技術研究所 新棟を竣工
スタンレー電気株式会社(本社:東京都目黒区中目黒2-9-13、代表取締役社長:貝住 泰昭)は、技術研究所(神奈川県横浜市青葉区)の新棟を竣工しました。
本件は、第Ⅷ期中期3ヶ年経営計画に掲げる「光の独自技術で新市場開拓」を推進するための、戦略的投資の一環です。これにより、研究開発体制をさらに強化し、未来社会を見据えた技術革新と新たな価値の創出を目指します。当社の研究開発を支える中核拠点として、2026年2月より稼働開始予定です。

■ 新棟建設の背景と目的
① ナノテクノロジーを核とした次世代技術の創出
近年、自動車領域では安全性向上のための精密な光制御が求められ、生活・ヘルスケア領域ではウイルスや細胞など極めて微小な対象への技術的アプローチが必要とされています。これらの社会的ニーズに対応するため、ナノレベル(1ナノメートル=100万分の1ミリメートル)での成膜・加工・分析を可能にする先端設備などを導入します。あわせて、研究開発領域へのデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用を進めながら、これまでにない精度と機能を持つ光デバイスの開発を加速します。
② 研究開発拠点の集約と知の融合
光技術のさらなる進化と研究開発の効率化を目指し、これまで複数の拠点に分散していた研究開発機能を集約します。新棟では、実験室のワンフロア化や、創造性とコミュニケーションを高めるオフィス環境を整備します。これにより、テーマや部門の枠を越えた自由な発想と知識の融合を促し、よりスピーディーで革新的な研究開発の実現を図ります。
また、企業・大学・スタートアップとの共創を推進するエリアを設け、オープンイノベーションを促し、社会課題の解決や新しい価値の創出に挑戦していきます。
■ 主な研究開発テーマ
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次世代光源の創出(PCSEL※1の開発、VCSEL※2の進化など)
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モビリティの安全につながる要素技術(悪天候・死角の克服など)
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光で水や空気を無害化する深紫外除菌技術
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高齢化や人口減少、高度情報化社会に対応した生活・ヘルスケア分野への光ソリューション
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カーボンネガティブ※3、サーキュラーエコノミー※4関連
■ 新棟の概要

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所在地 |
神奈川県横浜市青葉区荏田西1-3-1 |
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総工費 |
約60億円 |
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着工 |
2024年3月(旧棟解体:2023年6月) |
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竣工 |
2025年11月 |
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稼働開始 |
2026年2月予定 |
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敷地面積 |
6,817㎡ |
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建築面積 |
2,631㎡ |
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延床面積 |
8,529㎡ |
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建物構造 |
RC造 地上5階建て、高さ約20m |
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環境配慮設計 |
太陽光発電(想定出力:75kW)、高効率空調、断熱構造などで約400t-CO₂/年を削減 |
※1:PCSEL(Photonic Crystal Surface Emitting Laser)
フォトニック結晶面発光レーザー。高出力、高指向性、高機能性を兼ね備えた次世代半導体レーザー
※2:VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)
垂直共振器型面発光レーザー。基板から垂直方向に出射する、小型で高発光効率、低消費電力、高指向性が特徴の半導体
レーザー
※3:カーボンネガティブ
排出量より多くのCO₂を吸収・除去し、大気中のCO₂を実質的に減少させる状態。カーボンニュートラル(排出量と吸収
量が同等)を超える、より積極的な気候変動対策の概念
※4:サーキュラーエコノミー
資源を無駄なく使い、再利用やリサイクルを通じて環境への負荷を抑えるしくみ
スタンレー電気株式会社について
1920年に自動車用電球などの特殊電球の製造販売を目的に創業し、現在では世界の主要な四輪・二輪メーカーに製品を提供しています。自動車照明以外にも可視光・赤外・紫外の各種LEDやLCDなどのコンポーネンツ製品、電子応用製品で、暮らしの安全安心に貢献しています。
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