筆圧に負けない『ハードGペン』 2015年8月24日(月)発売
漫画家の強い要望で作られた新しいつけペン
「つけペン」(ペン先)は、先端にインクを付けながら描く昔ながらの筆記具で、現代では主に漫画やイラストを描くのに使われています。その中でも「Gペン」は、筆圧によって線の太細を表現出来ますが、その力加減が難しく、特に筆圧の強い漫画家には細い線を描くために力をセーブすることが大変だという不満がありました。
『ハードGペン』は、従来の「Gペン」より力を加えてもペン先が開きにくい形を新開発することで、筆圧に負けず細い線が描きやすくなりました。
1、筆圧の強い人が力を入れて描いても、ペン先が開きすぎず細い線が引けます。力をセーブしないで描けるので、長時間描くプロの漫画家でもストレスを感じにくくなりました。
2、線の太細を表現するのに力加減がしやすいので、熟練した技術がない漫画の初心者でも扱いやすく、最初の1本におすすめです。
3、表面にゴルフクラブ等で使用されるボロンメッキを施すことで、従来品の約2倍の耐久性があります。鋭利な先端が磨耗しにくく、細く均一な線を長い間描くことができます。
「ハードGペン」は、ゼブラのペン先課がのべ1000人の漫画家やイラストレーターからヒアリングし、その多くから出た要望を約4年かけて開発した商品です。試作品を使っていただいた漫画家の多くから、高い評価を得ています。
荷重によるペン先の開き比較
筆圧と線幅の比較
ハードGペン』
『ハードGペン』価格:10本入¥1,500+税(税込み¥1,620)
--- 補足 --
■「ハードGペン」誕生の軌跡
▼品質低下。手描きをやめる漫画家が続出
「つけペン」は、舶来品しかなかった1897(明治30)年に、創業者の石川徳松が、独創考案し、
国内で初めて生産・販売を始めました。これが、筆記具メーカーであるゼブラの礎となっています。
銀行の帳簿付けや企業でも一般に使用されていた筆記具であった「つけペン」。ゼブラの主力商品が
ボールペンやマーカーになるにつれ、漫画やイラストを描くためのものとなりました。
しかし、ゼブラではある時期から、熟練の職人の退職により、品質が低下。多くの漫画家が、
手描きの「つけペン」からパソコンソフトでの制作に切り換えるきっかけになったとまで言われました。
▼品質のことは漫画家に聞け
このままではゼブラ創業の「つけペン」が失われてしまうと、危機感を強めた職人たちは一念発起。
「ボールペンと違って、求められる品質が自分たちでは分からない、つけペンのことは漫画家に聞か
なければ」と、あらゆるツテを頼って、漫画家に会い「つけペン」に求める品質をヒアリングした結果、
数多くの要望が集まりました。なかでも、「①なめらかに描ける」、「②耐久性がある」、
「③強い筆圧に耐える」、といったことが強く求められていることがわかりました。
▼4年でのべ1000人。漫画家の要望が形になった
最も要望の多かった「なめらかに書ける」のために、漫画家基準で品質の見直しをはかり、
プロの漫画家や、全国のアニメ専門学校の生徒300人あまりなど、1,000人を超える人たちに試し描きを
してもらいながら、書き味を追求しました。こうして完成した「Gペン」は「漫画用Gペン」と改名。
2013年に発売したところ、右肩下がりだった売上げが反転しました。
職人たちの熱意に「ペン先」を愛好する漫画家や一線で活躍する編集者も協力し、
新しい「ペン先」の開発が動き出したのです。
▼100年ぶりの新商品となる「チタンGペンプロ」を発売
2つ目の要望である「耐久性を高めてほしい」という漫画家の声に応えたのが2014年発売の
『チタンGペンプロ』です。実際に、漫画家の描く線幅を計って、限界値を設定。
「金属のチタンでコーティングすれば耐久性が増すのでは」というひらめきから開発した商品は、
1本の「つけペン」で描ける長さが従来品の約4倍と飛躍的に伸びました。
結果、従来品の約3倍もする価格にもかかわらず、事前の予想を上回る売れ行きになりました。
▼ストレスなく描いてほしい。「ハードGペン」開発
3つ目の「筆圧が強くてつけペンの先がすぐに開いてしまう。ペン先の開きづらいものがほしい」という
要望に応えるため、多くの漫画家の筆圧を測定。
開きにくい形をハンダゴテで手作りして試作を繰り返し完成したのが、今回発売する『ハードGペン』。
2015年5月に東京ビッグサイト(東京・江東区)で開かれた自主制作漫画展示即売会「コミティア」で
来場者に試してもらったところ、「1本でいろいろな線が描けてうれしい」「絵を描くのが楽しくなった」
など、発売を待ち望む多くの高評価をいただきました。
■ゼブラペン先課の取り組み
一線で活躍しているプロの漫画家は約2000人と言われ、アマチュアの漫画家・イラストレーターは、インターネットやイベントで簡単に作品発表や共有が出来るようになった現在、数えきれない程いると言われています。
ゼブラの主力商品はボールペンやマーカーとなりましたが、創業から118年経った現在も、「つけペン」は栃木県にある自社工場の最深部で作られ続けています。機械を使っている部分もありますが、ほとんどは数人の職人が1本ずつ手作りしています。その作業は非常に細かいものばかりで、出来上がった商品は全てルーペや顕微鏡で検査をし、なめらかな書き味を実現しています。
最近は漫画業界もデジタル化が進み、パソコンの専用ソフトで描く人も増えています。しかし、自分の手で繊細な表現が自在に出来るアナログの「つけペン」で漫画を描く人が増えるよう、ゼブラのペン先課では品質向上や新商品開発をおこなっています。いまや世界に広がる日本の漫画文化を支えるため、職人たちの挑戦は続きます。
ゼブラのつけペン特設サイト(http://www.zebra.co.jp/gpen/)で、ペン先課の想いを動画でご覧いただけます。
Director:Kenichi Kiriki
Cinematography:Yutaka Amano/Kenichi Kiriki Editor:Kayoko Endo
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