だけで候補者・政党を判断しようとすると、有権者の関心が高まっている話題が過度に強調された情報に偏ってしまう恐れがあります。実際に分析結果でも、マニフェストと政見放送で主張の重み付けや論点の扱いが大きく異なるケースが複数確認されています。したがって、政見放送だけでなく、時期を問わず掲示し続けているマニフェストも踏まえて判断したほうが良いということがデータから示唆されます。コグニティではこうした知見を踏まえ、「政見放送はあくまで生の熱意や臨場感を伝えるものであり、掲示型のマニフェスト等で示される継続的な主張内容と併せて見てこそ全体像が掴める」と考えています。有権者の皆様には本分析結果を参考に、ぜひ両面から各党の主張を見極めていただきたいと思います。

■ 特設ページの内容

【公開先】

2025参院選「政論」解体新書 https://cognitee.com/2025vote

 本特設サイトは、AIによる定性情報の定量化分析技術を活用した選挙分析サイトであり、2022年参院選・2024年都知事選に続く第3弾となります。5回連続シリーズとして、参院選の投票日直前まで、各回ごとに異なる観点の分析結果を公開していきます。

<参考情報>

・2022年参院選:https://cognitee.com/2022vote

・2024年都知事選:https://cognitee.com/tokyoelect2024

【公開内容】

 - 一の巻:マニフェストから読み解く・国民関心テーマと各党主張、政党支持率別傾向

 - 二の巻:マニフェストと政見放送の関係

 - 三の巻(予定):年代別・男女別支持率と“ウケる話し方”の傾向

 - 四の巻(予定):街頭演説の時系列内容変化と過去選挙戦との比較

 - 五の巻(予定):各チャネル横断の総合分析・最終レビュー

※各巻の詳しい分析結果は特設ページ内で公開される解説動画でもご覧いただけます。

【分析方法】

 分析には全コンテンツで、特許技術「CogStructure」を用いた「COG-EVIDENCE」「COG-ESSAY」「COG-PRESEN」等のAI分析を活用。これらは、コグニティが提供する「エビデンスに基づいた意思決定のためのCOG-SUITE」の一サービスです。COG-SUITEは、もともと営業トークや指導場面における「伝え方の構造化」を目的に開発されたAIツールであり、今回の政治トーク分析にも同技術を応用しています。

・特許取得済みの独自フレームワーク「CogStructure」を利用

・2013年から研究開発を進め、生成AI登場以前から商品化された信頼性の高い技術

・社内の育成・振り返り・チーム比較にも対応し、過去400社の営業の質向上に寄与

※CogStructureは、話題の関係性・ストーリー展開や、説明の構成をモデル化し、比較・スコアリングが可能なAI技術(特許第6573321号)。2013年に開発し、生成AIとは異なる「Knowledge Representation」というAI領域の技術。


■ 今後の「解体新書」シリーズについて

 本サイト「2025年参院選『政論』解体新書」を皮切りとして、今月下旬をスタート予定とした「営業解体新書〜有名営業パーソンのトークをAIで丸裸にしてみた〜」を展開する予定です。YouTubeやテレビ等で話題となった営業トーク・指導トークを中心に、様々な業界を横断しながら毎月公開。営業パーソンだけでなく、指導者・トレーナーの「教え方」「指導トーク」にも焦点を当てた分析回も予定しています。属人的なノウハウを“誰でも使える再現可能な技術”として届けていきます。

 営業スキルの留まらず、経営・組織の課題に関する可視化事例をウェビナー形式で毎月公開しています。参加無料・見逃し配信あり。次回のご案内を希望される方は、下記よりご登録ください。

【Webinar一覧】https://cognitee.com/webinar_top

コグニティ株式会社

コグニティ株式会社

◯ 社 名 :コグニティ株式会社
◯ 事業内容 :定性情報の定量化技術を使った調査・分析サービス
◯ 本 社 :〒140-0015 東京都品川区西大井一丁目1番2−208号
◯ 設 立 :2013年3月28日
◯ Web :https://cognitee.com/
◯ 資本金 :6億円(準備金含む)
◯ 従業員 :74 名(リモートワーカー含む)
◯ 代表者 :代表取締役 河野 理愛
◯ 受賞歴他 :
■EY Innovative Startup エンタープライズ部門受賞(2019)
■第11回 HRアワード 人材開発・育成部門 最優秀賞(2022)
■第22回 一般社団法人日本テレワーク協会 テレワーク推進賞 優秀賞受賞(2022)
■第3回TOKYOテレワークアワード 推進賞(2023)
■一般社団法人生成AI活用普及協会協議員(2023〜)

本件に関するお問合せ

コグニティ株式会社 広報担当:奥井

Email: ​okuinagisa@cognitee.com​ TEL: 03-4212-8445

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会社概要

コグニティ株式会社

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URL
https://cognitee.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区西大井一丁目1番2−208号
電話番号
03-4212-8445
代表者名
河野 理愛
上場
未上場
資本金
3億3832万円
設立
2013年03月