関東圏・関西圏のビジネスパーソンのコロナ禍における引越に関する意識実態調査
コロナ禍に引越をした人の約8割が“新たな暮らし”に満足!テレワークの普及やおうち時間への意識の高まりを受け、コロナ禍における引越トレンドは「家賃が高くても、広い部屋・通勤時間の短さ」を重視する傾向に
コロナ禍で消費支出が大きく減少※2し、引越件数も同じく減少するかと思われましたが、当社実績では引越需要にほとんど影響はありませんでした。“コロナ禍にも関わらず、引越需要は落ち込まなかった”というこの事象・動向を解明するために今回の調査を実施しました。
※1 当調査では、「民間企業に勤める正社員」をビジネスパーソンと定義しています。
※2 2020年 総務省統計局調べ
『引越にあたって、コロナ禍を考慮・意識しましたか?』という質問では、約半数以上の人が「とても当てはまる」(27.9%)、「やや当てはまる」(27.5%)と回答しました。
質問:『引越にあたって、コロナ禍を考慮・意識しましたか?』
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソン】(n=480)
年代別では、20代は同質問に対して「とても当てはまる」と回答した人は20%台にとどまりましたが、40代は33.1%と高い数値になりました。ここから、40代の方が、コロナ禍に対する問題意識が高かったといえます。
質問:『引越にあたって、コロナ禍を考慮・意識しましたか?』
【対象:コロナ禍に引越をした20代、40代のビジネスパーソン】(20代:n=160、40代:n=160)
地域別では、関東圏は関西圏と比較して、コロナ禍を考慮・意識して引越をしたと回答した人が3.3ポイント多いという結果になりました。
やはり、調査時は関西圏よりもコロナウイルスの感染者数が多かった関東圏の方が、コロナ禍をより意識したと言えます。
質問:『引越にあたって、コロナ禍を考慮・意識しましたか?』
『(コロナ禍の引越において)何を考慮・意識しましたか?』という質問で、最も多かった回答は「通勤時間」(58.6%)でした 。
これは、少しでも感染リスクを下げるため、密になりやすい満員電車等に乗車する時間を短縮したい人が多かったと考えられます。
質問:『(コロナ禍の引越において)何を考慮・意識しましたか?』 【複数回答可】
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソンの中で、『引越にあたって、コロナ禍を考慮・意識しましたか?』の設問に「とても当てはまる」もしくは「やや当てはまる」と回答した人】 (n=266)
地域別では、関東圏は「住居周辺の自然環境」が45.3%で2番目に多かったのに対し、関西圏では、「家賃」が43.4%で2番目に多く、次いで同率3位で「部屋の広さ(数)」と「住居周辺の自然環境」が37.2%でした。これは、関東圏の方が、コロナ禍によるライフスタイルの変化で「住居周辺の自然環境」を考慮して引越をしたことが推測されます。
対して関西圏では、「部屋の広さ(数)」や「住居周辺の自然環境」よりも、「家賃」を重視した引越をしており、結果に地域差が表れました。
質問:『(コロナ禍の引越において)引越にあたり何を考慮・意識しましたか?』 【複数回答可】 -関東圏-
【対象:コロナ禍に引越をした関東圏のビジネスパーソンの中で、『引越にあたって、コロナ禍を考慮・意識しましたか?』の設問に「とても当てはまる」もしくは「やや当てはまる」と回答した人】(n=137)
質問:『(コロナ禍の引越において)引越にあたり何を考慮・意識しましたか?』 【複数回答可】 -関西圏-
【対象:コロナ禍に引越をした関西圏のビジネスパーソンの中で、『引越にあたって、コロナ禍を考慮・意識しましたか?』の設問に「とても当てはまる」もしくは「やや当てはまる」と回答した人】(n=129)
年代別では、20代・40代共に「通勤時間」と回答した人が最多でしたが、20代は、40代よりも「通勤時間」を意識した人が多く、64.4%でした。40代と比較すると、7.9ポイントの差が生じました。また、20代で2番目に多かった回答は「家賃」(48.3%)で、40代と比較して13.5ポイント高いという結果になりました。
「部屋の広さ(数)」 、「間取り」と回答した人をみると、40代は20代と比較して多く、両回答とも39.1%でした。20代で「部屋の広さ(数)」(32.2%)と回答した人と6.9ポイントの差が生じ、「間取り」(23.0%)と回答した人とでは、40代の方が16.1ポイント多いという結果でした。
ここから、同居人がいる割合が20代よりも高いと考えられる40代は、テレワークの際に集中できる部屋やスペースを設けたい人が多かったと推測できます。
質問:『(コロナ禍の引越において)引越にあたり何を考慮・意識しましたか?』 【複数回答可】
【対象:コロナ禍に引越をした20代のビジネスパーソン】(n=87)
【対象:コロナ禍に引越をした40代のビジネスパーソン】(n=92)
2. コロナ禍における引越の“実態”について
続いて、どのような理由で引越をしたのかについて調査したところ、最も多かった要因は「転勤」で20.8%でした。テレワークの浸透で住む場所に左右されずに働くことが可能になったため、企業は転勤の“取りやめ”や“延期”を実施していると思われましたが、全体の約20%は「転勤」を理由に引越をしているという結果になりました。ここから、コロナ禍でも企業は住居の移転を伴う転勤を一定数行っていたことが判明しました。
「転勤」以外では、「家(マンション)の購入・建て替えのため」(17.3%)や「結婚」(11.5%)、「転職」(10.8%)などのライフステージの変化によるものや、「引越前よりも広い部屋に住む(部屋数を増やす)ため」(10.0%)、「間取りを変えるため」(7.3%)などの住居環境の改善などが理由に挙げられました。
質問:『引越をした理由は何ですか?』【複数回答可】
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソン】(n=480)
続いて、前住居と比較して新居がどう変化したのかを調査しました。コロナ禍の引越において最も考慮・意識された「通勤時間」は、「短くなった」と回答した人が最多でした。部屋の広さについては、「広くなった」と回答した人が最も多いという結果でした。家賃については、前住居よりも「高くなった」と回答した人が最多で、「変わらなかった」と回答した人を含めると全体の7割を占めました。
これらの結果から、これまでの生活水準より高い、もしくはこれまでの生活水準を下げない引越をした人が多数存在したことが推測できます。
質問:『新居からの通勤時間は、前住居と比較して短く(長く)なりましたか?』
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソン】(n=480)
質問:『前住居と比較して新居は広くなりましたか?』
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソン】(n=480)
質問:『新居の家賃は前住居と比較して変化しましたか?』
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソン】(n=480)
20代と40代を比較すると、前住居と比較して通勤時間が短縮した割合は、20代の方が高く、また、わずかな差ではありますが、 「前住居よりも広くなった」と回答した人も、20代の方が0.6ポイント多いという結果になりました。
この結果から、“コロナ禍での新しい生活スタイルに適応できる新居”を柔軟に選んでいたのは若年層であったことがわかりました。
質問:『新居からの通勤時間は、前住居と比較して短く(長く)なりましたか?』
質問:『前住居と比較して新居は広くなりましたか?』
新居に対する満足度では、「とても満足している」(30.8%)、「やや満足している」(48.1%)と回答した人が合わせて8割近く存在しました。
質問:『今住んでいる住居には満足していますか?』
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソン】(n=480)
ニューノーマルが定着しつつある今、自分の生活スタイルに適した新居を求めて引越をする人が数多く存在しました。
また、新居に対して「とても満足している」人の約8割が「広い部屋」に引越をしていました。これは、多くの人がテレワークの浸透やおうち時間の増加など、コロナ禍に合った新しいライフスタイルに合わせた部屋に引越したと推測されます。
【対象:コロナ禍に引越をしたビジネスパーソンの中で、『今住んでいる住居には満足していますか?』という質問に「とても満足している」と回答した人】
質問:『新居からの通勤時間は、前住居と比較して短く(長く)なりましたか?』(n=148)
質問:『前住居と比較して新居は広くなりましたか?』(n=148)
質問:『新居の家賃は前住居と比較して変化しましたか?』(n=148)
3. アフターコロナにおける引越の意向について
引越をしなかった理由として最も多かったのが「感染リスク回避のため」で約30%存在しました。現住の地域よりも感染者が多い地域への移動を敬遠する人がいたことや、十分に内見する機会が少ないことが理由として考えられます。
その他、「金銭面」で引越を取りやめた人は約20%存在し、先が見通せないコロナ禍で、出費を控えたいと思う人が多数いたことが想定できます。
質問:『引越をしなかった具体的な理由は何ですか?』 【自由回答】
【対象:コロナ禍に引越を検討したが、しなかったビジネスパーソンの中で、『引越をしなかったのは、コロナ禍の影響ですか?』の設問に「とても当てはまる」、「やや当てはまる」と回答した人】(n=187)
コロナ禍において、引越を検討したが、実際にはしなかったという人に対する 『新型コロナウイルスが収束したら、引越をしたいですか?』という質問では、「とてもしたい」(35.8%)、もしくは「ややしたい」(56.1%)と回答した人が全体の9割以上存在するという結果で、大多数がコロナ収束後には引越をしたいと考えていることが分かりました。
この結果から、アフターコロナには引越の需要が高まることが想定されます。
質問:『新型コロナウイルスが収束したら、引越をしたいですか?』
【対象:コロナ禍に引越を検討したが、しなかったビジネスパーソンの中で、『引越をしなかったのは、コロナ禍の影響ですか?』の設問に「とても当てはまる」、「やや当てはまる」と回答した人】(n=187)
◆「the0123引越文化研究所」とは
アート引越センターでおなじみのアートコーポレーション株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長: 寺田 政登)は、昨今の社会情勢の変化に合わせ、自社のシンクタンクである『the0123引越文化研究所』をリニューアルいたしました。
the0123引越文化研究所は、「引越」を生活文化の側面からとらえたさまざまな研究活動を推進するとともに、「引越」に限らず、さらに幅広い分野において「人・夢・暮らし」についての情報収集、研究分析活動などを多様な角度からおこなっていきます。
具体的には、アンケート活動を主体とした実態調査、消費傾向や関心事、現状の問題点などの把握と分析などに幅広く取り組んでいきます。 調査・研究結果については、アートグループの取り組む多様な生活サービスの質的向上に活かされるだけでなく、みなさんに有意義に役立てていただけるよう、広く社会還元を図ってまいります。
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