女性の就労支援や母親支援に取り組む「支援者」へのメンタリングプログラム開始
NPO職員に「社外メンター」として、育児や仕事で培った聴く力を活かしママメンターが伴走
日本における「プロボノ※」の草分けとして国内最多のコーディネート実績を持つ認定NPO法人サービスグラント(東京都渋谷区、代表理事:嵯峨生馬 以下、サービスグラント)は、2025年11月、実施4年目となる「NPOメンタリングプログラム」をスタートしました。子育て中のママたちが2人1組の「メンター」となり、仕事や子育てで培った聴く力を活かして、NPO・地域団体等の代表やスタッフに3カ月間にわたって伴走。団体の運営上の困りごとや、個々の業務やキャリアについての悩みを聴きながら課題を整理し、次の一歩を共に考えていくプログラムです。
※プロボノ=経験やスキルを活かすボランティア活動
【URL】https://mamabono.org/post-3491/

【背景】NPOの重要性が高まる中、職員への支援に課題
新型コロナウイルス感染拡大や物価高騰の影響により、孤独・孤立、格差拡大の問題が一層深刻化しています。ジェンダーギャップ指数においても日本は148カ国中118位と低迷したままで、女性支援も大きな課題の一つです。そういった中、NPOには、行政や企業の手が行き届かない領域での迅速な対応や、コミュニティの維持・強化における重要な役割が求められており、活動の重要性はますます高まっています。一方で、NPOの65.6%が人材の確保や教育に課題を感じているという実態があります※。
※内閣府「令和5年度特定非営利活動法人に関する実態調査」より
サービスグラントは、2005年に活動を開始し、NPO等の非営利組織へ2300件を超えるプロボノ支援を提供してきました。その中で、特に少人数で活動しているNPOにおいて、相談できる相手・機会が少ないためにスタッフが疲弊したり、キャリアを描けずに離職したりしてしまうケースを目にしてきました。増加する支援ニーズに向き合うNPO側からは、もっと質の高い支援を届けたい、もっと多くの人を支援したいと思っていても、それがままならないという悩みを抱えているという声も多く聞こえています。
自身のケアが難しい「支援者」に寄り添う支援を届ける
そこで、2022年から開始したNPOメンタリングプログラムでは、NPO等のスタッフや代表に、プロボノワーカー(プロボノ活動を行う社会人)が、外部のメンターとして月2回、3カ月間にわたって伴走。個々の業務やキャリアについての悩みを聴きながら課題を整理し、次の一歩を共に考えることで、モチベーションを維持・向上させ、受益者に対するポジティブな対応と継続的な活動の実現につなげてきました。本プログラムを通じて、支援者の孤独感や疲弊からくるバーンアウトを防ぎ、NPO運営の基盤強化につなげます。


メンターとして「聴く力」でママが活躍。自己効力感の向上も実現
NPOメンタリングプログラムは2025年度、より多くの女性が自らの目指すキャリアや就労の機会を実現できる社会を築くことを目的としたHERstory Career Partner Program(主催:認定NPO法人日本ファンドレイジング協会、協賛:JPモルガン・チェース)の助成を受け実施します。女性が目指すキャリアを実現するきっかけの一つとして、子育て中の女性たちが、スキルや経験を生かすボランティア活動=「プロボノ」としてメンターを担当します。
仕事のスキルや子育てで培った聴く力を活かせるだけでなく、子育てと仕事の限られた役割で日々を過ごす閉塞感を、誰かの役に立つことで打破したいと考えている方などに参加いただくことで、子育て中の女性の孤立・孤独解消にもつなげていきます。さらに、NPO職員の話を聞くことで、社会課題を解決したいという熱い想いや、社会課題解決の実態や難しさに触れることができ、ママ自身の社会感度を高める学びの機会となります。
また、女性の就労支援や母親支援等の分野で活動する団体を支援することで、その先にいる女性たちの支援につなげます。
過去参加したメンター参加者(ママ)の声
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自分の能力が人の役に立っている実感があった。
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日頃かかわる機会のない方のお話を聞くことで、自分自身の世界も広げることができた。
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定期的に他の人と話す時間があることで自分のことも振り返る時間になった。
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2人1組で実施できたので、他のメンターの進め方がとても勉強になった。
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NPOの方のパワーや行動力に刺激を受けた。
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NPOの方の成長に刺激を受けた。
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代表の方の視点や学びを聞いているうちに、仕事についても少し上の視座を持つことができた。

関連記事:メンター参加者の声
参加ママの声(2024年度)https://mamabono.org/post_report/mentoring2025event_keikensha/
参加ママの声(2023年度)https://mamabono.org/post_report/mentoring2024event_keikensha/
参加ママの声(2022年度)https://mamabono.org/post_report/3023/
支援を受けたNPO職員の9割が「活動にポジティブな影響」と回答。3000人を超える受益者に好影響
2024年度『NPOメンタリングプログラム』で支援を受けたNPO等の代表と職員の全体的な満足度は100%。「他の人や他団体に勧めたいと思う」も100%の回答となりました。
支援を受けたことによる今後の活動への影響は、90%が「ポジティブな影響を与える」と回答。団体が活動の対象としている支援を必要とする人(受益者)への対応にポジティブな影響を与えましたか? という質問には、85%が「ポジティブな影響を与える」と回答しました。支援の結果、ポジティブな影響を与えた受益者は3002人※に上ることがわかりました。
具体的には、「受益者に新たな機会を設けた」「壁打ちの中でアイデアが発展し、新たな人たちを巻き込んでいくことになった」「新たに企業からの協賛を得られた」などのアクションにつながりました。
※回答に10点満点中7点以上を付け、受益者数を回答したプログラム参加者13名が記載した人数を合算

また、支援前後の参加者の状態を比較すると、「自己の強みや能力が認識できている度合い」が最もポジティブな変化が大きく、次いで「仕事における安心感の度合い」「現在の職務への満足の度合い」「同僚との関係への満足の度合い」も大きな変化が見られます。これは、自身の強みや、活動の意義を第三者に言語化してもらい再認識できた、整理できたことによるものと考えられます。各項目が相乗効果で活動への前向きな影響を及ぼしていることがうかがえます。

関連記事:支援先団体の声
NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター
https://mamabono.org/support/dantai_voice/greenwood/
実施概要

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実施期間 |
(1)メンター事前研修期間 2025年10月 ※事前研修 2025年10月21日(火)21:00-22:00(オンライン) (2)メンタリング期間 2025年11月~2026年1月 (3)振り返り期間 2026年2月 ※団体参加者とメンターでの振り返り 2月前半(1時間程度) ※メンター同士での振り返り 2月後半(1時間程度) |
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実施方法 |
月に2回/1回40分程度/オンラインにて実施 |
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団体参加者 |
8団体10名 |
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メンター参加者 |
子育て中の女性 ・産休・育休取得後、復職済みの方 ・育児休業取得中の方 ・パートナーの方の海外駐在に同行されている方 など 20名(2名1組のメンター×20チーム) |
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参加費用 |
団体・メンター共に無料 |
認定NPO法人サービスグラントについて
認定NPO法人サービスグラントは、日本における「プロボノ」のフロンティアとして2005年より活動を開始。"社会課題を前に、誰もが行動を起こし、違いや可能性を活かしあいながら協働できる社会"を目指し、主に、社会人の経験やスキルを活かした「プロボノ」によって非営利組織が抱える課題の解決を目指す、プロジェクト型支援のコーディネート等に取り組んできました。2025年11月現在、サービスグラントの登録者は延べ約10,000人、実施プロジェクト数は約2300件となりました。これらの実績を通じて、多様な主体が境界を越えて協働する社会のしくみを探求しています。
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
認定NPO法人サービスグラント(NPOメンタリングプログラム担当 栗原・津田)
TEL: 03-6419-4021
e-mail: mamabono@servicegrant.or.jp
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