「光るグラフィック展2」が開催中! リアルとバーチャルの両空間で、グラフィック、アート作品を鑑賞する展覧会。
デジタル技術の進化やインターネット環境の変化により、現実と仮想の境界がなくなってゆく中で、「オリジナル」の所在はどこにあるのか、現実空間と仮想空間のそれぞれに置かれたとき、グラフィックはどのように存在するか。ぜひ会場で体験してください。
会場に入って2つの部屋は、実空間の展示があり、最後の1部屋は、鑑賞者がコントローラーを使って、3D空間内の作品を自由に見ることができます。実空間と3D空間での見え方の違いや、作品や空間の仕掛けなどもあり、ぜひ両空間を行き来しながら作品をご覧ください。
エントランス風景(上が実空間、下が3D空間)
会場風景1(上が実空間、下が3D空間)
会場風景2(上が実空間、下が3D空間)
会場風景3(上が実空間、下が3D空間)
会場風景4(3D空間の展示風景)
企画にあたって
2014年に「光るグラフィック展」という展覧会を開催しました。この展示ではグラフィックデザイナーとデジタルクリエイターにモニターまたはライトボックスを使って同じサイズ、発光しているという共通フォーマットで作品を制作してもらい、区別なく展示するというものでした。
「光るグラフィック展2」は、実空間と仮想空間にフォーカスした展示を考えています。展示構成は、ギャラリー内に我々がセレクトまたは制作依頼をしたポスター、絵画、写真、映像などの作品を展示します。全く同じ展示空間を3D空間上にも作り、実空間と3D空間の両方で同じ作品を鑑賞してもらいます。3D空間の鑑賞システムは、作家の谷口暁彦さんに協力していただきます。
近年、現実とネットの境界は更に希薄になり、その主従関係も曖昧になりました。それに伴い、作品のオリジナルの考え方も作家ごとに設定されるようになり、必ずしも実空間に存在するものをオリジナルとはしない作品も増えてきました。多様であることは良いことですが、異なったフォーマットを同等に評価することの難しさも手伝って、互いの関係性が希薄になりはじめているように思います。
私のようなデジタルメディアを中心として扱う者にとって、グラフィックデザインの関心は視覚表現にあり、それを支えるシステムや構造にクリエイションがあるようなデジタル作品を評価することは、難しいと考えていました。しかし対話を通じて感じたことは、表現の問題設定の高度さであったり、視覚情報から様々なことを読み取る能力など、自分の未熟さを知る機会になりました。
その学びから直感することは、それぞれのジャンルが設定した評価軸で表現を進化させていっても、多様なクリエイションは生まれないということです。それは、ポスター、デジタルサイネージ、ウェブなど表示されるメディアの特性を考慮しながら緻密に設計された作品も、一つのビジュアルが持つインパクトが様々なメディアを軽々と通貫してしまうような作品も、両方が同時に存在している状態が理想的な多様だと考えるからです。
田中良治(Semitransparent Design)
展覧会概要
光るグラフィック展2
“Illuminating Graphics 2”
会期:2019年2月22日(金)~3月28日(木)
11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料
会場:クリエイションギャラリーG8
〒104-8001 東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
TEL 03-6835-2260 http://rcc.recruit.co.jp/
主催:クリエイションギャラリーG8
企画協力:田中良治(Semitransparent Design) 谷口暁彦 萩原俊矢
展覧会URL http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/201902/201902.html
参加作家
藍嘉比沙耶
exonemo
大島智子
葛西薫
亀倉雄策
カワイハルナ
北川一成
groovisions
小山泰介
佐藤晃一
Joe Hamilton
鈴木哲生
谷口暁彦
永井一正
永田康祐
Nejc Prah
長谷川踏太
原田郁
UCNV
第295回クリエイティブサロン
「光るグラフィック展2」の参加作家である谷口暁彦氏さん、原田郁さんと、ゲストに保坂健二朗さんをお招きして開催するトークイベント。モデレーターは企画にご参加いただいた田中良治さん。今回の展覧会のテーマである“リアル”と“バーチャル”の境界についてや、作品のオリジナルの所在についてなどお話しいただく予定です。
日時:2019年3月20日(水) 7:10p.m.-8:40p.m.
出演:谷口暁彦 原田郁 保坂健二朗
モデレーター:田中良治
参加無料、要予約(予約はギャラリーウェブサイトより)
定員:100名
ギャラリーツアー
田中良治さんと谷口暁彦さんが、「光るグラフィック展2」の展示解説をいたします。
今回の企画についてや3D空間の制作背景など、展示作品を見ながら説明していただきます。
日時:2019年3月13日(水)、3月26日(火) 7:10p.m.-8:10p.m.(終了予定)
出演:田中良治、谷口暁彦
参加無料、要予約(予約はギャラリーウェブサイトより)
定員:40名
前回開催の「光るグラフィック展」
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201402/g8_exh_201402.html
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