【双葉電子工業】 射出・押出成形のノズル・シリンダ部の断熱圧縮やせん断発熱による樹脂温度変化を計測し最適化。バイオマス・生分解性プラスチックの普及やGHG排出削減に貢献。
双葉電子工業株式会社(本社:千葉県茂原市、以下当社)は、射出成形による技術開発を革新する新製品「ノズル樹脂温度センサ」を、11月12日(水)~14日(金)で開催される「高機能素材Week東京2025」で発表いたします。
本製品は、業界唯一の製品である金型用樹脂温度センサの耐熱性と耐圧性を高めた新製品で、従来製品では計測することができなかった射出成形機や押出成形機のノズル・シリンダ内部の樹脂温度をリアルタイムに計測することができ、新たな成形技術の開発に貢献します。
尚、本製品は2026年1~3月の発売を予定しております。
【開発背景】
プラスチック成形品の製造に用いられる射出成形や押出成形では、まずホッパーと呼ばれる部分に原料を入れ、シリンダに送り込まれます。シリンダに送り込まれた原料を、ヒータで加熱しながらスクリュで混ぜ、溶けた樹脂を「ノズル」と呼ばれる出口へ押し出します。この時、樹脂分子同士や樹脂とスクリュ・シリンダ内壁とが擦れ合う事で摩擦が生じ、せん断発熱と呼ばれる熱が発生します。樹脂はその種類ごとに適正な溶融温度領域が定められているため、樹脂の温度管理は成形品の品質に大きく影響します。このため正確な樹脂温度の管理が重要となりますが、先述の工程は高温かつ高圧であるために、内部の樹脂温度をリアルタイムに正確に把握することは困難でした。
また、近年、より高機能な特性を持つエンジニアリングプラスチックや、環境負荷に配慮したバイオマスプラスチックなどの利用が増加していますが、こうした樹脂は溶融温度領域が狭く設定されており、特に樹脂温度の維持・管理が、生産性や品質の担保に重要となります。
このような課題を背景に、当社では「ノズル樹脂温度センサ」を開発しました。
【ノズル樹脂温度センサの主な特長】
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赤外線方式による高速応答での温度計測
応答速度8ms(63.2%応答時)で、成形中の温度変化をリアルタイムに捉えます。 -
高耐熱・高耐圧設計
耐熱温度420℃、耐圧350MPaに対応し、過酷な成形環境でも安定動作。 -
高精度・高再現性
±1%(F.S.)の精度で、成形条件の再現性を確保。 -
成形条件の最適化支援
断熱圧縮やせん断発熱による温度変化を加味した加熱・混練条件の設定が可能。 -
品質安定化への貢献
環境変化や材料特性のばらつきによる温度変化を検知し、早期対策が可能。 -
スクリュ・ヒータの検証にも活用可能
設計通りに混錬・加熱ができているか、検証・最適化に活用できます。


【出展・実演情報】
展示会: 高機能素材 Week 東京 2025
会期: 2025年11月12日(水)~14日(金)
会場: 幕張メッセ(千葉市美浜区)
出展内容: 射出成形機を使用した「ノズル樹脂温度センサ」の実演デモンストレーション
URL: https://www.futaba.co.jp/product/precision/new/3175
【双葉電子工業とは】
双葉電子工業精機事業センターは、1963年から金型部品の製造・販売を行っています。2000年より、射出成形におけるプラスチック金型の内部を見える化する「金型内計測システム モールドマーシャリングシステム」の製造・販売を開始し、国内外で延べ1000社以上導入実績があります。
金型内計測システム モールドマーシャリングシステムについてはこちら : https://mms.mtb.futaba.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ】
〒297-8588 千葉県茂原市大芝629
双葉電子工業株式会社 総務法務部長 徳元 秀行
TEL: 0475-24-1111 (代)
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