小学生が“SDGsの目標期限となる2030年の夏に、みんなが快適に暮らすためのアイデア”を発表「小学生SDGsサミット2021」閉幕
SDGsの第一人者、蟹江憲史氏による基調講演や、環境省による「今から誰でもできる環境対策」の講演も実施
「SDGsの目標期限となる2030年の夏に、みんなが快適に暮らすためのアイデア」というテーマで、小学5~6年生から集まった作品の中から、優秀賞を受賞した3名の小学生が発表を行いました。また、SDGsの第一人者でもある蟹江憲史氏によるSDGsの基調講演や環境省による環境対策に関する講演を行いました。
■蟹江氏による基調講演「SDGsって何だろう?」
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授 蟹江 憲史氏
SDGsについて、昨今様々な場面で注目されていますが、改めて「SDGsって何だろう?」ということを考えてみたいと思います。
SDGsとは「2030年の世界の常識」として、持続可能な開発目標として17の目標と169のターゲットを立て、世界を大きく変える変革として定義されています。
17の目標には環境、経済、社会と、3つの側面があり、それぞれが相互に関連し合っています。大切なのことは3つあります。1つ目が、目標から考えること。2つ目が、17の視点から考えること。3つ目は、目標に進んでいるか常に測る、と言うことです。
SDGsは解答が書かれた問題集のようなもので、答えは既にあります。ただ、どうやって答えにたどり着くかがわかりません。答えを導く「方法」をみんなで考えることが大切です。
■「アツいまちからSDGsを考える」
一般社団法人アツいまち代表理事 中島 雄平氏
「一般社団法人アツいまち」とは、「アツいまちを住みよくするために私達にできること」を理念に掲げ、浜松市(静岡県)、熊谷市(埼玉県)、四万十市(高知県)、多治見市(岐阜県)、山形市(山形県)において、アツさに負けない持続的な社会の実現にむけて取り組んでいます。地域間の交流やパートナーシップを強化するため、活動の1つとして各市共通で身近に始めることのできるグリーンカーテン事業を促進しています。
SDGsという観点から、大好きな地域の為に行動したいという意識で、11「住み続けられるまちづくりを」を目的に、13「気候変動に具体的な対策を」17「パートナーシップで目標を達成しよう」を方法とし、8「働きがいも経済成長も」9「産業と技術革新の基盤をつくろう」を効果として感じられる取り組みを行っていきます。
■「今から誰でもできる環境対策」
環境省職員
気候変動には、温室効果ガスの排出を抑制する「緩和」対策と、気候変動の影響に対処し、被害を少なくする「適応」の両輪での対策が必要となります。地球温暖化や気候変動の大きな原因は、私たちが生活することで出る二酸化炭素です。その二酸化炭素をできるだけ出さないようにする日常での「緩和」対策をご紹介します。
出かけるときは、できるだけ電車やバスなどの公共交通機関を使い、近所には自転車や徒歩で移動すること。自宅の中では、熱中症予防や換気にも気を配りながら、エアコンに頼りすぎないよう、暑さ寒さを服装で調整したり、冷蔵庫を長時間開けたりしないこと。シャワーの時間を短くする工夫もいいですね。
また、「適応」には、熱中症対策としてこまめな水分補給や帽子の着用、エアコンを適切に使用すること、自然災害対策としてハザードマップや避難経路を事前に確認しておくことなどがあります。
まずは、自分たちができるところから、「緩和」と「適応」を意識した生活を心がけていただくことが、とても重要です。
■優秀賞受賞者3名による発表内容
黒木 秋聖(くろき しゅうせい)さん「人工的なクモの糸で世界を救おう」
テレビ番組でクモの糸がとても強く、環境にもやさしいということを知り、それを利用した2つのアイデアを考案しました。1つ目は、人工的なクモの糸とドローンで木を植える方法です。この方法を使うと、人が行くことができない地域にも植樹をすることができます。2つ目は、新しい税金制度で緑を増やす方法です。緑の多い家からは税金をとらず、緑を増やす活動に取り組んでいない家からは税金をとり、人の意識改革を目的とするアイデアを紹介しました。
小泉 英太郎(こいずみ えいたろう)さん
「世界中の海で釣りがしたい」という夢から、地球温暖化を防ぐためのアイデアを考案しました。増加する砂漠地帯に空気から水を作る装置を設置し、作った水で水力発電を行う街づくりを発表しました。さらに、世界中のすべての都市の窓ガラスに透明酵母菌熱吸着シートを装着し、貼るだけで誰でも簡単にできる暑さ対策のアイデアを紹介しました。
山田 遥斗(やまだ はると)さん「5rules」
「5という数字は少なすぎず、多すぎない」という実感から、環境に配慮した誰もが取り組めるアイデアを5つ提案しました。マイボトルに5℃ドリンクを入れて持ち歩くことや、5飯(ご飯)を残さないことなど、5という分かりやすい数字にこだわり、みんなが楽しく取り組めるよう提案しました。
■小学生SDGsサミットとは?
「小学生SDGsサミット」は朝日小学生新聞・読売KODOMO新聞・株式会社伊藤園がタッグを組んで、小学生とともに、持続可能な社会の実現にむけて取り組んでいきます。
2021年は、「SDGsの目標期限となる2030年の夏に、みんなが快適に暮らすためのアイデア」というテーマのもと、小学5~6年生からアイデアを募集しました。
■講評
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 教授
蟹江 憲史氏
小学生らしい自由で素直な発想で、大人には考えられない内容でした。
また、目標達成のために何が必要なのかを素直に考えられていて非常に良かったです。身近なところにすごく大きなヒントがあるということを示してくれたので、どのアイデアもすごく良い作品だったと思います。
中には、未来のあるべき姿から今をどうしたら良いのかという考え方が自然とできていて、誰一人取り残されないアイデアになっていることに感心しました。是非、こういった発想から互いに学び合っていただきたいと思います。
朝日学生新聞社 朝日小学生新聞 編集部長
清田 哲氏
新聞でも、行間を読むということがとても大切なのですが、今日は紙のアイデアからでは分からなかったことが発表により伝わってきました。単にアイデアを考えて書くだけではこういうプレゼンはできず、日頃から自分で考え、まとめる力がついているんだなと実感して、聞いていてすごくワクワクしました。
読売新聞東京本社 読売KODOMO新聞 編集長
新庄 秀規氏
作品も素晴らしかったのですが、それ以上にプレゼンがよく出来ていてびっくりしました。
私たちの新聞で、環境問題の記事を書く時には「どうしたら読者に自分も取り組まなければいけないなと感じてもらえるか」ということを第一に考えます。みなさんのアイデアは、全員が参加できるものばかり。すぐにでも新聞に掲載したいくらいの本当に素晴らしい内容でした。
■その他、講演紹介
■共催「伊藤園のSDGsの取り組み」について
麦茶・紅茶ブランドマネジャー 相澤 治氏
「健康ミネラルむぎ茶」は、お客様の健康づくりをサポートする飲料として、夏は地域社会の皆様と一緒に暑さ対策に取り組みながら、まちの活性化に貢献しています。また、製造する際に排出された茶殻で緩衝材を作るなど環境に配慮した取り組みも行っています。
そして、伊藤園を代表する「お~いお茶」は、「茶畑から茶殻まで」の一貫した生産体制を構築することでSDGsに貢献しています。製造する際に排出された茶殻では名刺や封筒、マスクケースを作るなど有効活用しています。
伊藤園は事業活動を通して、SDGsが掲げる持続可能な社会に、これまで以上に貢献していきたいと考えております。
■「SDGs×学生」
慶應義塾大学 蟹江研究会 落合 航一郎氏
蟹江研究会では、主に企業や自治体とコラボレーションをしながら持続可能な社会を目指す活動を行っています。
活動の1つとして、SDGsに取り組む様々な企業に学生が質問、分析を行い、学生目線で企業を評価しています。そうすることで、企業の取り組みの質を高め、世界で18位に後退してしまった日本のSDGsの評価をもっと成長させることに貢献できると考えています。
また、オリンピック・パラリンピックを通して、どうしたらより良い社会になるか、SDGsを用いて研究しています。SDGsを自由に考え、自由に行動に移すことのできる学生の強みをいかして、より良い社会に貢献していきます。
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