燈と大東建託が工程内検査写真のAI自動分類システムを開発
現場監督が多大な時間と労力をかけて行っていた工程内検査写真の分類・添付作業を50%削減

燈株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 兼 CEO:野呂 侑希)は、大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員CEO:竹内 啓)とともに、工程内検査写真のAI自動分類システム(以下、本システム)を開発しました。本システムでは、燈が保有する最先端の画像認識技術と、大東建託独自のシステムが保有する10万件を超える実際の建設現場の画像データを組み合わせることで、高精度な分類を実現しました。本システムにより、これまで現場監督が多大な時間と労力をかけて行っていた工程内検査写真の分類・添付作業が、画像のアップロードだけで自動的に処理できるようになり、従来と比べ作業時間が50%程度削減されます。
1.背景
建設業界における施工管理業務、特に品質管理においては、後工程での手戻りを防ぎ、高品質な施工を確保するために、工事工程の途中で綿密な検査を行い、その検査結果を工程内検査写真と検査表で記録する必要があります。大東建託では、現場管理業務の効率化と品質向上を目指し、独自の現場管理システム「名監督」を開発・運用してきました。
しかしながら、建築工事における検査項目は多岐にわたり、各工事工程に10~30項目程度、2×4工法に限定しても合計1325を超える検査項目が存在しています。そのため、現場監督は膨大な数の写真を適切な検査項目に振り分ける作業に多大な時間を費やしていました。さらに、作業の煩雑さから、工程内検査写真の振り分けミスが発生するリスクも存在していました。
これらの課題に対応し、現場監督の業務効率を飛躍的に向上させるとともに、より正確な品質管理を実現することを目的として、名監督システムの追加機能として本システムの開発に着手しました。

2.概要
本システムは、最新のAI技術を活用し、建設現場特有の撮影環境や写真の特徴を学習することで、高精度な画像分類を実現しています。名監督システム上で画像をアップロードすると、わずか10秒程度で自動的に適切な検査項目への分類が完了します。システムの特徴として、現場監督がその場で分類結果を確認し、必要に応じて検査項目を修正できます。最終的に、確認された分類結果は正式な検査結果として登録することが可能です。

3.効果
最新のディープラーニング技術を活用した画像認識システムにより、90%以上という高い精度で工程内検査写真の自動分類を実現しました。この高精度な自動分類により、現場監督の工程写真登録作業時間が50%程度削減されます。
さらに、以下のような副次的な効果も期待されます。
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検査項目の振り分けミスの大幅な減少
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現場監督の精神的負担の軽減
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検査記録の標準化による品質管理の向上
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データの蓄積による将来的な分析・改善への活用可能性
4.今後の展開
作成したAI基盤に更なるAIアルゴリズムを接続することで、工程内検査写真登録から品質チェック、工程表の管理などAI同士が共同することで相互に精度向上を行い、更なる利便性向上と業務効率化を目指します。
■ 燈株式会社について
燈株式会社は、「日本を照らす」という思いを社名に込め、"AI技術で、社会課題を解決する"をミッションに掲げる東京大学/松尾研究室発のAIスタートアップ企業です。建設業界をはじめ、エネルギー、インフラ、製造業など、日本の基幹産業における人手不足や生産性向上の課題に対し、独自のAI技術を駆使したソリューションを提供しています。
■燈株式会社へのお問合せはこちら
お問合せフォーム:https://akariinc.co.jp/contact
■会社概要
会社名: 燈株式会社(Akari Inc.)
所在地: 東京都文京区小石川1-28-1 小石川桜ビル4F
代表者: 代表取締役社長 兼 CEO 野呂侑希
設立: 2021年2月
ホームページ:https://akariinc.co.jp
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