マナリンク、AIを活用し教師の80%の業務を削減
オンライン家庭教師が保護者に提出する授業報告にAIアドバイスを導入、提出までの時間が短縮
AIアドバイスを利用しているプロ教師3名に教育現場のAI活用の向き合い方についてお聞きし、そこから見えてきた課題に対して、私たちは教師のテクノロジーの活用の改善を続けていく方針です。
■授業報告について
オンライン家庭教師は「一対一」という従来の家庭教師の良さを残しつつ、オンラインを通して指導する指導方法です。マナリンクは2020年の事業開始時からオンラインに特化したプラットフォームとして運営しています。オンライン指導のニーズが高まったコロナ禍の後押しも受け、現在は登録教師数600人以上を突破し事業が拡大しています。
授業報告は授業後に教師がご家庭にお子様の学習状況や授業姿勢のフィードバックを提出をするものです。ご家庭からは、「先生に丁寧に授業報告を書いていただいて、授業の様子が伝わって安心している。」「生徒の様子がわかって、家庭での学習の仕方についても子供と話すことができた。」と評価をいただいています。
■開発背景と結果
一方で、教師側からは授業報告について「保護者様にとって良い授業報告になっているのかが不安」「ほか教務もあり、すぐに提出できないときもある」という声が寄せられました。そこで、授業報告の質向上と効率化を目指し、機能を改善する運びとなりました。
保護者の声からAIに組み込んだ3点 ▼
指導内容
先生から見たときの生徒の理解度
授業中の生徒の様子
AIアドバイスの内容例 ▼
(※)授業報告における「良い点」とは教師に引き続き報告に記載してほしい内容であり、「改善アドバイス」とは、上記3点を網羅されていない場合の追加提案やより具体的に記載してほしい内容を指します。
「良い点」
例:報告内容において、授業中の生徒様の取り組み方や理解度、さらに生徒様がどのようにして問題にアプローチしているのかという具体的な例を挙げて説明されているのは非常に良い点です 等
「改善アドバイス」
例:「代名詞」について苦戦している場合、保護者が家でサポートできるような具体的なアドバイス(例:「家で一緒に代名詞を使った短文を作ってみてください」)を加えると、より一層家庭での学習を助けることができます 等
AIアドバイスの導入の結果、授業報告の提出までの時間短縮(※1) 、平均文字数(※2)の増加につながりました。
(※1) 2023年6月 37.2時間後→(導入後)2024年5月 7.44時間後
(※2) 2023年12月 約250文字→(導入後)2024年5月 約346文字
AIアドバイスをどのように利用しているかマナリンクの教師3名に聞きました
野又先生(大学受験指導で国語科を担当)
AIアドバイスにポジティブな点
・教育業界の経験が薄い先生のための、ボトムアップとして有効
・安定した報告内容を維持する事が容易
AIアドバイスで気になった点
・報告内容を一般化、平均化してしまう
教師からのコメント
教育業界は「教務力があるというだけでは成立しないサービス業」です。特に保護者対応の経験値は、アルバイト講師ではなく社員として働いた経験がなければ、なかなか身につきません。一方で未経験、経験薄の先生が、せっかくの教務力をさび付かせるのも、もったいないです。AIの提案を見てOJTで学びつつ、報告に盛り込むべき項目を充実させていくのは、大変効率的だと思います。しかし、AIに頼りっきりで書くようでは、先生の個性や人間味、魅力が伝わりません。AIのアドバイスを有効に使うために、先生側が「AIを絶対視せず、提案された項目を自分の判断で取捨する工夫」をすれば良いだけだと思います。
バックスター先生(バイリンガル英語講師 英検各級 TOEFLリーディング、帰国生入試 などを担当 )
AIアドバイスにポジティブな点
・なにが自分の報告書に網羅されているか、されるべきかのチェックポイントを知れた点
・報告書が何のために誰のために書くべきものであるかという目的をリマインドしてくれる点
AIアドバイスで気になった点
・具体化を要求されることもあり、例えば「次回の生徒の期待を明確にすること」などと言ったサジェスチョンは、ともすれば、報告書作りが授業後の多大な任務超過を生み出しかねない
教師からのコメント
AIのアドバイスにより、問題集のタイトルを詳細、ページ数まで書き入れる事を忘れない様になりました。また、「非常に良い」という言葉が書かれてあると、そこには大きなモチベーションをもらっています。ですが、言葉遣い、回りくどい表現や、レピートを避ける様にしなければいけない時も生じますし、そして授業内容、今後の計画についてもどのレベルまで把握したいかどうかは、親子関係、保護者のライフスタイルによって様々なので、それは講師の「人間としてのフィルター」を通してジャッジしなければならないと思っています。
石川先生(高校数学と物理などを担当)
AIアドバイスにポジティブな点
・保護者向けの報告である目的を確認できる点
・一般的に「こんなことをこう書けばよい」ということが明確になる
AIアドバイスで気になった点
・生徒や保護者からの評価や生徒それぞれの学習状況や受験科目などによってカスタマイズされていない
教師からのコメント
保護者向けの報告に何を書くべきかという点でアドバイスをもらうことができました。自分が書いた報告に対して、良かった点と改善すべき点が具体的に示されていることがありがたいです。一方で、生徒の学年や科目によっても保護者の期待は変わりますし、社会人の生徒は保護者がいません。このように対象となるユーザーごとにアドバイスを変えていただけるようになるとさらによいかと思います。
■ 今後の展望
教師とAIとの向き合い方について、今までの指導経験によるフィルターを通してAIからの提案を取捨選択していく重要性が分かりました。私たちは今後、授業報告がご家庭の状況に合わせて個別最適化していける仕組みづくりをしていくと同時に、教師の今までの経験から培われた強みや個性は残しつつAIによってエンパワーメントできるような世界観を目指していきます。
【株式会社NoSchoolについて】
私たちは「活躍すべき人が活躍する社会」をミッションに掲げ、2018年創業したEdTech企業です。居住地などの外的要因に左右されることなく、努力した結果に見合う報酬や価値を得られる社会の創出を目指しています。オンライン家庭教師のマッチングプラットフォーム「マナリンク」、通信制サポート校「マナリンク高等学院」、大人の資格取得の「資格のマナリンク」を運営しています。
社名:株式会社NoSchool
所在地:東京都文京区湯島3丁目4−6 ハイ・シティ湯島3F
代表:徃西 聡
URL:https://corp.noschool.asia/
設立:2018年5月
事業内容:インターネットサービスの開発/運営
お問い合わせ先:contact@noschool.asia
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