第6回 理系外国人留学生の会社選びとキャリアプラン【アンケート結果】日本企業に就職する魅力は「雇用が安定」が1位で過去最高 就職で重視する点は「職場環境や社風」が約5割。「給与水準」を上回る
- 希望の勤務地、東京を含む近郊が圧倒的だが、4人に1人は地方選択の可能性も!-
理系外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーター(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:長谷部 裕樹)は、当社が運営する外国人留学生就職情報サイト『リュウカツ®』(https://www.ryugakusei.com/)の登録者を対象に、日本での就職に関するアンケートを実施し、調査結果がまとまりましたので発表いたします。
当社は、2006年より企業向けの外国人材採用支援・留学生を中心とした外国人材就職支援事業を開始。特に、理系外国人留学生の採用支援を強みとしています。アンケート結果の最後には、理系外国人留学生の採用を考える企業を対象に、対策のご提案もしておりますので、ご参照いただければ幸いです。
【調査概要】
調査名:『第6回 理系外国人留学生の会社選びとキャリアプランに関するアンケート』
対象者:当社が運営する、外国人留学生就職情報サイト『リュウカツ®』登録者
※属性は最後に記載しています。
調査方法:インターネット調査(日本語と英語で調査)
調査期間:2024年12月
有効回答数:300名
調査目的:理系外国人留学生の実態を調査することで正確なニーズを把握するとともに、採用時の参考として活用していただくことを目的として実施しております。
リリースは、リュウカツHPよりダウンロードできます。
https://ryugakusei.com/company/#whitepaper
<集計結果のポイント>
● 留学先として日本を選んだ理由1位は「日本に対していいイメージがあったから」62.3%
2位以下は「日本の歴史や文化に興味があったから」(40.3%)、「卒業後、日本で就職したかったから」(38.3%)、「日本の高い技術を学びたかったから」(37.7%)が、約4割で並びました。[Q1]
● 留学先として日本のライバルとなる地域は「米欧」
留学先として、日本以外の候補があったかどうかを問う設問で、「東アジアの出身者」「東アジア以外の出身者」ともに、1位・2位は「アメリカ」「ヨーロッパ」と米欧が強い結果となりました。[Q2]
● 理系学生の就職したい業種1位は「IT・情報通信」、就きたい職種1位は「研究開発」
理系学生の就職したい業種は「IT・情報通信」が21.3%で1位、「電機・精密」が16.0%で2位になりました。また就きたい職種では「研究開発」が37.7%で1位となり、2位「システム開発」(17.0%)、3位「建築・土木関連」(11.7%)の2倍以上となりました。[Q3・Q4]
● 日本企業に就職する魅力は「雇用が安定している」が1位で過去最高
「雇用が安定している」(62.7%)が1位で過去最高となり、次いで「スキルが伸ばせる」(43.7%)、「技術力の高い企業が多い」(36.7%)となりました。[Q5]
● 就職先で重視するのは「職場環境や社風」が約5割。2位の「給与水準」を上回る
就職先の企業を選ぶ際に重視する点では、「職場環境や社風が合う」が約5割(47.3%)となり、2位「給与水準が高い」4割超(44.3%)、3位「企業の知名度・ブランドイメージ」3割(30.0%)を上回りました。[Q6]
● 希望の勤務地は「東京」および東京を含む近郊で75%超となるも、4人に1人は「地方」も選択肢に!
希望の勤務地は、「東京」(17.3%)、「東京および東京以外の都市部」(34.3%)、「東京および関東エリア」(23.7%)の合計が75%超となりましたが、一方で、「地方」(3.3%)と「勤務地にこだわらない」(21.3%)の合計も約25%となり、4人に1人は地方を選択する可能性があることがわかりました。[Q9]
【日本への留学について】
Q1.なぜ、日本への留学を選択したのですか? [複数回答]
1位は「日本に対して、いいイメージがあった」で6割超(62.3%)となりました。2位以下は、「日本の歴史や文化に興味があった」(40.3%)、「卒業後、日本で就職したかった」(38.3%)、「日本の高い技術を学びたかった」(37.7%)が、約4割で並びました。
Q2.日本の他にも、留学先の候補はありましたか? [複数回答]
回答者の51.0%が東アジア出身で、選択肢となっている中国・韓国の出身者も多く含まれるため、東アジア出身者と東アジア以外の出身者を分けて比較しました。その結果、東アジアの出身者、東アジア以外の出身者ともに、最も多かったのは「特にない」でした。日本への留学を検討する際、他国との比較検討をしていない人が多いことがうかがえます。
出身地域別では、東アジアの出身者では、「アメリカ」が最も多く25.5%、「カナダ」を加えると32.7%と3割を超えました。次いで、「ヨーロッパ」(22.2%)、「オーストラリア」(10.5%)という結果でした。東アジア以外の出身者では、「ヨーロッパ」が23.1%で1位、「アメリカ」は2位で20.4%ですが、「カナダ」をプラスすると27.9%となり、「ヨーロッパ」を上回ります。また、「韓国」10.9%が「オーストラリア」10.2%を抑え、3位となりました。今後、「韓国」が日本のライバルとして台頭してくる可能性も考えられます。
東アジアの出身者、東アジア以外の出身者ともに、日本のライバルは米欧であることがわかりました。
【日本での就職について】
Q3.業種について:就職したい/現在就職している業種は? [単一回答]
1位「IT・情報通信」(21.3%)、2位「電機・精密」(16.0%)、3位「化学・素材」(14.3%)となりました。「IT・情報通信」は、コロナ禍でテレワークが推奨される中、システム機器やオンラインサービスなどの需要が高まり業績が向上。2021年に人気が高まりましたが、2024年はほぼコロナ前の割合に戻りました。一方「電機・精密」「自動車・重機械」などの製造業はコロナ禍に落ち込んだものの、2024年には再び増加しました。
※「化学・素材」は2024年から選択肢に追加
Q4.職種について:就きたい/現在就いている職種は? [単一回答]
1位「研究開発」(37.7%)、2位「システム開発」(17.0%)、3位「建築・土木関連」(11.7%)となりました。1位の「研究開発」が2019年から変わらず高い理由としては、回答者の多くが大学院生※であることが考えられます。
※最後に記載の回答者属性をご参照ください。(大学院生は74.3%)
Q5.日本企業に就職する魅力は? [複数回答]
「雇用が安定している」(62.7%)が1位で過去最高となりました。2位以降は「スキルが伸ばせる」(43.7%)、「技術力の高い企業が多い」(36.7%)、「自分の専門分野が活かせる」(33.0%)と続きました。留学生の多くが、技術力の高い企業で自身のスキルを伸ばしたり専門分野を活かすことを希望していることがうかがえます。
Q6.就職企業を選ぶ際に、重視する点は? [3つまで選択可]
1位「職場環境や社風が合う」約5割(47.3%)、2位「給与水準が高い」4割超(44.3%)、3位「企業の知名度・ブランドイメージ」3割(30.0%)となりました。「給与水準」については、毎回高い数値になっていますが、「職場環境や社風が合う」は2019年から19.2ptも上昇し、過去最高となりました。
Q7.日本での就職で不安なことはありますか? [複数回答]
1位「外国人だと昇給・昇進できない」(47.3%)と2位「敬語など日本語に自信がない」(46.7%)がほぼ同数で5割近くとなりました。「外国人だと昇給・昇進できない」は、コロナ禍の2021年に6割超まで増加しましたが、2024年は16.2ptとコロナ禍前(2019年)よりも減少しました。「残業が多い」(32.0%)、「給与水準が低い」(28.0%)といった待遇面に並んで、「ビジネスマナーに自信がない」も約3割(31.7%)となりました。
Q8.日本の企業に就職した場合、どのようなキャリアプランを考えていますか? [単一回答]
「1つの企業でできるだけ長く勤めたい」(48.0%)が最も多く、次いで「機会があったら転職したい」(30.0%)という結果に。「母国に帰り、独立・起業したい」(11.3%)は2019年の5.1%の2倍以上となり、初めて1割を超えました。
Q9.希望の勤務地はどこですか? [単一回答]
「東京および東京以外の都市部」(34.3%)、「東京および関東エリア」(23.7%)、「東京」(17.3%)の合計が7割超(75.3%)となり、東京および東京近郊の人気が高い結果となりましたが、一方で、「地方」(3.3%)と「勤務地にこだわらない」(21.3%)の合計も24.6%あり、4人に1人は地方を選択する可能性があるということがわかりました。
※補足:東京および東京以外の都市部(東京でなくても大阪、横浜、福岡等ならよい)
東京および関東エリア(東京でなくても神奈川県や埼玉県等、東京に近ければよい)
Q10.都市部のよい点は何ですか? [複数回答]
(Q9「東京」「東京および東京以外の都市部」「東京および関東エリア」「勤務地にこだわらない」を選択した人のみ回答)
1位「生活するうえで利便性が高い」(65.9%)、2位「企業の数が多く、就職先の選択肢が広がる」(56.9%)、3位「給与水準が高い」(43.4%)となりました。
Q11.地方のよい点は何ですか? [複数回答]
(Q9「地方」「勤務地にこだわらない」を選択した人のみ回答)
1位「生活費や家賃が安い」(78.4%)、2位「自然が豊かで環境がいい」(60.8%)、3位「満員電車や渋滞がない」(52.7%)、4位「人が少なく、静かで落ち着く」(50.0%)となりました。
Q12.地方の企業の就活をする上でネックになっていることはありますか? [複数回答]
(Q9「地方」「勤務地にこだわらない」を選択した人のみ回答)
「都市部の企業に比べ、外国人留学生の採用実績が少なく不安」(58.1%)と「都市部の企業に比べ、求人数が少ない」(52.7%)が半数を超えました。地方勤務を希望したり、勤務地にこだわらない優秀な外国人留学生が一定数いる中、求人数や採用実績の少なさが地方の企業の就活のネックと感じている人が多いことがうかがえます。
Q13.外国人留学生の選考・採用に関して、企業に求めることは? [複数回答]
「留学生の採用枠を増やしてほしい」と「日本人と同じプロセスではなく、留学生向けの配慮もしてほしい」が同率で44.7%でした。
【総括】
株式会社オリジネーター
取締役 専務執行役員 工藤尚美
●6回目となった今回の調査では、就職先として日本企業の魅力を問う設問で「雇用が安定している」を選択した人が62.7%に達し過去最高になりました。「雇用が安定している」は5年連続1位ですが、前年(2023年度)の51.7%から11%も増加しており、日本企業の大きな魅力になっていることがわかります。
また、「スキルが伸ばせる」「自分の専門分野が活かせる」といった項目も3~4割が選択しており、自身のスキル活用や成長への期待感の大きさもうかがえます。日本では、現在も年功序列やジョブローテーションなどの慣習が残っている企業も多くありますが、制度についての納得性を持った説明を事前に行うなど、外国人留学生の意欲を損ねない受け入れ体制が求められます。
● 就職先を選ぶ際に重視する点では、「職場環境や社風が合う」が、「給与水準が高い」や「企業の知名度・ブランドイメージ」を上回りました。給与が重要であることに変わりありませんが、給与水準や企業認知度が突出して高くなくても、職場環境や社風の良さを伝えることで、優秀な留学生を獲得できる可能性があります。留学生採用には日本人と同様に企業PR(採用広報)が重要であると言えるでしょう。
●日本の就職で不安なことでは「外国人だと昇給・昇進できない」が1位となりました。この選択肢は毎年1位か2位に入っており、人事評価や昇進・昇格の制度など、不安を払しょくするためのきめ細かい説明が必要です。「がんばれば、そのうち昇進できる」といった曖昧な説明では留学生を逃すことになるでしょう。また日本特有の敬語やマナーへの不安も多くありますが、こういった不安に対しては、研修などのサポートが有効と思われます。
●勤務地に関しては、東京やその近郊を希望する人が75%超となり、圧倒的に多い現実はあるものの、「地方」と「こだわらない」を合わせれば約25%となり4人に1人は地方を選択する可能性があることになります。地方の魅力とともに、社風のよさや成長できる環境をアピールすることで、外国人留学生を獲得できるチャンスにつながると思われます。
『リュウカツ®』のサービスについて
■ビジネス日本語研修 https://ryugakusei.com/company/jptraining/ 100社以上の受託実績から、企業のニーズと受講者レベルに応じ、多様な研修スタイルと学習内容を提案。日本語でのコミュニケーションを重視したトレーニングが好評。 |
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<会社概要> 株式会社オリジネーター(https://originator.co.jp/)
[代表者] 代表取締役 長谷部 裕樹
[設 立] 2001年12月
[資本金] 1,000万円
[所在地] 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-12 monparte北参道6階
[主な事業内容]
外国人材採用支援事業『リュウカツ®』https://www.ryugakusei.com/
外国人材活躍支援事業(各種研修、定着支援等)
[事業許可] 有料職業紹介事業許可番号(13-ユ-300900)
【回答者の属性】 『リュウカツ』登録者の特長である、高学歴で日本語レベルが高い理系留学生が多数
※ 出身地域に含まれる国
・東アジア(中国,韓国,台湾,中国香港,モンゴル,その他)
・東南アジア(インドネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,その他)
・南アジア(インド,ネパール,スリランカ,バングラデシュ,パキスタン,その他)
・ヨーロッパ・ロシア(イギリス,ドイツ,フランス,スペイン,ロシア,北欧,その他)
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・アフリカ(エジプト,エチオピア,その他)
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