【マイナ投票の結果】Z世代は他年代よりも高齢者の労働参加促進に消極的な傾向

ポケットサイン、都知事選に合わせ実施した「マイナ投票」の分析結果を公表

ポケットサイン株式会社

ポケットサイン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役CEO/COO:梅本滉嗣、以下当社)は、東京都知事選挙(2024年7月7日投開票)に合わせて実施した政策課題に関する電子投票の社会実験「マイナ投票*」の結果をまとめました。人口をはじめとした東京一極集中の流れに反対する割合は、都外在住者が7割、都内在住者は5割となり、都外在住者の方が反対する割合が約20ポイント高いことが分かりました。また、高齢者の労働参加率を上げていく東京都の方針に対し、Z世代(1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代)が他の年齢層よりも相対的に消極的な傾向であることも判明しました。

*マイナ投票:技術的な観点から未来の電子投票システムの可能性を探ることを目的に、当社が都知事選に合わせて実施したマイナンバーカードを利用したスマートフォンによる電子投票の実証実験。告示(2024年6月20日)後から投票日までの間、都政に関わる政策課題について、マイナンバーカード保持者がスマホから投票を行いました(特定候補に対する投票は無く、政治的な主張や意図は含まれませんでした)。当社が提供するデジタル身分証アプリ「ポケットサイン」とアプリ内のミニアプリ「マイナ投票」を活用することで、オンラインでの投票において一人一票制を厳密に担保しました。

詳細はこちら>>https://pocketsign.co.jp/product/vote

投票者の3割は都外在住者。都政に全国的な関心

マイナ投票はマイナンバーカードを持つ人であれば、居住地や年齢を問わず参加可能で、全国の男女306人が投票しました。

※なお、当社は参加者のマイナンバーカードの公的個人認証機能のみ利用しており、当社は個人番号(マイナンバー)を一切取得しておりません。このため、投票結果をマイナンバーやマイナンバーカードと紐づけて保存することもしておりません。

参加者の男女別・地域別の内訳は下表のとおりです。東京都外が31.0%に上っており、首都の自治の先行きは投票権の有無を問わず高い関心を集めることが浮き彫りになりました。


また、年齢別の分布は下グラフのようになっています。20〜60代が294人と全体の96.1%を占めましたが、10代の参加者も10人(3.3%)いました。

東京一極集中の継続に賛成は3割のみ

マイナ投票では、都政にまつわる政策課題10個それぞれについて「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択で投票しました。設問は次のとおりです。

  1. 明治神宮外苑で神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替え、新たに高層ビルを建設する再開発を進めるべきですか?

  2. 東京都はミサイル攻撃からの避難施設である地下シェルターの整備を今後も進めるべきですか?

  3. 令和4年から都立高校入試に英語のスピーキングテストが導入されました。今後も続けていくべきですか?

  4. 現在の都政ではデジタル化の推進が急速に進んでいます。生成AIの活用も含め、今後もこうしたデジタル化を継続していくべきですか?

  5. 経済格差を解消するため、現在の都政では多摩地区に対する経済的な支援やインフラ整備が行われています。こうした政策を継続するべきですか?

  6. 今回の都知事選挙について、新しい都知事が就任したとしても、現在の小池都政の基本的な方向性は引き継がれるべきですか?

  7. 東京への一極集中が進んでいる現状について、今後もこうした人口分布を維持していくべきですか?

  8. 首都直下地震による甚大な被害が予想されています。今後も対策を重点的に進めていくべきですか?

  9. 保育・教育の無償化や婚活・妊活の支援など、子どもを育てる人・育てたい人への支援をさらに拡充するべきですか?

  10. 今後高齢化が進んでいく東京において、都は高齢者の労働率を上昇させていく方針ですが、この方針を継続するべきですか?

設問ごとの投票結果は下グラフのようになりました。

問1(明治神宮外苑の再開発)、問6(基本的方向性の継続)、問7(人口の東京一極集中)を除いて「賛成」が「反対」と「どちらでもない」を大きく上回ったことが分かります。

賛否が明確に割れた問1、6、7を順にみていきます。問1は賛成41.2%に対し反対46.7%、どちらでもない12.1%でした。多数の樹木伐採計画が批判の対象となり、当選した小池百合子氏は告示前に「立ち止まっている」などと述べていました。

問6は賛成42.5%、反対33.0%、どちらでもない24.5%でした。仮に小池氏が3選を果たせなかったとしても、新知事が小池都政の基本的方向性を継続することを望んでいた割合が4割を超えたことになります。裏を返すと、4割超の人は基本的方向性が継続されるのであれば小池氏以外でも良いと考えていたと言えます。

問7は賛成30.7%、反対54.9%、どちらでもない14.4%でした。人口や経済活動がこれ以上、東京に一極集中することを望まない割合が過半となりました。

神宮外苑再開発は都内在住者の方が賛成率低い

マイナ投票の最大の特長は次の2点です。

  • マイナンバーカードの公的個人認証機能の活用により、一人一票を厳密に担保できる

  • 投票結果を統計情報(居住地、年齢、性別)とともに集計できるため、詳細な分析が可能になり世論を正確に把握できる

当社で分析したところ、設問1、7、10では居住地ごとまたは年代ごとの賛否と、全体(全国・全世代)の賛否とで明確な乖離が見られました。なお、これらの差の有意性の検証にはカイ二乗検定を利用しています。

まず問1ですが、都内と都外とで賛成率に大きな差異が見られました(下グラフ)。

都内在住者の賛成率は都外のそれよりも13.7ポイント低く、「どちらでもない」は10.4ポイント高いという結果でした。事業主体を構成する大手企業と小池都政との関係性を指摘する一部報道もあり、外苑の樹木を「都民の公共財」とみなしたり特定企業と都政との関係を注視したりする度合いが都民は高かった可能性があります。


次に問7です。人口分布の東京一極集中に対し、都外の人の反対率は都内在住者より21.2ポイントも高く、賛成率も14.0ポイント低いことが分かります(下グラフ)。

日本はすでに人口減少社会であり、2023年10月1日時点の人口推計によれば、直近1年間で約59.5万人減少しました。減少ペースは年々加速すると見込まれています。こうした中、都外在住者の危機感が相対的に大きいことが数字で裏付けられたと言えます。

問10に関しては、Z世代を1996~2015年生まれと定義し、Z世代とそれ以外の年代との差異を比較しました(下グラフ)。Z世代の反対率は非Z世代の反対率より12.0ポイント高く、賛成率は13.4ポイント低いという結果が出ました。

あくまで今回のマイナ投票の参加者に限って言えることですが、高齢者の労働参加の促進について、Z世代は他の年代よりも相対的に否定的な傾向が窺えます。その背景として「自分たちが高齢者になった後も働き続けるという未来を想像したくない」あるいは「上の世代が65歳を超えても労働市場にとどまったら、自分たちのポスト(地位、活躍の場)が空かなくなる」といった意識が潜在的にある可能性があります。

総括・解説

今回のマイナ投票の結果について、当社代表・梅本のコメントです。

「ポケットサイン」内のミニアプリ「マイナ投票」をリリースし、知事選告示後に投票実験を開始してから投票日に終了するまで、初期における賛否の傾向が終盤になっても大きく変わらなかった点に興味を惹かれました。選挙戦が進む中でも、政策課題そのものに対する国民の考え方にあまり変化がなかったことは、今後の公職選挙を考えるうえで示唆に富むのではないでしょうか。

設問7の人口の東京一極集中については、東京都内と都外で差がみられましたが、個人的には他の問いでももっと違いが出るのではないかと予想していました。都外住民の相対的な賛成率の低さに、一極集中への危機感が広がっていることが窺えます。

電子投票を社会実装するうえでは、秘匿性に加えて、「非強制性」の担保が重要な課題になってきます。何人も自由な意見に基づいて投票できなければならず、電子投票でも、誰かに強制されて投票するような事態は避けられなければなりません。

電子投票の実現には、さまざまな課題があります。しかし、現行の選挙システムも完全というわけではありません。現在の紙とペンによる投票であれば過去に不正や誤りがなかったわけでもなく、投票率の低さを招く一因にもなっていると考えます。新しいことを始めるには、得られる利便性とリスクを比較しながら進めることが必要です。電子投票やデジタル民主主義が持つ可能性は大きく、テクノロジーの力で課題を克服しながら、前に進むことが重要です。

当社はマイナンバーカードを基盤とした多様なサービスが展開される民間プラットフォームを目指し、今後もサービス開発・拡大に取り組んでまいります。

マイナ投票の投票データについて

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    本プレスリリースで言及していない詳細データにつきましては、末尾に記載の連絡先までお問い合わせください

デジタル身分証アプリ「ポケットサイン」について

スマートフォンアプリ「ポケットサイン」は、誰でも無料で使えるデジタル身分証アプリです。マイナンバーカードの情報をスマートフォン内に登録して「デジタル身分証」を発行することで、デジタル空間での自分の情報を一元的に管理・活用するためのツールとしてご利用いただけます。

デジタル身分証アプリ「ポケットサイン」は、サードパーティ製アプリや各種ミニアプリとの連携に対応しています。プライバシーを高水準で保護するために、「ポケットサイン」では、連携する情報の内容やタイミングなどをご自身で管理することができます。

「ポケットサイン」をご利用いただくと、連携するサービスにおいて、オンラインでの本人確認や引越し時の住所情報一括更新、宿泊施設でのチェックインなど、個々人の情報に応じた毎日の生活を豊かにするサービスを利用できます。また、お住まいの自治体に「ポケットサイン防災」がご導入されている場合は、災害発生時の避難支援機能もお使いいただけます。

サービス紹介サイト:https://pocketsign.co.jp/product/app/

App Store(iOS版): https://apps.apple.com/jp/app/id1672859394

Google Play(Android版):https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.pocketsign

※対応機種についてはこちらのページ下部「マイナンバーカードに対応したスマートフォン一覧」をご覧ください。https://www.jpki.go.jp/prepare/reader_writer.htm

マイナンバーカードの活用ならポケットサイン

ポケットサイン株式会社はマイナンバーカードの普及促進と活用拡大に注力しており、自治体や民間企業との積極的な協業・DXの支援を推進しています。マイナンバーカードを使って何かをしたい時は、ひとまずご相談ください。

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会社概要

ポケットサイン株式会社

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業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区日本橋室町三丁目4番4号 OVOL日本橋ビル7F
電話番号
-
代表者名
梅本 滉嗣
上場
未上場
資本金
2億円
設立
2022年08月