治験・臨床研究の文書管理クラウドサービス『Agatha』、生成AIを使って治験手続きを効率化できる新機能を開発
〜治験文書作成・管理における手作業を自動化し年間7,600億円に上る製薬の品質管理コストを削減〜
アガサ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:鎌倉千恵美、以下「当社」)は、当社が提供する治験文書管理クラウドシステム「Agatha(アガサ)」において、生成AIを活用した新機能を開始予定であることを発表いたします。
国内における製薬の品質管理コストは年間7,600億円にも上ります(※)。アガサでは「治験文書の効率的な管理を通じてコスト削減・スピードアップに寄与し、日本の治験環境の国際競争力を強化し、ドラッグロスをなくすことに貢献したい」という想いから、生成AIを活用した新機能の開発に至りました。具体的には文書作成及びアップロード、文書内の必要事項の確認、報告書の作成等を自動化することが可能です。従来、手作業で行われ時間や人件費がかかっていた部分を自動化し、コスト削減とスピードアップにつなげます。
(※)当社調べ。製薬R&D費1.8兆円のうち、治験費用、製薬の品質管理コスト、医療機関の品質管理コストを考慮して算出。
参考文献
https://www.med-device.jp/pdf/20210218-kaigi_11_meti.pdf
https://www.amed.go.jp/content/000077718.pdf
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202206017A-sokatsu.pdf
生成AIを活用し治験業務効率化が可能な新機能の開発背景
日本における年間の製薬R&D費1.8兆円(※)のうち、約半数の7,600億円が製薬企業及び医療機関の品質管理コストです。主に人件費、対面コミュニケーションのための移動費などに使用されているのが現状です。治験・臨床研究領域で先端をいく米国、欧州ではIT導入による生産性向上が進められており、日本でも追随の必要性が高まっています。そうした背景の中で、日本の治験のコスト高により海外の製薬企業が日本で治験を実施しないケースが増えています。結果として、海外では承認されているにもかかわらず国内未承認のため使用する薬が限られてしまうドラッグロス増加の原因にもなっています。
こうした状況下でアガサでは、昨今普及が広がっている生成AIを活用し、治験の管理コストを削減し開発スピードの向上に寄与することができないか、検討を重ねていました。手作業で行われていた文書作成等を自動化することで省力化、生産性向上につながります。加えて「手入力によるミスを防止することで品質向上をサポートし、治験環境の改善につなげたい。海外で利用できる医薬品が日本では使えない状況をなくしたい」という想いから、生成AIを活用した新機能開発に至っています。
生成AIを活用した新機能でできること
具体的な機能、及び可能になることは以下の3点です。
①電子化されたドキュメントを自動でアップロード
生成AIにより各医療機関の文書保管ルールを学習させ、自動でファイル名を作成することが可能です。さらに、医療機関ごとに異なる構成のフォルダであっても、自動でアップロードすることが可能です。
②自動で文書を作成
生成AIを活用し、医療機関のフォーマットに合わせた文書を自動作成したり、必要な情報を自動でシステムに転記したりなど、文書作成の時間を短縮します。将来的にはアガサのシステムだけでなく他システムとの連携や多言語対応させることで、より多くの製薬会社・医療機関の業務効率化を視野に入れています。
③必要書類の確認と報告書の作成
治験にご協力いただく患者さんからの同意書が人数分あるか、日付に齟齬がないかなど、治験に必要な書類が全て医療機関ごとのフォルダに格納されているかチェックする工程を自動化します。現状、治験の同意書等必要な書類は、製薬会社から受領したデータをもとに各病院独自のフォーマットに作り直したり、必要書類の目視確認が発生したりという工程が生じています。
必要な書類情報とフォルダ内の情報を照らし合わせて、報告書を作成する部分まで自動化することで、より安全な治験の実施につなげてまいります。
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メリット比較
分野 |
現状の課題 |
AI新機能のメリット |
---|---|---|
開発スピード向上・工数削減 |
製薬企業及び医療機関の双方で、 システムへの文書登録・データ登録 標準的な書式の作成や、 同一内容でも医療機関ごとに 異なる書式の作成に時間がかかる |
AIによる自動登録、 自動作成により、時間短縮、 工数削減が可能 ※人手によるダブルチェックは必要 |
品質向上 |
手作業のため、コピー&ペーストの ミスが発生する可能性がある |
AIのため、ミスが発生しにくい ※人手によるダブルチェックは必要 |
人権保護 |
患者さんの同意取得を失念した 場合、人手によるチェックでは発見が遅れることがある |
AIによる自動チェックで、ミスを早期に発見できる |
国内医療機関のおよそ1/3が利用する
治験文書管理クラウドシステム「Agatha」について
「Agatha」は、医療機関と製薬企業の利用者が、治験・臨床研究の文書を、クラウド上で共有・保存・管理することができるサービスです。日本並びにグローバルでサービス提供しています。
使いやすさと業務に精通したサポートで多くのお客様にご愛顧いただき、国内の治験実施医療機関の約3割(※1)にあたる国内の600以上の医療機関にてご利用いただいております(※2)。
また、日本国内で研究開発を行う医薬品製造販売企業の約8割でも利用実績があり、2023年9月にはユーザー数4万人を突破(※3)。医療機関/医薬品製造企業の双方での利用も堅実に伸ばしています。
(※1)2023年11月末日時点 当社調べ
シェアについては、国内の治験実施医療機関の当社推計値(約2,000件)に基づいて算出。
(※2)2023年12月12日プレスリリース
治験・臨床研究の文書管理クラウドサービス『Agatha』国内の治験実施医療機関への導入数が600件(全体の約3割に相当)を突破!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000052277.html
(※3)2023年10月26日プレスリリース
治験・臨床研究の文書管理クラウドサービス『Agatha』 本年1万人以上の利用者増加により、ユーザー数4万人を突破
https://www.agathalife.com/news/press-release-20231026/
【アガサ株式会社について】
治験・臨床研究の文書をプロジェクト単位で共有し、管理・保存するためのクラウドサービス「Agatha」を、医療機関、製薬企業、医療機器企業、CRO、SMO、臨床検査会社などに提供することにより、治験・臨床研究の効率化・省力化に貢献することをミッションに掲げてスタートした会社です。
将来の日本の子どもたちが、日本の生活、文化、技術、医療が世界一と信じられる、誇りと感じられる世の中を作ること、そして日本中の研究機関から、新しい治療法や薬が創出される仕組み・基盤を作り、日本の技術や産業によって、世界中の人々の健やかな人生に貢献することをビジョンとしています。
【アガサ株式会社】
会社名:アガサ株式会社(Agatha Inc.)
代表者:代表取締役社長 鎌倉 千恵美
住所:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町7-1 Kabuto One 9階 WeWork
資本金:8億9,300万円(資本準備金を含む)
設立:2015年10月2日
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