三菱化工機本社・川崎製作所の再編計画について
三菱化工機株式会社(代表者:田中 利一 所在地:川崎市、以下「当社」という)は、本社・川崎製作所の再構築に関する基本計画(以下「計画」という)についてお知らせします。本計画は、当社が掲げる4つの戦略的事業領域の確立に向けた事業ポートフォリオ改革と、新たなモノづくり戦略を推進するための戦略的な事業投資です。化学工業機械の国産化を目的に当社が誕生したこの地で、創立100周年を迎える2035年や、その先の2050年に向けた成長の歩みを着実に進めてまいります。新施設の完成は2027年を予定しています。
再編の目的
当社は1935年(昭和10年)の創立以来、現在の本社・川崎製作所をモノづくりの主力工場として、さまざまな製品の開発・製造を行ってまいりました。2012年には、当時三つあった工場の一つを、当社の主力製品である油清浄機「三菱セルフジェクター」専用工場として建て替えを行いましたが、残る工場、事務所棟、研究棟なども老朽化が進んでおり、建築物の根本的な見直しが必要となっていました。
当社グループが目指す姿を策定した「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」の実現のためには、カーボンニュートラル社会に寄与する新しい技術や製品の開発が不可欠であり、開発の拠点や新しい製品の製造拠点が必要となることから、今回、本社・川崎製作所の全面的な再整備を決定いたしました。
再編計画の概要
本計画では本社・川崎製作所内の各棟(SJ工場・水素ステーション一帯を除く)を解体し、当社事業に必要な機能(工場・事務所・研究施設)の建て替え配置を行います。
1.事務所研究棟
事務所及び研究施設の機能を集約することで、それら機能に要するスペースや食堂、会議室など付帯設備の最適化を図ります。また、従業員の多様な働き方や自主・自律・自発的な活動に応える空間デザインを計画し、従業員エンゲージメントおよび労働生産性の向上を図ります。
2.工場実験棟
環境に配慮した最先端工場をコンセプトに、省エネや脱炭素化、DX化をリードするモノづくりの中心拠点として、次世代製品の生産を担うほか既存の遠心分離機やろ過機、フィルター等の産業機械及び船舶環境規制対応機器の組み立て機能を担うものとします。また、当社の既存あるいは新規技術と当社経営ビジョンに掲げる戦略的事業領域を軸に、外部機関との共創・相乗効果を図る多目的な実験・研究フィールドを併設します。新規事業の探索とともに次世代製品の開発を一層加速させ、戦略的事業領域の確立と新たな成長事業を生み出す拠点づくりを進めます。
自然との共生と従業員エンゲージメントの向上
既存のSJ工場と新設する2つの建物が囲う形で緑地を整備します。当社の経営ビジョンの実現には「自然との共生」の視点は必要不可欠であることから、就業時においても自然とのふれあいが可能な環境とします。また、事務所研究棟前には交流テラスを設置するほか、ルーフバルコニーの設置も計画しています。外部の景観を楽しめるつくりとすることで、従業員の創造性やモチベーションを最大限に引き出し、リラックスした空間で良好なコミュニケーションを図ることが可能な、魅力あふれる職場環境の整備を行います。
製造部門と研究開発部門が融合した、成長戦略を推進する設備
工場実験棟では、経営ビジョンの実現に向けて成長戦略を推進する、製造部門と研究開発部門の各機能が連携を行いやすい構造、配置を計画しています。また、産学官の連携を実践する実験設備をはじめ、オープンイノベーションの中核となる施設として、コミュニケーションやディスカッションが活性化されやすい環境を構築します。
建築物の構造・種別
名称 |
構造種別 |
階数 |
最高高さ |
延べ面積 |
---|---|---|---|---|
事務所研究棟 |
鉄骨造 |
地上4階 (内塔屋1階) |
約20m |
約7,900m2 |
工場実験棟 |
鉄骨造 |
地上3階 (内塔屋1階) |
約16m |
約5,800m2 |
両建築物の完成予定時期:2027年2月
環境配慮と工程管理
本計画では、稼働している事務所・工場の機能を停止させること無く、各棟を建設し機能を移行させていく必要があります。そのため、各工程の検討を十分に行い、工程遅延による事業活動への影響が起きないよう計画します。また、周辺環境に配慮し、安全対策や騒音・振動対策を十分に実施して再編を進めます。
また、最新の省エネ、創エネ技術の導入を検討しZEB※ Readyの取得を目指し、将来的にはNearly ZEBの取得も視野に入れて、計画を実施します。
※ZEB:Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。ZEB Oriented → ZEB Ready → Nearly ZEB → ZEBと達成状況に応じて4段階で定義されています。
■本リリースの取り組みを通じて、当社はSDGs(持続可能な開発目標)における次の目標に貢献します。
・目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
・目標8 働きがいも経済成長も
・目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
・目標13 気候変動に具体的な対策を
・目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
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