3月8日国際女性デー|VCのDG Daiwa Ventures、投資先企業の女性経営者比率3割以上を達成
DG Daiwa Venturesは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しており、さまざまな背景を持ったメンバー編成で、投資活動を続けてまいりました。
本年3月まで行われていたYazawa Ventures x EY女性起業家向けインキュベーションプログラムEntreGenerator 第2期では、当社マネージングディレクターの渡辺がメンターを務め、女性起業家の支援にも力を入れております。
また、DG Daiwa Venturesの投資活動においては、女性特有疾患と言われるPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の治療に取り組む米国のアストリッドヘルス(サービス名:Allara Health)という企業など、“フェムテック”分野にも精力的に投資しております。
※■社内調査概要
・調査名:投資先女性経営陣割合に関する実態調査
・調査時期:2023年1月
・調査対象:1号ファンドおよび2号ファンドの投資先でCレベルの経営陣
・地域:日本、米国、アジア、アフリカ、欧州
・調査対象社数:92社
DG Daiwa Venturesは、女性ベンチャーキャピタリストの活躍を推進しております。下記に、直近発表いたしました弊社キャピタリスト西川らのインタビュー記事をご紹介いたします。
インタビュー記事(抜粋)
今後医療の中心的存在への成長が期待されるSaMD──その背景と業界の抱える課題とは
──まず、一般的にデジタルヘルスは不況の影響を受けにくい業界と言われていますが、いかがでしょうか?
2023年2月現在の市場環境なども含めて教えてください。
西川 「ヘルスケアはガスや水道などと同じく社会インフラの性質が強く、どのような経済状況下でも需要の変化が少ないことから、これまで不況に強い業界と言われてきました。ところが、われわれの投資領域でもあるデジタルとヘルスケアとを掛け合わせた、デジタルヘルス業界の上場企業では、ほかのフィンテックや小売業界などに比べて株価がやや下がっており、不況に強いという従来の定説とは異なる動きをしているように見えます。
その理由としては、ヘルスケアのインフラとしての性質に変化が生じたということではなく、デジタルヘルスの上場企業が上場後の年月が浅く成長段階にある企業が大半を占めており、厳しい経済状況の影響を受けやすいことが考えられます。くわえて、同業界の上場企業の数も限られていることを勘案すると、今後のデジタルヘルスケア業界の行方についてそれほど悲観する必要はないと考えています。
また、不況の影響により、グローバルで見ると2022年のデジタルヘルススタートアップへの投資金額も減少していますが、他方で、国内のヘルスケア業界への投資金額(含む、バイオなど)は過去最高を記録しました(※CBインサイト調べ)。
これはスタートアップのエコシステムが成長段階にあることにくわえ、資金の出し手としてCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)が多いことなどが理由のひとつに挙げられるとは思いますが、国内ヘルスケアスタートアップの成長・拡大にも期待をしています」
──ファンドとしてヘルスケアだけでなく、さまざまな技術に着目し、その他業界も投資対象とされている中で、とくにこの数年間で感じるデジタルヘルス特有の動きや違いなどはありますか?
西川 「これはヘルスケア領域に限った話ではありませんが、やはり新型コロナウイルス感染症拡大の影響は大きかったと思っています。たとえば、遠隔医療はそれまで医師はもちろん、患者さんにも理解や受容が難しかったもののひとつですが、コロナ禍が逆に追い風となり、サービスとしての浸透や定着が進んだと考えられます。このように大きく需要の伸びたテレヘルス企業には過剰とも見られる高いバリュエーションがつく傾向も見られました。
2022年に入って、コロナ禍に端を発する影響が一巡し、バリュエーションは適正価格に戻ってきた印象ですが、コロナ禍が良くも悪くも業界に与えた影響は大きかったと思います」
──近年、AI・IoT技術等の発展を受け、薬や医療機器と同様に疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム、Software as a Medical Device(以下、SaMD)が世界的な産業へと発展することが期待されています。そうした分野に取り組まれているおふたりの想いや、これまでの取り組みについて教えてください。
小原 「デジタルガレージ(以下、DG)は、DGDVの運営するファンドが、ビデオゲームを用いたADHD(注意欠陥多動性障害)治療のデジタルセラピューティクス(以下、DTx)を開発する米Akili Interactive Labs(以下、Akili)に投資を行ったのを契機としてDTxにも注目し始めました。
2019年にはDGが発起人となり、製薬会社やスタートアップと共に日本デジタルセラピューティクス推進研究会(以下、DTx推進研究会)を立ち上げました。当時はまだDTxや治療アプリといった言葉が普及する前のことでした。そのような業界のはしりの時期に、DGのようなIT企業が製薬会社やスタートアップと組んでDTxの推進研究会を立ち上げたということ自体が、非常に画期的な出来事であったと思っています。
2022年には、DTx推進研究会は製薬デジタルヘルス研究会(SDK)と統合し、新たに日本デジタルヘルス・アライアンス(以下、JaDHA)が設立されました。JaDHAではさらに多様な属性の企業が加わり、課題分析・政策提言・情報発信など積極的な活動が行われています。
また、SaMDという観点では、DTx(治療)のみならず診断、予防、緩和等も含めたより広い領域を扱っており、その革新性や影響力から、今後の医療のあるべき姿を考える上で重要なパートを担うものだと思っています。個人的には、SaMDの利用に際して発生するヘルスケアデータの利活用に興味があります。
従来の医療では、たとえば、『この疾患の患者にはこういう治療をすべき』というガイドラインに沿った治療が中心です。この方法が問題なく機能するケースは多々ありますが、一方で、個人の体質特性やほかの病歴の有無、生活習慣などを総合的に見ていくことで、より効果的な個別化された治療・ケアが可能となるケースもあります。
治療計画はほとんど当該医療機関内で収集されたデータをもとに判断されているのが現状ですが、一医療機関が保有するデータだけでは捕捉が難しい部分もあります。
また、治療を中断された患者や、経過観察、寛解後の患者について言えば、医療との接点がなくなることでデータ収集の難易度自体が高まります。SaMDの開発や利用促進が進行することで、より個人に寄り添った、連続性のあるヘルスケアの提供が可能になると考えています」
西川 「医療におけるデータ利活用を重視する小原さんの意見に同感です。おっしゃる通り、近い将来にヘルスケア全体にパーソナライゼーションの波が来ると思っています。たとえば、個人のライフスタイルやほかの疾患、喫煙習慣の有無などに応じて製薬開発を行うのは難しいことから、そこをデジタルの力でパーソナライズさせていくことができないかと考えています。
また、治療用アプリなど、デジタルでの治療が可能となれば、これまで医療が届きにくかった人にも届けられるのではないかと思います。治療や薬がよりリーチしやすいものになっていくことで、ヘルスケアサービス提供における不均一が改善されるのではないかと期待しています。
わたしはDGDVでヘルスケアを含むライフサイエンスの領域を担当しており、現在10社弱のSaMDやDTx関連企業に投資しています。たとえばAkiliは、開発したADHD治療のDTxが2020年にFDAの認可を受け、2022年第三四半期にはSPACを介した上場をはたしました。
今後は拡販フェーズに入るため、より一般の認知も広まっていくかと思いますが、Akiliのようなスタートアップに関わることができたことは非常に貴重な経験になったと思います。国内でも、DTxを複数開発中のMICINや認知症のデジタル治療に取り組むCogSmartといったSaMD企業に投資しており、今後も投資を通じて業界発展の一助となりたいと考えています」
(記事の続きを読むにはhttps://www.talent-book.jp/dg-daiwa-v/stories/50204をご覧ください。)
■DG Daiwa Venturesについて
社名:株式会社DG Daiwa Ventures
住所:東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
設立:2016年7月1日
代表:代表取締役 大熊将人、阿部東洋
概要:次世代技術を有するスタートアップ企業への投資及び事業育成支援を目的に、デジタルガレージと大和証券グループが合弁で設立したベンチャーキャピタルです。これまで2つのファンドで累計約200億円を運用し、デジタルガレージが持つ投資ネットワーク・インキュベーション能力と、大和証券グループが持つファンド運営ノウハウを掛け合わせることで、投資先の事業成長を加速します。
URL:https://dg-daiwa-v.com/
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