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株式会社AQ Group
会社概要

アキュラホーム・ジャーブネットシンポジウム開催

『「匠の技」を現代に活かし、住まいの未来を豊かにする』

株式会社AQ Group

 株式会社アキュラホーム(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:宮沢俊哉)、日本最大級の工務店ネットワーク「ジャーブネット」(主宰:宮沢俊哉)は、7月9日(木)、ホテルイースト21東京(東京都江東区)に於いて「第16回ジャーブネット全国大会」を開催。大会に併せてシンポジウム「『匠の技』を現代に活かし、住まいの未来を豊かにする」を行いました。当日は、ジャーブネット会員企業など853名が集いました。
 

 

 シンポジウムでは、建築家の内田祥哉氏(東京大学名誉教授)の基調講演をはじめ、世界と日本で活躍する杉本広近氏(数寄屋大工)、久住有生氏(左官職人)による講演を実施。職人の技を、未来に引き継ぐわが国の大切な文化としてクローズアップし、つくり手と住まい手、双方の豊かな未来について考察しました。



■ 基調講演「和小屋の知恵とこれからの和構法」
内田祥哉氏(建築家、工学博士、東京大学名誉教授、金沢美術工芸大学客員教授、工学院大学特任教授、日本学士院会員)

 


 私は住宅生産における工業化・合理化の研究をしてきたので、プレハブ工法から出発しました。プレハブ工法は、予めつくったものを現場に運んで組立てる工法ですので、人里離れた職人のいない土地や不便なところ、危険な場所に建物を建てる場合に適していますし、効率化が図られていたり大量生産が可能である等の様々な特長があります。
 一方、和構法(参考資料1)の特長は、家族構成の変化等に合わせて一旦建てた後からでも自由に柱や階段の位置まで変えられるのでほとんど自由に間取りを変えられ、増改築が簡単にできるということです。これは海外の壁構造の国の人からとても驚かれます。
 ではなぜ増改築をいとも簡単にできるかというと、梁と束のシンプルな構成材料で作られていて寄棟屋根でも役物が少なくすみ、平面が変わっても材料を転用できます。これらが和小屋のうまみの1つ目です。2つ目は寄棟屋根をベースに入母屋やお城のような複雑な屋根が作れることです。これらのうまみに加え、基礎から真壁、そして小屋組へと繋がる全体が全て3尺モジュール(約30センチ)で縦・横が構成されています。このモジュールはわかりやすく言うと畳モジュールで、実際に生活空間を計る重要な単位です。3尺角(約30センチ×30センチ)は座位での必要な広さ、立って動くときには6尺角必要で、能舞台はこれらを元に作られています。日本の住宅が一貫してこのモジュールを基礎から屋根まで使用することで、平面プランが変わってもこのモジュールを足したり引いたりすれば良いわけですので増改築が簡単に出来るというわけです。私が調べた限り増改築の歴史は古く、桂離宮が梁や束を移動させて古書院の隣に中書院を建て増ししたことがわかっています。これからの和構法は、部品交換の際に道連れ工事を伴わないような住まいを検討すること、また、地震への対策としては、剛性を持つ床と天井、水平力を担う壁、垂直力不足を支える細い柱についてしっかりと考え、低層で壁量計算が可能な範囲で建築することが大切です。そして、何よりも住まい手とつくり手が一緒になって考えていくことが重要だと考えています。


■ 講演「大工としての25年の歩み」杉本広近氏(数寄屋大工、杉本広近工務店株式会社)
 


 「数寄屋建築に住むと、人生が変わる」と、中村外二棟梁から教えていただき、大工になって25年が経ちましたが、初期の頃のことをよく思い出します。
 かつて九州で450坪の平屋建てをつくるという大きな仕事を中村外二工務店で請け負いました。それは、中村のもとで学び始めて2年目のことです。今でも鮮明に覚えていますが、建設の途中、九州に戦後最大級といわれる大きな台風が来ました。私たちは建設を中止し、近くの旅館で待機したのですが、台風が過ぎた後、その旅館は瓦の大部分が吹き飛び、大きな被害を受けていました。しかし、数寄屋づくりの平屋はほとんど被害を受けませんでした。「伝統的な工法でつくると、こんなにも強度の高いものがつくれるんだ」と感動しました。
 独立して15年。私は仕事を、工期と予算以外の部分はなるべく自由にやらせてもらっています。といっても、自分のやりたいようにやるのではなく、“施主の人生を応援し、後押しする”気持ちで取り組んでいます。更に言うと、“施主の未来、理想、人生の在り方”までを含めてつくっています。なぜなら、棟梁からも教わったように、「建物で人生は変わる」と知っているからです。また私は、ものづくりをする時は、丁寧につくることを一番に心がけています。丁寧につくるところから、美しいものが出来、“品格”が生まれると思っているからです。
 今回の全国大会では、“床の間”をつくらせていただきました。昔は、床の間に掛け軸をかけたり、花を活けたりして“おもてなし”の気持ちを表し、お客様を招いたものです。本日はたくさんの方が来場されるということで、私なりにおもてなしの気持ちを表してみました。


■ 講演「家は人を育てる」久住有生氏(左官職人、左官株式会社)

 祖父の代から続く左官の家に生まれ、高校3年生のころスペインでアントニ・ガウディの建築を見てその存在感に圧倒されました。その時に左官になることを決心して現在に至ります。左官になるからには誰にも負けたくありませんでした。「毎日20時間壁を塗れば、いつか名人になれるだろう」と思い、30歳くらいまではひたすら毎日、ただただ壁を塗っていました。当時はかなり偏った生活をしていましたが、職人の仕事はそれくらい偏ったことをしないと覚えられないものだと思います。
 2010年、小学校の壁をつくるという依頼が来ました。公立の教育関連施設としては初の、土だけで仕上げる高さ15m、幅7.5mの大壁です。教育関連施設だけあって、教師や保護者から何度も「怪我をする危険があるのではないか? 子どもが壁を壊すのではないか?」と問われました。私は、「子どもがぶつかれば、怪我をするでしょう。硬いものをぶつければ壁は壊れるでしょう。でも、そういったことから子どもに教えていくべきではないですか?」と問い返しました。そして熱心に説明を重ね、壁づくりを任せてもらえました。
 職人がつくるものによって、それを使う人や、生活する人の習慣や所作、立ち居振る舞いは変わります。また“長持ちするもの”は、丁寧につくられ、使う人に大事にされてきたものだと思います。私がつくった土壁を見て、触って、子どもたちにも学んでもらいたいです。


■ パネルディスカッション
内田祥哉氏、杉本広近氏、久住有生氏、司会:伊藤圭子(株式会社アキュラホーム)


 ――内田先生はお二人の講演を聴かれて、どう思われましたか?

内田:数寄屋づくりというのは、ただ建築するのとはまた別の世界で、日本建築ならではの“味わい”がありますね。一方で、価値評価が難しい建築です。杉本さんのような若い方が新しい技術も交えて取り組むことで、変わってくるのではないかと思っています。また左官については、実は「手間ばかりかかる、プレハブの敵だ」と思っていた時期がありました。しかし今は違います。むしろ、左官ほど最後をキレイに仕上げてくれるものはないと思います。それが日本建築の凄いところであり、これからの住宅建築にも取り入れてほしいと思っています。

 ――職人のお二人は、内田先生の発言を受けて、どう思われましたか?

杉本:内田先生に評価いただき、光栄です。現場では、最後まで手を抜かずに仕上げることを心がけています。丁寧につくることで美しいもの、品性のあるものができると考えています。
久住:内田先生が「左官屋は敵」とおっしゃったように、私も「プレハブメーカーが敵」と考えていたことがありました。でも最近ハウスメーカーの方とお話しをする中で、私たち職人が思っている左官の良さを一緒に広げていってもらえるのでは、と考えるようになりました。

 ――杉本さんは「丁寧につくることで“品性”が生まれる」、久住さんは「“長持ちするもの”は、丁寧につくられ、大事にされてきたもの」だとおっしゃいました。一方、内田先生は、「プレハブは効率化を考え、速くつくることが重要視されてきたので開発された」とおっしゃいましたが、職人のお二人が言う、“丁寧につくる”ことが大事にされる時代は来るのでしょうか?
内田:そういう時代がこれから来ると思います。プレハブは速く建築できますが、長く使うためには避けては通れない増改築には向いておりません。その点、和構法でつくった家は、増改築が容易です。
これからの時代は、住まい手とつくり手が一緒になって家をつくっていくのではないでしょうか。職人が丁寧につくったことを住まい手が知ることで、後世に残っていくのだと思います。
久住:そのためにも、われわれ職人が“良いもの・本物”とは何か、を住まい手に説明していかなければならないと考えています。
杉本:住まい手に信頼してもらい、職人として、光るものをこれからもつくっていきます。

(敬称略)

 

                       展示作品

■ 第16回ジャーブネット全国大会 概要
年に1度、全国各地の会員とアキュラホーム幹部社員が集い、1年間の活動実績と当年の方針を共有する場として開催。近年はシンポジウム等を同時開催し、会員だけでなく学識経験者、行政、住宅関連団体、一般の方へも開かれた会として発展しています。

■   ジャーブネット(JAHBnet)とは
ジャーブネットは全国298社の工務店・ビルダーなどが加盟する工務店ネットワーク組織。アキュラホームが94年に独自の住宅建設合理化ノウハウを体系化した「アキュラシステム」を開発。これまでに約2600社の全国の工務店に導入されると共に、98年に(財)日本住宅・木材技術センターの「木造住宅供給支援システム」に認定され、その仕組みをもって工務店組織「アキュラネット」(現ジャーブネット)を設立。全国規模のネットワークによるスケールメリット、地域密着企業ならではのダイレクトサービスを併せ持つネットワークとして全国のユーザーに「良質な住宅を適性価格」で提供。

※基調講演「和小屋の知恵とこれからの和構法」
〈参考資料1〉     
 

 

 


 

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業種
建設業
本社所在地
東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビルディング34F
電話番号
03-6302-5001
代表者名
宮沢俊哉
上場
未上場
資本金
9314万円
設立
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