心停止患者を市民とともに救命するシステム「AED GO」の実証実験を奈良市で開始
令和6年3月16日に開催される「第6回通信指令シンポジウム」で本件に関する発表を行う予定です
病院の外で、突然心臓が止まって倒れる方は日本だけで毎年約8万人にも上ります。そのうち2万8千人は倒れる瞬間を誰かに目撃されており、迅速な対応によって助けられる可能性が高い方々です。その方々に対し救急隊到着前にAEDによる電気ショックが実施されれば約40%が社会復帰できます。しかし、実際にそれが実施される割合は約4%に過ぎず、この割合を上げることが多く発生している突然の心停止の救命率向上には重要です。
我々公益財団法人日本AED財団は、心停止救命の仕組みづくりを事業の一つとしており、この度、奈良市消防局、京都大学、民間企業との連携協力を通じて、奈良市において、心停止発生時の迅速なAED利用を促すため「AED GO」の実証実験を開始ました。
この先進的なシステム「AED GO」は、事前に登録されたボランティアに対し、心停止現場の位置情報と付近のAED設置情報をスマートフォンアプリによって即座に伝える仕組みであり、迅速なAEDの活用を促します。奈良市によるこの革新的な取り組みは、公共施設、商業施設、学校など、市内の多様な場所に設置されているAEDの有効活用を促進し、心停止事故に対するコミュニティ全体の対応能力を高めることを目指しています。
119番通報を受けた消防指令センターが、現場付近のボランティアへアプリを通じて心停止の発生と現場、周囲のAED設置情報を伝え、現場にAEDを届ける仕組み。
「海外では既に類似の仕組みによって多くの命が救われており、スタンダードになりつつある」と、京都大学 石見教授(日本AED財団専務理事)は伝えており、現在の救急システムに上乗せされる、心停止救命の新しい形として期待が集まっています。「日本は古来より、他者を尊重する思いやりの文化があります。アプリを利用したAEDの運搬はこうした人を助けたい、誰かの力になりたいといった、他者を思いやる気持ちを呼び起こすものだと思います。この仕組みの実績をつくり、古都奈良から全国へ発信していきたいです。」とは奈良市消防局の担当者の言葉。
奈良市消防局は、現在HPやリーフレットなどの広報媒体やイベント、救命講習会等を通じてボランティアの募集とAED GOの市民への周知を積極的に行っています。また、令和6年3月16日に開催される「第6回通信指令シンポジウム」で本件に関する発表を行う予定です。発表に対する取材等のご希望はお問い合わせ先へご連絡ください。
公益財団法人日本AED財団は、様々な取り組みを通じてAEDを用いて人々を救命することの出来る安心・安全な社会の実現を目指しています。AED GOという仕組みの周知や普及にぜひ、ご協力ください。
※スマートフォンアプリ AED GOは、iOS及びAndroidデバイスで無料ダウンロードが可能ですが、心停止発生通知を受けるには消防組織とのシステム連携が必要になります。現在、同システムは愛知県尾張旭市、千葉県柏市、奈良県奈良市にて運用されており、他の地域でご利用いただくことはできません。ご了承下さい。
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