DESIGNART TOKYO 2025 開催レポート 「Brave 〜本能美の追求〜」のもと、91会場に渡りのべ約25万人が来場
開催日:10月31日(金)~11月9日(日) これからの時代を切り拓く国際色豊かな作品が集結した10日間
世界屈指のミックスカルチャー都市、東京を舞台に、デザイン、アート、インテリア、ファッションなどが多彩なプレゼンテーションを開催する日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」。今年のテーマ「 Brave 〜本能美の追求〜」のもと、本能と直感力を信じ、マーケットや予定調和に流されない勇敢なチャレンジをしたクリエイター・作品が世界中から集結しました。「東京の街がミュージアム」となった10日間」のハイライトをレポートします。
オフィシャルエキシビション「DESIGNART GALLERY」
33組の国内外の注目展示やトークセッションなど
多角的に世界の最新クリエイションを発信した大規模集合展
国内外から多くの人が訪れる文化発信都市「渋谷」の中心に位置し、大きな存在感を放つ「MEDIA DEPARTMENT TOKYO」に、日本をはじめ、フランス、オランダ、スウェーデンなど世界各国から斬新なクリエイションが集結しました。同会場にはインフォメーションセンターやトークラウンジも設置され、多くの方が表参道、外苑前、原宿、六本木、銀座、東京エリアへの回遊への起点としてDESIGNART GALLERYに来場いただきました。今回、日本で初めて空間演出を手掛けた、香港を拠点に国際的に活躍する建築設計事務所COLLECTIVEは、日本古来の建具として重要な要素である「障子」に着目。

1階エスカレーターホールに再利用できるアルミの構造体を組み合わせ壁面を作り、その上に不織布で覆い尽くすことで、三次元的にモダナイズされた「障子」を出現させました。緩急ある照明を灯すことにより、会場に訪れた人の影とZENの写真がシンクロするような空間は内外を曖昧につなぐ日本建築へのオマージュ。まさに本能美を感じる空間を創出しました。
今年のキービジュアルに起用された、世界的パルクールアスリートでありアーティストとしても注目を集めるZEN(ゼン)による ZEN Solo Exhibition「Urban Equivalence — 都市等価論」が、1階エスカレーターホールにて展開されました。本展では、バンコク、パリに続く新シリーズとして、アメリカ・ロサンゼルスで制作された写真作品が日本初公開となり、キービジュアルを含む18点が一挙に展示・販売されました。

2023年に分譲マンションブランド「ライオンズマンション」のリブランドを行った、株式会社大京による「THE LIONS」は今年、“人生の価値を高める全く新しい家づくりに挑戦する”という考えのもと、人の関係性をつくる新プロジェクト、THE LIONS 「Relation Wall 〜隔てる壁から、つながる壁〜」を、建築家永山祐子氏とともに開発、初お披露目となりました。本開発は2030年の実装を目指しており、会場では実際に壁が動く様子が再現されました。LIXILは床・壁・天井といった、空間において重要ではあるものの未開拓な領域において、新たな可能性を探索するインスタレーション「無為に斑 - 空間構成要素の再構築 -」を展示しました。無為(MUI)とは、作為を排した自然体、斑(MURA)とは、多様性やゆらぎ、個性の象徴を意味します。本展示では“斑”という概念を導入し、既存の空間概念を解体・再構築することで、新たな価値を抽出しようと、空間の重要な構成要素である床・天井・壁の3つのインスタレーションを展開。「無為」と「斑」が織りなす新たな概念を実際に体感し、固定観念を見つめ直す思索のひとときを提供しました。


2階では、実験的な取り組みから新進気鋭の若手まで注目の作品が集結しました。独自の発想から生まれた家具や、自然素材を使用することで森林や自然の循環を促す取り組み、従来のものづくりに疑問や新たな視点を加えた、挑戦的な作品が多く見られました。また、ものづくり欠かせない技術となった3Dプリンターを用いた新しい取り組みとして、三菱電機 統合デザイン研究所は、金型や切削加工を必要としない三菱電機の金属3Dプリンタでの出力を前提とし「金属3Dプリンタにしかできない形や、素材の特性を意識すると、どんなデザインが生まれるのか」をテーマに考察した作品「金属3Dプリンタが紡ぐ世界」を発表。金属とは思えない、温かみを感じる有機的な美しいフォルムの作品が並びました。そのほか、企業とデザイナーの取組みとしてOriginal Kolor Design は4名のデザイナー(秋山かおり・江口海里・福定良佑・吉田真也)とともに、人類の生活に欠かせないプラスチックの新しい未来の在り方を模索しデザインする取組み「+STORIES」を開催。会場では再生プラスチックを使ったオリジナルのマグネットが作れる体験も行いました。


3階では国際色豊かなプロジェクトやクリエイターが集結。ミラノサローネで注目を集めたLuis Marie - Fenna van der Klei and Patricio NusselderがTOKYO EDITIONとして日本の伝統色で制作した作品や、アンスティチュ・フランセの支援により実現した展示「French Design Focus at Designart Tokyo」(Mathilde Brétillot, Gala Espel, Claire Renard and Jean-Sébastien Blanc )、「Swedish Style」25周年を記念して、スウェーデンの家具ブランド「BLA STATION(ブロー・ステーション)」と、日本の「ACTUS」が新たなパートナーシップにより日本初公開のプロダクトを中心に展示す
るなど、現在のヨーロッパの創造性と多様性、そして最新デザインに触れることができました。


会場:MEDIA DEPARTMENT TOKYO(東京都渋谷区宇田川町19-3)
参加ブランド・クリエイター(順不同・敬称略)
1F / THE LIONS、 LIXIL 、ZEN 2F / Original Kolor Design、siwaza 、Hononga Collective、三菱電機 統合デザイン研究所、Tokio.、ZKI design Inc.、 WOHLHUTTE + 板坂 諭、130 OneThirty / 加藤 大直、.Garbon | .Gab、Ujin Lin by CONTRAST、 SUPER RAT、渡辺佑介 / WD、Asahi-Seiki × M&T、Sarah Tracton、ユーバイエヌアーキテクツ / ひわだや、 SHINYA YAMAMOTO、Paper Parade 3F / 乃村工藝社 noon by material record x &SPACE PROJECT 、平和合金 × we+、Institut Français(Mathilde Brétillot, Gala Espel, Claire Renard and Jean-Sébastien Blanc)、BLA STATION with ACTUS、Luis Marie - Fenna van der Klei and Patricio Nusselder、CUZEN MATCHA、1+1+1、aprg、Roee Ben Yehuda、IDE × HIS、 AYA KAWABATA
新たな視点でデザインの可能性を拡げた作品群
今年も、新たな視点によって生み出された作品が多数発表されました。それは、今年のテーマ「Brave」にふさわしく、まだ世にない考え方や発想を形にするという実験的な試みであり、挑戦です。常識にとらわれない、クリエイター達の作品の中から、ハイライトを紹介します。
兆し- From Error to Mirror 高本夏実× sync株式会社
TORQ DESIGN(UNDER 30)「Pyro PLA Project」
Nomadic (UNDER 30)「PACKING FOR THE METHOD」
金森由晃(UNDER 30)「情景 -scene (or memory)-」




色彩が美しいプレゼンテーション
今年も、ナチュラルで落ち着いた素材の色彩を活かした展示から、色彩が華麗なインスタレーションまで幅広い展示が行われました。中でも色彩によって素材やプレゼンテーションの可能性を示し、見る人に印象を残した展示をご紹介します。
共和鋼業+落合守征「金網の茶室」
CYUON+落合守征「Chromatic Symphony of Landscapes」
AZUMA PLYWOOD CO.,LTD. x HAKUTEN 調理する素材、構築する空間
レンジローバー x クライン ダイサム アーキテクツ「レンジローバー SV ビースポーク インスタレーション」




印象的なプレゼンテーションが際立った新作やコンセプト発表
新作のお披露目やブランド独自のコンセプトやビジョンを、印象的なインスタレーションを通して表現する展示が際立ちました。中でも注目度の高かった展示を紹介します。
NII ‒ THE STAGE|働く人が躍動する舞台
Carl Hansen & Søn FRAMING COMPOS
Time & Style Atmosphere 柱と継ぎ手 – 日本の自然と伝統を受け継ぐ象徴
Yasuaki Matsuura Memory as Distance




デザイン・ものづくりの裏側に迫る展覧会
近年、デザインやものづくりの裏側を公開し、そのプロセスを知ってもらうことで、新たな視点や発見を提案する企画が来場者にも人気です。今年も下記の展示が行われ、普段デザインに関係の無い方々へも関心を持っていただくことができました。
乃村工藝社「CREDIT -手間のかけら-」
HaKU Design Studio|Ephemeral Echoes
機械式腕時計のメカニズムからインスピレーションを得た展覧会「からくりの森」第4弾



インターナショナルな出会いと交流を創出し、活気に満ちた10日間
今年度は出展者・来場者ともに最も国際色豊かな年となりました。DESIGNART TOKYO 2025開催初日のレセプションパーティや、代官山 蔦屋書店とDESIGNART TOKYOが協働する業界横断型パーティ「CREATIVE BLEND」など、様々な分野で活躍するコネクターをはじめ多くの方々が参加され、大変な盛り上がりを見せました。また11/6には、DESIGNART TOKYO に出展しているアーティスト等も登壇した、発起人のひとりアストリッド・クライン/マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture)主催によるPechaKucha Nightも開催されました。その他にも、数多くの出展者がパーティやトークイベントなどを開催し、会期前から会期後まで国内外の多種多様な方々が参加され、インターナショナルな交流と街の活気の高まりを感じることが出来ました。





RECORD/実績(2025.12.05現在)
・来場者数 のべ約248,800人
・オンラインビュー数(Web・SNS含む) 約433万ビュー(8/10-11/17 )
・メディア掲載数 628(新聞 / 雑誌 / WEB / ラジオ / SNS)
・出展者数 130展示
・参加クリエイター&ブランド数 約300名(アーティスト、デザイナー、建築家、ブランド)
・会場数 91会場
・マッチング数 70組
DESIGNART TOKYO 2025 開催概要
テーマ:「 Brave 〜本能美の追求〜 」
会期:2025年10月31日(金)〜11月9日(日)の10日間
エリア:表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・銀座・東京
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)/川上シュン(artless)/小池博史(NON-GRID)/永田宙郷(TIMELESS)/アストリッド・クライン(Klein Dytham architecture)/マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture)
オフィシャルウェブサイト:https://designart.jp/designarttokyo2025/
下記より、全ハイライトを掲載しているプレスリリースをダウンロードいただけます。
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