renue、Drawing Agentで高精度な3Dモデル生成を実現材質・パーツ別の自動分解生成と構造解析(CAE機能 β版)も追加
材質・パーツ別に構造を分解・理解し高精度の3Dモデルを自動生成。複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)と構造解析(CAE機能 β版)を追加し、読図から構造解析までの工程短縮を見込みます。



エグゼクティブ・サマリー
株式会社renue(本社:東京都港区、代表:山本悠介)は、図面SaaS「Drawing Agent」の機能アップデートを実施しました。本アップデートは、手作業に頼っていた読図から構造解析までの工程を短縮し、設計業務の効率化を実現することを目的としています。
取組内容
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スニーカーのゴム底(Outsole)に特化し、設計図面から補助線等のノイズを除去した上で、材質ごと・パーツごとに構造を理解した高精度の3Dモデル生成を実現しました。
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Drawing Agentの機能拡張として、複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)を追加しました。パーツ同士の配置関係を管理し、干渉チェックや整合性検証を自動で行います。
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構造解析(CAE機能 β版)を追加し、生成した3Dモデルに対して「どこに力がかかるとどこが壊れやすいか」を自動で解析できるようにしました。
効果(成果)
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熟練の技術者が手作業で行っていた読図・分解・3D化の工程が自動化され、設計者自身が図面をアップロードするだけで高精度の3Dモデルを得られるようになります。
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従来は手作業で確認していたパーツ間の干渉チェックや位置合わせをシステム上で完結でき、設計の手戻りの削減を見込みます。
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構造解析(CAE機能 β版)により、境界条件・荷重・材質の設定をAIが図面から自動で推定し、従来の前処理工数の約60〜70%の削減を見込みます。本格的な解析ソフトを回す前に短時間で強度の当たりをつけられる構成です。
Drawing Agentについて

弊社は、2D図面画像をアップロードするだけで3Dモデルが自動生成される図面SaaS「Drawing Agent」を提供しています。
CADソフトウェアの操作スキルがなくても、設計者自身が数分で2D図面を3Dデータ化できます。従来、CADオペレーターが数時間かけていた変換作業を、ファイルのアップロードだけで完結する体験に変えます。加えて、スニーカーのゴム底(Outsole)に特化した3Dモデル生成にも対応し、靴底特有の構造や材質を深く理解した高精度の生成を実現しています。
直近では「Drawing Agent」にGPT-image-2を活用した「図面クリーンアップ」機能を実装しました。設計図面に含まれる補助線をAIで除去し、輪郭線だけのきれいな図面に整理する機能です。今回の3Dモデル生成における前処理の精度向上にもつながっています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000091210.html
また、AIエージェントが図面の特性に応じて必要なツールを選び、読図を進める仕組みも導入しました。フリー図面が少ない領域でも、最小限の設計情報から2D図面を自動生成できる基盤も整備しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000091210.html
今回のアップデートでは、高精度の3Dモデル生成・複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)・構造解析(CAE機能 β版)を追加し、図面の読み取りから構造解析までを一連の流れで扱える製品へと拡張しています。
製品詳細:https://renue.co.jp/services/drawing-ai
対象領域の前提
国内製造業の現場では、依然として2D図面が設計情報の主要な伝達手段として使われています。紙図面・スキャンPDF・CADネイティブPDFが混在する環境で、図面から3Dモデルへの変換は熟練のCADオペレーターが手作業で行うのが一般的です。図面から3Dモデルへの変換には時間がかかり、設計者の工数を圧迫しています。
製造業・建設業の図面読取と3Dモデル化の自動化に向けて、AI-OCRや画像認識を組み合わせる手法が広く検討されています。しかし、現場で扱う図面は線種・凡例・記号が企業ごとに異なり、固定的なルール処理では対応範囲が限られます。図面1枚ごとにチューニングが必要となる構造が、自動化の壁となっています。特に曲面を多用する製品図面では、補助線・断面・展開図の組み合わせで形状を表現しており、読み手の経験で補ってきた情報量が多く、画像から直接3D化する難度が他業界よりも高くなっています。
さらに、設計の現場では3Dモデルの生成だけでなく、複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)検証や構造解析(CAE機能 β版)までを一連の流れで扱える環境が求められています。CAE市場は2026年から2033年にかけて成長が予測されており、設計から構造解析までを効率的に扱える環境への需要が高まっています。しかし現状では、2D図面からの3Dモデル生成・複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)・構造解析(CAE機能 β版)を一連の流れで自動化できる環境は限られており、設計プロセスの効率化に向けた新たなアプローチが求められています。
renueはこうした課題に対し、Drawing Agentの機能アップデートを進めています。
目標
熟練の技術者が手作業で行ってきた読図・分解・3D化の工程は、専門知識と経験に依存しており、属人化が進んでいます。さらに、3Dモデルの生成・組み立て検証・構造解析が別々の工程に分かれていることで、設計検討に時間がかかる構造が続いています。こうした課題を踏まえ、今回のアップデートでは以下の3つのゴールを設定しています。
高精度の3Dモデル生成
スニーカーのゴム底(Outsole)のように、曲面と複数材質が組み合わさった難度の高い製品で、実用に耐える精度を目指します。材質ごと・パーツごとに構造を分解し、それぞれの特性を理解した上で3Dモデルを生成することで、一括処理では得られない精度を高めます。
複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)の自動化
図面から各パーツを自動で分割・認識し、パーツごとに3Dモデルを生成した上で、一つの構造物として組み立てる工程の自動化を目指します。パーツ間の干渉検出や整合性の検証までをシステム上で完結させ、手作業に頼っていた組み立て確認の工数を削減します。
構造解析(CAE機能 β版)までの一気通貫
図面の読み取りから3Dモデルの生成、構造解析(CAE機能 β版)まで、Drawing Agent上で一連の流れとして完結させることで、設計者の検討サイクルの短縮を狙います。将来的には、対応する製品カテゴリや図面パターンを拡大し、設計者が図面をアップロードするだけで高精度の3Dモデルと構造解析結果を得られる環境を目指します。
課題
曲面・複数材質の3D化精度の壁
靴底のような製品は、ゴム底(Outsole)やクッション材(EVA)など、材質ごとに形状も役割も異なるパーツで構成されています。グリップ力を確保するために平らに広がるゴム底と、衝撃吸収のために山なりの形状をとるクッション材では、3D化に必要な処理がまったく異なります。こうした材質ごとの構造的な違いを理解せずに一括で3Dモデル化すると、構造的に正しくないモデルになってしまいます。熟練の技術者が暗黙的に補っていた情報量が多く、自動化の壁となっていました。さらに、設計図面には補助線・寸法線・注釈など、3Dモデル化には不要な情報が多く含まれており、これらのノイズを正確に除去する前処理も精度を左右する要因です。
複数パーツの整合性検証が手作業に依存
製品を構成するパーツ同士がどう組み合わさるか、組み立てた状態で構造的に破綻しないかを確認する必要があります。これまではCADを扱える技術者の手作業に頼っており、製品が複雑になるほど確認の工数が増大していました。パーツ単体の形状が正しくても、組み合わせた際に想定通りにかみ合わないケースがあり、手戻りの原因となっていました。確認作業が属人化しやすく、担当者によって検証の粒度にばらつきが出る点も課題です。
設計から構造解析(CAE機能 β版)までの分断
3Dモデルを作った後の構造解析(CAE機能 β版)は、別のツール・別の工程で行う必要がありました。ツール間のデータ変換や設定のやり直しが発生し、設計の見直しが必要になるたびにこの手順を最初からやり直す構造でした。特に境界条件や荷重の設定には専門知識が求められ、CAE β版の経験が浅い設計者にとってはハードルが高い工程でした。
ソリューション・やったこと
1. 高精度の3Dモデル生成

スニーカーのゴム底(Outsole)に特化し、構造や材質の知識をシステムに深く組み込むことで、汎用的なアプローチでは得られない高い精度を実現しています。処理全体は段階的な流れとして組み上げており、以下のステップで自動的に進みます。
処理の流れ:
ステップ1:図面の確認・左右判定
設計図面(PDF)から底面図・断面図・上面図を自動で認識し、材質の凡例や靴の左右も判定します。
ステップ2:断面線の紐付け(手動操作)
断面図が底面図のどの位置に対応するかを、ユーザーが画面上でクリックして紐付けます。この位置情報が後の3Dモデル生成で骨組み(ガイド)として使われます。
ステップ3:補助線の除去と図面の整理
補助線(寸法線や注釈)を除去し、輪郭線だけの図面に整理します。ステップ2の位置情報は保持し、補助線除去後も骨組みとして活用します。
ステップ4:断面のアウトライン確認
各断面のアウトライン(輪郭線)を取得し、品質チェックを自動で実施します。基準を満たさなければ次に進めない仕組みです。あわせて材質も識別します。
ステップ5:底面の輪郭確認と品質チェック
底面の輪郭線と断面の形状を3D空間上で重ね合わせ、ステップ2の位置情報をもとに一致を検証します。すべて合格した場合のみ次に進みます。
ステップ6:3Dモデルの組み立て
輪郭→パーツの形状→表面の形状と段階を踏んでパーツを作り上げます。クッション材(EVA)はかかと・つま先・真ん中の3パーツに分けて個別に作成し、ゴム底(Outsole)と合わせて組み立てます。完成した3Dモデルは材質分離表示など複数のモードで確認できます。
参考:チャットによる対話的な調整
完成した3Dモデルに対して、自然言語のチャットで修正指示を出すことも可能です。「クッション材を白系にして」のような曖昧な指示でも、システムが意図を読み取り、適切な変更を提案します。将来的には、対応範囲をさらに広げていく予定です。
高精度の3Dモデル生成の効果
ゴム底(Outsole)に特化し、材質ごと・パーツごとに分解して個別にモデルを作成することで、一括処理では得られない精度の向上を見込んでいます。
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熟練の技術者が手作業で行っていた一連の工程が自動化され、設計者自身が図面をアップロードするだけで高精度の3Dモデルを得られるようになることを見込んでいます。
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AIが不確実な箇所を自己申告する仕組みにより、人間によるレビュー工数の約80%圧縮を見込みます。
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CADの操作スキルがなくても構造的に正しい3Dモデルが手に入るため、設計検討の初期段階で3Dモデルを活用しやすくなり、設計プロセス全体の効率化を見込みます。
2. 複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)


複数のパーツで構成される製品を、パーツごとに3Dモデルを生成し、組み立てた状態で表示する機能を開発しました。
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パーツ間の配置関係(同軸・固定等)を記録・管理し、組み立て時の位置合わせを自動化。
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パーツ同士が重なっていないか(干渉チェック)、正しくかみ合っているかを体積ベースで自動検証。
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構造物として破綻しないことをAIの改善サイクルに組み込み、繰り返し精度を高めています。パーツごとに個別に表示・確認もできます。
複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)の効果
従来は手作業に頼っていたパーツ間の整合性検証を、システムが自動で実行します。
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パーツ同士の干渉チェックや位置合わせをシステム上で完結でき、設計の手戻りの削減を見込みます。
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パーツ数が増えても検証の負荷が変わらない仕組みにより、複雑な製品でも品質の安定化を見込みます。
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AIの改善サイクルにより、使い続けるほど組み立て精度が向上していく設計です。
3. 構造解析(CAE機能 β版)

生成した3Dモデルに対して、構造解析(CAE機能 β版)を自動で実行する機能を開発しました。設計図面の読み取りから、3Dモデルの生成、さらに構造解析(CAE機能 β版)まで、一連の流れで処理が完結します。
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図面から読み取った形状特徴(取付穴、ボルト穴など)をもとに、AIが「どこを固定し、どこに力をかけるか」を自動で推定。ユーザーは提案を確認・編集するだけで解析条件の設定が完了。
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鉄鋼(SS400, SUS304等)・アルミ(A6061, A7075等)・樹脂(ABS, PEEK等)など、製造業で一般的に使われる材質データを内蔵。材質を選ぶだけで物性値が自動設定。
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応力分布をヒートマップとして3Dモデル上に可視化し、「どこに力が集中しているか」を直感的に把握可能。
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解析結果はPDFレポートとして出力でき、社内共有や設計レビューにそのまま活用可能。
構造解析(CAE機能 β版)の効果
図面のアップロードから3Dモデル生成、構造解析までをDrawing Agent上でワンストップで実行できる環境を見込んでいます。
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境界条件・荷重・材質の設定をAIが図面から自動で推定するため、従来の前処理工数の約60〜70%の削減を見込みます。
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「この設計で強度が持つか?」という問いに対して、本格的な解析ソフトを回す前に短時間で当たりをつけられる構成を見込んでいます。解析結果はPDFレポートとして出力し、社内共有や設計レビューへの活用を見込みます。
今後の展望
現在はゴム底(Outsole)の3Dモデル生成が中心ですが、今回の実装で得られた「材質ごと・パーツごとに分解して構造を理解する」アプローチを活かし、今後は対応範囲をさらに広げていくことも視野に入れています。あわせて、自然言語によるチャット機能をさらに拡張し、より幅広い範囲の修正や調整を対話的に行えるようにしていく予定です。対応図面パターンの拡大と、チャット機能の拡張を並行して進め、Drawing Agentの適用領域を広げていきます。
複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)と構造解析(CAE機能 β版)については、対応するパーツ間の配置パターンの拡充や解析精度の向上を継続し、正式版のリリースを目指します。中期的には、図面の読み取りから3Dモデル生成、構造解析(CAE機能 β版)までを一気通貫で扱える基盤として、Drawing Agentを設計検証の入口となるプラットフォームへ発展させていきます。
renueは社内業務でもAI活用を進めており、現場で得た知見を製品に反映する体制を取っています。Drawing Agentを通じて、設計の現場で「AIが実際に使われる」状態を一つずつ積み上げていきます。
会社概要
会社名:株式会社renue
所在地:〒105-7105 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 5階
代表者:山本悠介
事業内容:AIコンサルティング業
本件に関するお問い合わせ
メール:info@renue.co.jp
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