昇降機の保守・教育にスマートグラスの導入を開始
遠隔安全パトロールで生産性向上を実証
フジテック株式会社(本社:滋賀県彦根市、社長:岡田 隆夫)は、技能伝承や生産性向上を目的に昇降機のメンテナンスなどを行うフィールド業務で、スマートグラス(メガネ型ウェアラブル端末)を導入しました。
【 本リリースのポイント 】
- 7年越しの本格導入
※ Proof of Conceptの略。概念実証。新しい技術の実現可能性や効果を検証すること
- 保守現場の監査「安全パトロール」をリモート化
- 情報システム部門が現場密着で導入支援
今後も技術者が付加価値の高い業務に集中できる環境を支援し、エレベータ・エスカレータのさらなる“安全・安心”の提供を目指します。
【 導入背景 】
エレベータ・エスカレータの保守は機能の多様化・高度化により、技術者に必要な技能が増加しています。また、人口が減少する中、若手技術者への技能伝承は建築業界全体としての大きなテーマです。当社では、こうした課題を解決するためITを使って手厚い教育ができないかと考え、ハンズフリーで作業の中継ができるスマートグラスに着目、2015年にPoCを開始しました。
情報システム部門が保守現場の作業に同行し、検証を行いました。ハンズフリーで作業者目線の映像を見ることができるスマートグラスの特性は、手元の細かい作業を行う当社の業務に好相性でしたが、当時はハード面の要件を満たすものがなく導入を見送りました。ここ数年でスマートグラスの小型化、高機能化が進んだことから、活用効果を期待できると判断し、2022年5月から本格的に導入を開始しました。
【 導入事例:遠隔安全パトロール 】
スマートグラスの導入事例で、最も活用が進んでいるのは保守現場の安全パトロールです。安全パトロールは、熟練技術者が現場の安全管理や作業品質の指導を行う自主的な監査です。スマートグラスを使って、一部の安全パトロールをリモートに置き換えました。現場で作業する技術者が スマートグラスを装着し、熟練技術者はオフィスからビデオ通話でリアルタイムに指導を行います。熟練技術者は移動時間を削減し、安全パトロールの頻度を増やすことや複数人で監査することができるようになりました。
そのほかにも、故障対応や現場支援の実測調査などの業務支援へ用途を広げています。
【 スマートグラス選定のポイント 】
保守現場では技術者の装備品が多く、ツールの浸透には装着負荷を下げることが重要です。また、少人数かつ決められた時間内で迅速に業務を進めるため、簡易に操作できることが条件です。ハードな使用環境での耐久性も求められます。これらから、以下を主な選定要件としました。
主な選定要件
✓ 片眼タイプでディスプレイの位置調整機能を持ち、作業視界の確保が容易
✓ ヘルメットやメガネとの併用が可能で着脱が簡易
✓ 物理ボタンで手袋を着用したまま操作可能
✓ マイク・スピーカー内蔵、高画質、オートフォーカス付きでビデオ通話のクオリティが高い
✓ 長寿命バッテリーで作業時間中に常時接続が可能
✓ 防塵、防液、耐衝撃で現場のハードな環境で使用可能
【 ITを活用した業務支援 】
当社はモバイルツールやクラウドサービスを活用した業務支援により、働く場所や時間にとらわれない、“安全・安心”で快適なワークスタイルの実現を目指しています。
推進役の情報システム部門(デジタルイノベーション本部)には基幹システムやDXの企画・開発を担うITエンジニアが所属し、機動的なデジタル戦略を展開します。一貫体制ならではの、部門を超えた密な連携を強みに、日常的に現場同行を行うなど情報システム部門が現場に溶け込み、デジタル技術で現場の課題解決を推進しています。
【 フジテックについて 】
フジテックは、エレベータ・エスカレータ・動く歩道の専業メーカーです。研究開発・製造・販売・据付・保守・リニューアルまで一貫体制で行い、世界23の国と地域に“安全・安心”で“快適”な移動空間を提供しています。
設立 :1948年2月9日
上場市場 :東京証券取引所 プライム市場
公式サイト:https://www.fujitec.co.jp/
【 リリース本文 】
https://www.fujitec.co.jp/announcement/8362
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