商船三井テクノトレードとVMOJAPAN、水素燃料船HANARIAで 船舶安否確認システムの実証実験を実施
〜船員向け即時安否状況・情報共有の向上を目指す〜
商船三井テクノトレード株式会社(本社:東京都千代田区、執行役員 情報通信・電装事業部長:佐野義浩、以下「MOLTECH」)と、グローバルに事業展開するITソリューションプロバイダーの VMOJAPAN株式会社(本社:ベトナム・ハノイ、CEO:Nguyen Thi Phuong Mai、以下「VMO」)は本実証実験の共同実施パートナーとして、船舶・海事分野におけるデジタルソリューションの実装を担当しました。

本実証実験は、災害発生直後における船舶および船員の安否確認を目的として実施され、災害発生警報の発信、安否確認要請の送信および受信確認に重点を置いています。あわせて、船員・家族間のコミュニケーションを支援するとともに、J-Alertに関する最新情報提供、救助要請、安否確認の呼びかけなど、緊急時におけるタイムリーな情報共有を重視しています。
また、本実証の一環として、Maritime Conectivity Platform(MCP)通信技術を活用した船舶安否確認システムのデモンストレーションを関門海峡においてMOLTECH所有のクルーズ船HANARIAで実施し、成功裏に完了したことをお知らせいたします。
水素燃料旅客船 「HANARIA」 は、日本初のハイブリッド型船舶として、商船三井テクノトレード株式会社(代表取締役社長執行役員:福島正男、本社:東京都千代田区)によって開発されました。本船は、水素燃料電池・リチウムイオンバッテリー・バイオディーゼル発電機の3つの電源を備え、ゼロエミッション航行を実現します。その革新的な技術と環境への配慮が高く評価され、**「シップ・オブ・ザ・イヤー2024」**を受賞しました。
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開発の背景
MCPは次世代の海上専用通信プラットフォームとして開発され、AIS2.0といわれる衛星VDES(VHF Data Exchange System)が、その通信プロトコルをサポートしています.
MCPはVDESの他,VSATやStarlinkのような高速衛星インターネットを利用できるため通信インフラが限定される内航船や漁船でも、災害・事故発生時の安否確認や緊急情報共有が可能となります。
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提供する機能
🔳 安否確認機能:船員の安全状態をリアルタイムで確認し、災害時や緊急時に即時対応を可能にします。
🔳 即時通知:船上・陸上・家族間で即時に通知・リマインドを送信。
🔳 船員管理:船員情報の作成、更新、同期、閲覧を一元的に管理。
🔳 データ同期(船⇄陸):船舶データと陸上サーバーを自動・安全に同期。
🔳 位置情報管理:地図上で船舶の位置や周辺船を可視化し、航行状況をリアルタイムで把握。
🔳 通知履歴・削除管理:アプリ内通知の閲覧、既読管理、自動削除(30日後)を実現。
🔳 多端末対応:Windows船上アプリ、Webポータル、iOS/Androidアプリで利用可能。
🔳 セキュリティ・運用性:Azureクラウド基盤、Key Vault、Service Busによる高信頼・低コスト運用を実現。
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サービス概要
🔳 サービス名: 船舶安否確認システム
🔳 開発期間: 2025年4月1日~2025年9月30日
🔳 対象: 商船・漁船向け
🔳 対応プラットフォーム: Windows、iOS、Android
提供価値:
「安全性向上」:災害・落水時の緊急情報共有と船員安否確認を実現
「信頼性確保」:衛星Starlink通信による安定したデータ送受信を提供
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今後の展望
本システムは、今後さらに機能拡張を進め、船員の安全確保と船舶運航の効率化を両立することを目指します。
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