乾式法によるガラス固化体の還元分解技術を開発
東芝エネルギーシステムズ株式会社は、酸化物を溶融塩中で金属に還元する技術をもとに、ガラス固化体からの長寿命核分裂生成物(以下、LLFP)核種を含む4つの元素を取り出す技術を考案しました。これにより、二次廃棄物の発生が少なくなることが見込まれます。
東芝エネルギーシステムズ株式会社は、酸化物を溶融塩注1)中で金属に還元する技術をもとに、ガラス固化体注2)からの長寿命核分裂生成物(以下、LLFP)注3)核種を含む4つの元素を取り出す技術*を考案しました。これにより、二次廃棄物の発生が少なくなることが見込まれます。
本研究は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「核変換注4)による高レベル放射性廃棄物注5)の大幅な低減・資源化」(プログラム・マネージャー 藤田玲子)の一環として実施しました。上記プログラムでは、廃棄物から有用元素を回収し資源として利用する方法や、高レベル放射性廃棄物からLLFP核種を取り出して短寿命核種もしくは安定核種に核変換することにより放射能を減らす方法を開発しています。ガラス固化体中には、半減期が数十万年以上もあるパラジウム(Pd)、セシウム(Cs)、セレン(Se)、ジルコニウム(Zr)などの元素の同位体が存在し、高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化を目指すためには、これらを取り出す必要があります。
一方、長期にわたる地層処分では、可逆性・回収可能性を考慮する必要があります。本研究の成果を実用化することで、一度地層処分したガラス固化体も分解することによって有用元素を資源として抽出することが可能となります。ImPACTで開発中の他の技術を併用することによって、従来よりも地層処分場をコンパクトにするか、あるいは、深度設定の柔軟性を高めることができる可能性があります。
本研究では、溶融塩中でガラス固化体を化学的に還元することで、ガラス固化体主成分である二酸化ケイ素(SiO2)のSi-O網目構造を破壊し、対象のLLFP核種を固体、溶融塩、気体として回収できる手法を開発しました。これにより、耐放射性の溶融塩を繰り返し使用でき、二次廃棄物発生量を抑えることも可能です。今後、さらに実験を進め、実用化を目指します。
本成果は、日本原子力学会2019年春の年会(2019年3月20日)、電気化学会第86回大会(2019年3月27日)にて発表します。
*本成果は、特別な化学的手法によりガラス固化体を分解しています。処分環境にあるガラス固化体がそのままで分解することはありません。
本成果は、以下のプログラム・研究開発課題によって得られました。
内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)
プログラム・マネージャー : 藤田 玲子
研究開発プログラム : 核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化
研究開発課題 : 溶融塩中における電解還元・化学還元を用いたガラス固化体からのLLFP回収プロセスの開発
研究開発責任者 : 浅野 和仁
研究期間 : 平成27年度~平成30年度
本プログラムでは、高レベル放射性廃棄物であるガラス固化体中に閉じ込められている、半減期の極めて長い同位体を含む4つの元素を取り出す方法の開発に取り組んでいます。
<藤田 玲子 プログラム・マネージャーのコメント>
核変換を効率的に行うためには、目的の元素LLFP(Pd, Se, Cs, Zr)を純度よく取り出す必要があります。本研究では、溶融塩中でガラス固化体を化学的に還元することにより、二次廃棄物の発生量を抑えてLLFPを固体、溶融塩、気体として回収する技術を世界で初めて開発しました。ガラス固化体からLLFPを回収する技術は、返還ガラス固化体にも適用することができ、高レベル放射性廃棄物の低減、資源化に向けた大きな一歩となる成果です。
本リリースの詳細は下記からご覧いただけます。
https://www.toshiba-energy.com/info/info2019_0319.htm
東芝エネルギーシステムズの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.toshiba-energy.com/
東芝エネルギーシステムズの原子力事業はこちらをご覧ください。
https://www.toshiba-energy.com/nuclearenergy/index_j.htm
本研究は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「核変換注4)による高レベル放射性廃棄物注5)の大幅な低減・資源化」(プログラム・マネージャー 藤田玲子)の一環として実施しました。上記プログラムでは、廃棄物から有用元素を回収し資源として利用する方法や、高レベル放射性廃棄物からLLFP核種を取り出して短寿命核種もしくは安定核種に核変換することにより放射能を減らす方法を開発しています。ガラス固化体中には、半減期が数十万年以上もあるパラジウム(Pd)、セシウム(Cs)、セレン(Se)、ジルコニウム(Zr)などの元素の同位体が存在し、高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化を目指すためには、これらを取り出す必要があります。
一方、長期にわたる地層処分では、可逆性・回収可能性を考慮する必要があります。本研究の成果を実用化することで、一度地層処分したガラス固化体も分解することによって有用元素を資源として抽出することが可能となります。ImPACTで開発中の他の技術を併用することによって、従来よりも地層処分場をコンパクトにするか、あるいは、深度設定の柔軟性を高めることができる可能性があります。
本研究では、溶融塩中でガラス固化体を化学的に還元することで、ガラス固化体主成分である二酸化ケイ素(SiO2)のSi-O網目構造を破壊し、対象のLLFP核種を固体、溶融塩、気体として回収できる手法を開発しました。これにより、耐放射性の溶融塩を繰り返し使用でき、二次廃棄物発生量を抑えることも可能です。今後、さらに実験を進め、実用化を目指します。
本成果は、日本原子力学会2019年春の年会(2019年3月20日)、電気化学会第86回大会(2019年3月27日)にて発表します。
*本成果は、特別な化学的手法によりガラス固化体を分解しています。処分環境にあるガラス固化体がそのままで分解することはありません。
本成果は、以下のプログラム・研究開発課題によって得られました。
内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)
プログラム・マネージャー : 藤田 玲子
研究開発プログラム : 核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化
研究開発課題 : 溶融塩中における電解還元・化学還元を用いたガラス固化体からのLLFP回収プロセスの開発
研究開発責任者 : 浅野 和仁
研究期間 : 平成27年度~平成30年度
本プログラムでは、高レベル放射性廃棄物であるガラス固化体中に閉じ込められている、半減期の極めて長い同位体を含む4つの元素を取り出す方法の開発に取り組んでいます。
<藤田 玲子 プログラム・マネージャーのコメント>
ImPACTプログラム「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」では、高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核分裂生成物(LLFP)を化学分離し、核変換を行うことにより、廃棄物をリサイクルして資源化する日本独自の技術を提案することを目指しています。
核変換を効率的に行うためには、目的の元素LLFP(Pd, Se, Cs, Zr)を純度よく取り出す必要があります。本研究では、溶融塩中でガラス固化体を化学的に還元することにより、二次廃棄物の発生量を抑えてLLFPを固体、溶融塩、気体として回収する技術を世界で初めて開発しました。ガラス固化体からLLFPを回収する技術は、返還ガラス固化体にも適用することができ、高レベル放射性廃棄物の低減、資源化に向けた大きな一歩となる成果です。
本リリースの詳細は下記からご覧いただけます。
https://www.toshiba-energy.com/info/info2019_0319.htm
東芝エネルギーシステムズの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.toshiba-energy.com/
東芝エネルギーシステムズの原子力事業はこちらをご覧ください。
https://www.toshiba-energy.com/nuclearenergy/index_j.htm
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