〈もやい〉COMPASSプロジェクト
支援制度をより使いやすくするためのオンラインツール
2021年5月30日、〈もやい〉は「支援検索ナビ」と「生活保護申請書作成支援システムPASS(Public-Assistance Application Support System)」という2つのウェブアプリを公開し、同時にHP上でチャットサービスを開始しました。この度、約半年の試験的運用を経て、新たなロゴとともに本格的に始動します。
「COMPASSプロジェクト」とは
2021年5月30日、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい(以下、〈もやい〉)は「支援検索ナビ」と「生活保護申請書作成支援システムPASS(Public-Assistance Application Support System)」という2つのウェブアプリを公開し、同時にHP上でのチャットサービスを開始しました。これらは「COMPASS」というプロジェクトの成果であり、J.P.モルガンからの支援を受けてNPO法人ETIC. と〈もやい〉、そして有志のエンジニアたちによって作られました。この度、約半年の試験的運用を経て、新たなロゴとともに本格的に始動します。
プロジェクトの意義:自分の路を探り出すための支援をすべての人に
〈もやい〉の団体ロゴ(下図)は「舫(もやい)結び」という結び目をモチーフとしています。この結び目は船を港に係留するときや、登山や救助活動などで安全を確保するときなどに使われる結び方で、外から大きな力がかかってもほどけず、危険から守ってくれます。しかし、ほどこうとすれば簡単にほどくこともできます。困難な状況にある人が危機を乗り越えられるようにつながることができる一方で、それが足かせとならないように必要がなくなれば結び目を解くことができる、そうしたゆるやかな人と人とのつながり、人と社会とのつながりを拡げていくことを私たちは目指しています。
しかしながら、〈もやい〉は都内を拠点とした小さな団体であり、〈もやい〉と直接つながれるのはあくまでも首都圏にいる人に限定されてしまうのが実情です。そこで、〈もやい〉の手がとどかないところでも人びとが自分の望む生き方を実現するためのCOMPASS=羅針盤となるような仕組みを作りたいと考え、COMPASSプロジェクトを始動しました。人生はよく航海にたとえられますが、航海していればどこに進めばよいか途方に暮れてしまうときもあります。そんなときに、自分の路を探り出すための一助になればという思いを込めています。
COMPASSで具体的に何ができるのか
●支援検索ナビ
WEBアプリ「⽀援検索ナビ」では、⾃⾝が置かれている状況をチェックリスト形式で⼊⼒すると、⽣活保護制度や緊急⼩⼝資⾦貸付、住居確保給付⾦など、関連する⽀援情報にアクセスすることができます。また、まだ網羅的なものにはなっていませんが、経済的な困りごとだけでなく、虐待やDV、性暴力といった被害に遭ってしまった人びとが利用できる支援制度についても紹介しています。
本アプリのURLはこちら↓
https://navi.com-pass.site/
●生活保護申請書作成システム(PASS)
⽣活保護申請書作成システム(PASS)では、インターネット上で⽣活保護申請書を簡単に作成することができます。残念ながら一部の自治体においては申請書自体をなかなか渡してくれなかったり、誰でもすぐに手に取れるところにおいていなかったりしています。そのため、申請したくともその手前で挫折してしまうケースがあります。しかし、このPASSを使えば、ウェブ上で自分で申請書を作り、それを自宅やコンビニのプリンターで印刷して提出することができます。
本アプリのURLはこちら↓
https://pass.com-pass.site/
●チャットサービス
〈もやい〉のホームページ上のチャットサービスでは、自動返信機能で知りたい情報へと誘導するほか、現在は短い時間ですが、有人対応も行っています。チャットはインターネットにつながる環境があれば、どなたでも利用できます。面談や電話での相談が困難な人につながるきっかけになることが期待されます。
今後の展開について
COMPASSプロジェクトはまだまだ未成熟で、今後さらに利用しやすいものへ改善すべく〈もやい〉も注力しています。しかし、このような仕組みをひとつの団体が作っただけでは、真にどなたでも使えるユニバーサルな仕組みにはなりません。
むしろ、行政や関連する窓口・機関がオンラインツールを駆使してさまざまな困難に直面している人とつながることができるようになるのが望ましいと考えています。例えばPASSのようなシステムを行政が整備し、申請書をウェブで作成したら自動で担当する自治体に送られるといった仕組みができると、より制度を利用しやすくなると思います。こうした仕組みのスケールアウトを促進すべく、私たちもさらに知見を深め、提言活動へとつなげていく所存です。
直近では、2021~2022年の年末年始に、チャットサービスを拡大活用した支援の取り組みを検討しております。これについては確定し次第、もやいHPなどでお知らせいたします。
多くの人びとにこのプロジェクトを活用してもらえるよう、ぜひみなさまには本プロジェクトのことをさまざまな方法で広めていただけるよう、お願いいたします。
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