道路交通法改正に関する調査
~施行後のリアルな声⁉ 約半数が制度の内容を「理解していない」実態と、歩道走行禁止への強烈な反発が明らかに~
マーケティングリサーチ事業を行う株式会社アイディエーション(本社:東京都渋谷区、代表取締役:白石章兼)は、自転車または自動車を週1回以上利用する全国の男女669人を対象に「道路交通法改正に関する調査」を実施しました。
この調査は 2026年4月21日(火)〜4月27日(月)の期間、実施しました。
調査背景・目的
2026年4月1日、道路交通法の改正により「自転車交通反則通告制度(青切符)」と「自動車が自転車を追い越す際の義務」が施行されました。
自転車の信号無視や歩道走行などの違反行為に対して反則金が課されるようになったこの制度は、SNSやメディアでも大きな話題を呼んでいます。
施行から約1か月経過して調査した結果、「知っている」と「守れる」は別の話なのか。
制度の浸透状況と生活者のリアルな声を明らかにするため、本調査を実施しました。
【青切符制度】約94%が「知っている」、でも内容まで理解しているのは半数以下

青切符制度の認知率は約94%と非常に高く、施行から約1か月で多くの人に存在が知られていることがわかりました。しかし「内容まで理解している」と回答したのは48.4%にとどまり、45.3%は「聞いたことがある程度」という実態が明らかになりました。 制度の存在は広く知られているものの、「具体的に何が違反になるのか」「制度の仕組みはどうなっているのか」といった細部の理解は約半数にとどまっています。施行から間もないとはいえ、今後の周知のあり方が問われる結果と言えるでしょう。

この制度を知ったきっかけとして最も多かったのはテレビ・ラジオ(75.6%)で、次いでインターネットニュース(32.7%)、SNS(15.2%)と続きました。年代差が最も顕著だったテレビ・ラジオを年代別みると、50代(82.8%)・60代以上(83.8%)で特に高く、10代・20代は約60%にとどまっています。「知っている」のにまだ「理解していない」人が約半数いるという事実は、テレビで一度見聞きしただけでは制度の細部まで届いていないことを示しており、年代別の情報接触実態に合わせたきめ細かな周知が今後の課題と言えそうです。
【青切符制度】歩道走行禁止の遵守意向は全項目の中でワースト、「知っている」のに守れない実態

イヤホン両耳装着・夜間ライト未点灯・携帯電話ながら運転・信号無視・傘さし運転・並走は、認知・遵守意向ともに80%以上と高い数値を示しました。自分の意志でコントロールできる危険な行為については、制度施行が「守ろう」という意識を後押ししていることがうかがえます。 一方、「歩道走行」については認知率が約80%と高いにもかかわらず、遵守意向は約43%と全項目の中で突出して低く、唯一50%を下回る結果となりました。「知っているが守れない」という背景には、道路環境と法改正のあいだに生まれたギャップが見え隠れしています。
【青切符制度】歩道走行禁止を「厳しい」と感じるのは約74%、自由回答には切実な声

「歩道走行禁止」を「厳しい」と感じる割合は74.3%と全項目の中で最も高く、2位の「逆走」(49.3%)と約25ポイントもの差がつく結果となりました。青切符制度についてどう思うかを聞いた自由設問では「車道走行は危険・難しい」が78件と最多を占め、「自転車専用レーンなどの道路整備が先決」(49件)が続きました。 遵守意向・厳しいと感じるTOP3・自由回答のすべてで一貫した反発が確認されており、これはルールへの不満というより「今の道路環境では物理的に守れない」という切実な訴えであると考えられます。法改正が先行し、インフラ整備が追いついていない現状が浮き彫りになった形です。
【青切符制度】自転車ユーザーの約75%が「意識が変わった」、ただし「大きく変わった」は3割にとどまる

青切符制度の施行後、自転車を運転する際に交通ルールを守ろうという意識が変わったと回答した人は約75%にのぼり、制度施行による一定の効果が確認されました。しかし「大きく変わった」と答えた人は31.2%にとどまり、「やや変わった」は44.2%でした。
交通ルールを守ろうという意識の高まりは見られるものの、一部ルールでは遵守意向が低く、「意識が大きく変わった」と回答した人は限定的でした。制度が意識変容のきっかけになっているとはいえ、行動の変容には至っていない領域が残っていると示唆されます。
【追い越しルール】追い越しルールの内容理解は約40%、認知は広まっても浸透はまだ道半ば

「自動車が自転車を追い越す際の義務」の認知率は約78%と全体的に高かったものの、内容まで理解していると回答したのは40.4%と半数を下回りました。青切符制度と同様、制度の「存在」は広まっているが「内容」はまだ届いていないという共通の課題が見えています。

この制度を知ったきっかけとして最も多かったのはテレビ・ラジオ(63.2%)で、次いでインターネットニュース(28.7%)、SNS(14.2%)と続きました。年代差が最も顕著だったSNSをみると、10代(28.3%)、30代(24.5%)で高く、60代以上では6.3%と極めて低い結果でした。年代ごとに情報の届き方が大きく異なる実態は、今後の周知戦略を考える上で重要な示唆を与えています。
【追い越しルール】側方1m確保は認知トップ・遵守ワースト、守りたくても守れないドライバーの実態

3項目の中で最も認知度が高かったのは「自転車を追い越す際、少なくとも1m以上の側方間隔が必要」(約69%)でしたが、遵守意向は約59%と3項目の中で最も低く、「知っているが、守れなさそう」という矛盾した結果となりました。「安全が確保できない場面では後方で待機する」「十分な側方間隔が確保できない場合は時速20〜30キロ程度まで減速」の2項目は認知・遵守意向ともに低く、制度全体の理解浸透がまだ途上であることがうかがえます。
【追い越しルール】罰則の重さと道路環境への不満、データが映し出すドライバーの本音

追い越しルールと罰則について「厳しい」と感じるかを聞いたところ、上位2項目は「3ヶ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金」(62.9%)、「反則金7,000円・違反点数2点」(54.3%)と罰則・反則金に関する項目が並び、罰則の重さへの抵抗感が目立つ結果となりました。行為ルールの中で最も「厳しい」と感じられたのは「自転車を追い越す際は1m以上の側方間隔が必要」(51.7%)でした。
自由回答でも「道路が狭くて守れない・危険」が75件と最多を占めており、この項目への反発が単なる制度への不満ではなく、「物理的に守れる道路環境になっていない」という切実な声であることが裏付けられています。「制度に対して反対・批判」(48件)、「渋滞の原因になる」(42件)といった声も続き、遵守意向の低さと合わせてみると、ドライバーにとってこの制度は「守りたくない」のではなく「守りたくても守れない・守れるか不安」という状況であると考えられます。道路環境の整備と並行した、実態に即したルール設計が求められています。
【追い越しルール】約68%のドライバーが「運転意識が変わった」と回答、追い越しルールでも意識変容に一定の効果

追い越しルールの施行後、自転車を追い越す際の運転意識が変わったと回答した自動車ドライバーは約68%にのぼり、制度施行による意識変容の効果が確認されました。 ただし「大きく変わった」と答えたのは29.6%にとどまっており、遵守意向の低さと同様、「意識の変化」が「行動の変化」にまで結びついているかどうかは、今後の継続的な観察が必要と考えられます。
総論
両制度ともに認知率は高く、「施行されたこと自体は知っている」という状況は約1か月で実現されました。また自転車ユーザーの約75%、自動車ドライバーの約68%が「運転意識が変わった」と回答しており、制度施行による意識変容への一定の効果は確認できています。
一方で、浮き彫りになった課題は大きく2つです。
ひとつは「内容理解の不足」。青切符制度で約45%、追い越しルールで約38%が「聞いたことがある程度」にとどまっており、制度の存在を広めるフェーズから、正しく理解してもらうフェーズへの移行が必要です。
もうひとつは、「歩道走行禁止」に象徴されるルールと道路環境のギャップです。認知率が約80%ありながら遵守意向が約43%、厳しいと感じる割合が約74%。これは生活者の「ルールに従いたくない」という意識の問題ではなく、「今の道路では守りたくても守れない」という現実を反映していると考えられます。自由回答に並ぶ「車道が危ない」「専用レーンの整備が先だ」という声は、法改正に道路環境が追いついていない現状への切実な訴えです。
自転車専用レーンの整備は長期的な課題となります。当面の対策としてまず必要なのは、「今の道路環境の中でどう安全に走行するか」という具体的な方法を、年代や情報接触媒体の違いを踏まえて丁寧に届けていくことではないでしょうか。
制度の「周知」から「納得」へ、生活者の実態に寄り添った交通安全の促進が、今まさに求められています。
調査概要
調査対象:自転車または自動車(バイク・原動機付自転車を除く)を週1回以上利用する方(全国)
調査手法:インターネットリサーチ
スクリーニング調査期間: 2026年4月21日(火)
スクリーニング調査|2,203サンプル
本調査期間:2026年4月24日(金)〜4月27日(月)
本調査|669サンプル
自転車ユーザー|330サンプル
自動車ドライバー|339サンプル
調査主体:株式会社アイディエーション
株式会社アイディエーションについて
アイディエーションは、企業の商品開発、プロモーション活動を支援するアイデア開発会社です。
生活者の声や日常を徹底的に聴取・観察し、そこで集めたファインディングスから次の一手となるアイデアを開発し、クライアント企業のビジネスを成功に導くことをミッションとしています。
本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
広報担当:柿沼(かきぬま)
TEL:050-5212-8112
e-mail: pr-ml@ideation.co.jp
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