Z世代の漢字離れを検証。嘉悦大学が「漢字の読みが難しい大学(“難漢”大)調査」を実施 “難漢”大学ベスト10を発表
嘉悦大学(学長:森本 孝)は、12月12日の「漢字の日*1 」を前に、若い世代の基礎学力、特に漢字の読み書き能力の現状に関する「漢字の読みが難しい大学(“難漢”大)調査*2」を実施しましたので、結果を公開いたします。
難漢大学名ベスト3は「尚絅(しょうけい)」、「椙山(すぎやま)」、「嘉悦(かえつ)」で、「麗澤(れいたく)」と「畿央(きおう)」がそれに続きました(表1)。また8位〜10位の大学は漢字が特に難しくないと感じられる方もいらっしゃるかと思われますが、「八洲」を「やしま」、「桐朋」を「とうほう」、「基督」を「きりすと」と正しく読めるZ世代は少なく(それぞれ正答率5.2%、13.1%、16.3%)、若い世代での漢字力(国語力)の低下がうかがえました。また、予備調査からは知名度が高いにもかかわらず「名前を正しく読めない」大学が少なからず存在することがわかりました。本学ではこの結果を踏まえ、引き続き国語力を含め学生の基礎教育に力を入れてまいります。
調査では、高校生・大学生を含む全国のZ世代(29歳以下)1,000人を対象に、身近な存在である「大学の漢字名称」に焦点を当て、漢字読み書き能力レベルを測る目安として、「漢字が難しい大学」(読みが難しく、読みに確信がない)調査を実施しました。
*1 (公財)日本漢字能力検定協会が1995年に制定した記念日(https://www.kanken.or.jp/kotoshinokanji/)
*2 大学名に含まれる地名の漢字が難しい場合は地名の難しさであり、大学名の難しさではないと考えて、地名の含まれる大学名は除いて総合ランキングを集計していますが、地名を含む大学名の調査も行なっているので、本資料の「補足情報」をご参照ください

■背景
本学は、創立者の建学の理念に基づき、「実学」教育を通じて、卒業後に社会人・職業人として自立し、社会に貢献できる「底力」を持つ人材の育成に力を注いでいます。その一環として、入学前の「入学前教育」を徹底し、新入生が大学の授業を円滑に受講できる力を育成するほか、大学導入科目の「基礎ゼミナール」では基本的な社会常識をおさらいし、社会人になるために相応しい知識と技能の定着を図っています。その中で、一つの課題として「国語力(特に漢字の読み書き力)」の低下が懸念されています。自動変換機能の進化やAI依存に加えて、若い世代の「文字離れ」がその背景にあると考えられます。そこでこのたび嘉悦大学では、実態を把握するために、若年層における漢字読み書き能力レベルの現状を測る一つの目安として 、若い世代に身近な単語である大学名の読みに関する調査を、29歳以下のいわゆるZ世代の若者男女1,000人を対象に実施しました。
【補足情報】
漢字の読みが難しい大学(“難漢”大)調査の概要
調査の手続きは、大きく予備調査と本調査の2段階となっています。
<予備調査>
まず、学内の5名の判定で、日本の全大学の中で読みが難しいと感じた125大学を候補とし、そこから2人以上が「難読性が高い」と評価した96件を候補に確定しました。結果的に国公立大学は既知の地名などが多いため難読度は低く、96件には私大のみが含まれました。
これをランダムに3群に振り分け、順序効果を減じるために提示順序を入れ替えて、ネット調査にてZ世代(18歳〜29歳)の210人にまずそれぞれの漢字名への読み仮名を振ってもらった上で「読みの難易度」と合わせて大学の認知度を評定してもらいました。回答結果について、誤答率の高さと読みの難しさを得点化し、上位30大学を選定しました(表2)。予備調査の結果では、難読度の評価と誤答率の高さにはやや高い相関(相関係数0.56)がみられましたが、認知率と誤読率の間には低い負の相関(相関係数0.23)があり、必ずしも「有名だから、正しく読める」というわけではないことがわかりました。

(全国18歳〜29歳男女210人対象・嘉悦大学調べ)
<本調査>
本調査は、(株)クロスマーケティングが提供するセルフ式ネット調査サービス(QiQUMO)を利用し、2025年11月16日〜21日にかけて実施されました。対象は全国のZ世代男女(15歳〜29歳)1000人で、回答者の平均年齢は23.4歳、うち女性は50.0%、また学生は28.6%でした。予備調査で選定した30大学について、それぞれの「難読度」と「漢字の難しさ(難漢度)」を評定してもらった上で漢字名に読み仮名を振ってもらい、その結果から総合ランキングとして「難漢大学(漢字の難しい大学)ベスト10」を選定しました(表1)
・総合ランキングは、「読みの難しさ(難読度)」(表1)、「漢字の難しさ(“難漢”度)」 (表3) 、「正答率の低さ」 (表4) 、「誤読率(ある程度正答に近い読み方をした回答を除く誤回答比率)の高さ」(表5)の4指標でそれぞれ順位づけを行い、上位15位まで順位点*3を与えた上で、同時に聴取した「漢字の読みが難しい大学名ベスト5」の回答数を加重平均した得点*4と単純合計した総得点により順位づけをしています。
*3 1位10点、2位9点、3位8点、4位7点、5位6点、6位5点、7位4点、8位3点、9位2点、10位1点、11位〜15位は0.5点を与え、4指標の得点を合計した
*4 もっとも難しい(難易度1位)という回答数の50%、2番目に難しい(難易度2位)という回答数の40%、3番目に難しい(難易度3位)という回答数の30%、4番目に難しい(難易度4位)という回答数の20%、5番目に難しい(難易度5位)という回答数の10%を合計し5で割った 順位得票数の平均
・正しく読めなかった率ランキング(地名を含む)
読みが難しい地名が入った大学名を含んだ集計では、総合“難漢”度の高い大学に交じって3つの大学名が上位にランクインしました。特に「美作」を「みまさか」と正答したZ世代はわずか0.4%にとどまりました。



■嘉悦大学について
嘉悦大学の前身は、創立者である嘉悦孝により、1903年(明治36年)に日本初の女子を対象とした商業学校として設立された「私立女子商業学校」に遡ります。以来、120余年に渡り、嘉悦学園は時代に先駆けた実学教育を展開。日本初の女性公認会計士をはじめとする有為の人材を多数輩出してきた歴史ある大学です。
嘉悦大学
住所/東京都小平市花小金井南町2-8-4
公式ウェブサイト/https://www.kaetsu.ac.jp

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