東京大学×日本材料技研、光センサの塗布型ホール輸送層向けTi3C2Tx MXeneインクを開発

従来材料よりも暗電流を約1/10に低減し高感度化

日本材料技研株式会社

日本材料技研株式会社(本社︓東京都中央区、代表取締役社長 浦田 興優、以下「当社」)は、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 横田研究室(所在地︓東京都文京区、研究科長・工学部長 加藤 泰浩、同研究科横田研究室准教授 横田 知之、以下「東京大学」)と共同で、第86回応用物理学会秋季学術講演会において、表面修飾したTi3C2Tx MXeneをホール輸送層に応用した有機フォトダイオードに関する研究成果を発表しました。

MXeneは、米国ドレクセル大学で発明された二次元層状化合物で、異方性を持つナノシート構造が特徴です。複数の遷移金属と軽元素の組み合わせによる多様なMXeneが報告されていますが、特にチタンと炭素からなるTi3C2Tx MXeneは優れた導電性や分散性を示します。当社ではTi3C2Tx MXeneの工業的生産に取り組み、多数のナノシートが積層された多層MXene粉末や、nmスケールの厚みに剥離したMXeneの水分散液をサンプル販売しています。また当社は、Ti3C2Tx MXeneの光電子デバイスへの応用についても研究開発を進め、これまでに光センサ(有機フォトダイオード)の電子輸送層としての応用可能性を見出してきました。(参考資料︓2024年9月20日「東京大学×日本材料技研、MXeneを電子輸送層に用いた薄膜フレキシブル有機フォトダイオードの開発について応用物理学会で発表」)

光センサや太陽電池、有機ELなどの光電子デバイスでは、電荷(電子、ホール)を発生させる活性層の陽極側にホール輸送層を成膜することで、ホールを移動しやすくし、素子の性能を向上させることができます。そして、活性層で生じたホールをスムーズに流すためには、ホール輸送層の特性(価電子帯準位や仕事関数)を設計・調整することが重要な課題となっています。このたび当社は、この課題に対して、Ti3C2Tx MXeneの表面を修飾することによってこの特性を制御する技術を開発しました。この技術によって作製したTi3C2Tx MXeneインクは、有機半導体上に塗布でき、かつ常温乾燥で成膜することができます。さらに、従来ホール輸送層として広く検討されている導電性高分子PEDOT:PSSと比較し、光センサの暗電流を約1/10にできることを確認しました。(参考資料︓2025年10月6日「東京大学×日本材料技研、正孔輸送層にTi3C2TxMXeneを用いた有機フォトダイオードの開発」)この技術は光センサに限らず、有機ELや太陽電池におけるホール輸送層材料としても活用が期待できます。当社は今後も研究開発を加速し、次世代光電子デバイスの高性能化に貢献してまいります。

表面修飾MXeneインク
作製した光センサの構造と特性

<本件に関するお問合せ先>

日本材料技研株式会社 問い合わせフォーム https://www.jmtc.co.jp/contact/


【日本材料技研株式会社 概要】
■会社名 :日本材料技研株式会社
■設立 :2015年8月
■資本金 :2億円 ※資本準備金を含む
■代表者 :代表取締役 浦田 興優
■事業内容 :機能材料事業
■企業ホームページ : https://www.jmtc.co.jp

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化学
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会社概要

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URL
https://www.jmtc.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区日本橋本町2-3-4 江戸ビル6階
電話番号
-
代表者名
浦田興優
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2015年08月