フリースケール、業界で初めてソフトウェア・アウェア・システム・アーキテクチャを ベースとするスマート・ネットワーク向け次世代QorIQプラットフォームを発表

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、最初の2世代のQorIQ組込みマルチコア・プロセッサの成功と市場実績を受け、第3世代のQorIQ(コア・アイキュー)ポートフォリオの要となる新しい「Layerscape」システム・アーキテクチャを発表しました。今日のネットワーク・インフラストラクチャ機器メーカーは、急速に普及するネットワーク対応機器、巨大なデータ量、厳格なセキュリティ要件、リアルタイムのサービス・プロビジョニング、ますます予想できなくなるネットワーク・トラフィック・パターンに対応することが求められています。コアに依存しない最新ソフトウェア・アウェア・フレームワークは、このような機器で要求される高度な柔軟性と拡張性を実現します。

Layerscapeアーキテクチャは、まったく新しいアプローチのネットワーク・システム・アーキテクチャで、ソフトウェアとプログラマビリティを前面に押し出しています。ハイレベルのルーティング決定からパケット・アクセラレーション/フォワーディング処理をモジュール化、レイヤ間の相互接続を最適化、同期化された実行完了処理モデルを活用、標準C/C++言語を使用してアーキテクチャ間で一貫したプログラミング・フレームワークをサポート、といった特長があります。アーキテクチャが備える比類のないプログラミングの柔軟性と拡張性により、ネットワークをソフトウェアレベルでリアルタイムに制御することが可能で、ソフトウェア投資を最大限に活用し、進化を持続することができます。

フリースケールの上席副社長兼ネットワーキング・マルチメディア・ソリューション・グループ担当ジェネラル・マネージャであるトム・デートリッヒは、次のように述べています。「インテリジェントでダイナミックなネットワークを求めるニーズに対応するため、フリースケールは、QorIQプラットフォームを大幅に進化させるべく、新しいLayerscapeソフトウェア・アウェア・アーキテクチャを導入しました。ソフトウェア・アウェアネスを補足部分とみなす他のアーキテクチャと異なり、最新アーキテクチャでは、ソフトウェア・アウェアネスが必須要素として組み込まれています。コアに依存しない互換性、独立した高効率のパケット処理、リアルタイム可視化機能といった数々の革新的技術により、ネットワークのIQを高めることができます。」

フリースケールの広範なネットワークIPポートフォリオを活用したLayerscapeアーキテクチャは、QorIQデータパス・アクセラレーション・アーキテクチャ(DPAA)の進化版・拡張版です。システム・アーキテクチャ全体を視野に収めた設計により、最適なプログラマビリティを提供し、革新的なパケット処理効率とさまざまな性能向上を実現します。Layerscapeアーキテクチャは、最大100Gbpsの性能を実現するメニーコア・データパス・デバイスから、必要に応じてPower Architecture®やARM®テクノロジを活用して3W未満で動作するコスト効率とエネルギー効率に優れた高集積製品に至るまで、幅広い次世代QorIQマルチコア・プロセッサ・ポートフォリオの基盤となります。

モジュール型のLayerscapeアーキテクチャは、個別に拡張可能な3つの独立レイヤで構成されています。QorIQデバイス設計において、必要に応じて各レイヤの拡張、縮小、削除を行うことが可能なため、アプリケーションごとに最適なソリューションを提供することができます。3つの構成レイヤは次のとおりです。
• 汎用処理レイヤ(GPPL):汎用的な演算処理性能を提供します。このレイヤは、仮想クラウド・サービスやコントロール・プレーンなどのアプリケーション向けに最適化されています。
• パケット処理加速レイヤ(APPL):自律的にパケット処理を実行します。ハードウェア・マイクロアーキテクチャを抽象化した逐次的な同期実行完了処理
モデルにおいて、付加価値の高い機能をプログラムすることができます。また、Cベースの組込みプログラミング・モデルが可能です。
• 高速パケットI/Oレイヤ(EPIL):すべてのネットワーク・インタフェース間で応答性に優れた真のワイヤ・スピード性能を推進します(最大100G)。L2以上のスイッチ機能がサポートされます。

組込みマルチコアで真のプログラマビリティとソフトウェア・アウェアネスを実現
Layerscapeアーキテクチャは、開発者向けの各種技術を完全装備しており、新次元の使いやすさを実現しています。そのため、Layerscapeアーキテクチャベースのシステムは、導入、設定、調整、管理を効率的に行うことができます。主な特長は次のとおりです。
• オープンスタンダードのソフトウェア・プログラミング・モデル、ならびにSDN(Software-Defined Network)などの主要な業界イニシアチブがサポートされます。
• エントリレベルの低消費電力製品から、ハイエンドのメニーコア・デバイスに至るまで、ポートフォリオ全体で一貫した統一アーキテクチャ/ソフトウェアが提供されます。
• システム・プロファイリング/仮想化ツールにより、詳細なシナリオ分析が可能で、開発プロセスが最適化されます。
• プラットフォームに依存しないユーザ・スペース・アプリケーション・プログラミング向けAPI、VortiQa(ボーティカ)プラットフォーム・サービス・パッケージ(PSP)により、アプリケーション移行が簡素化されます。PSPは、ハードウェアの複雑性を抽象化し、慣れたLinux®ユーザ空間内でのアプリケーション開発、標準のCプログラミングを可能にします。
• 広範な開発サポートが用意され、フリースケールのパートナー企業からは、サードパーティ製ツール、RTOS、フル機能のLinux環境などが提供されます。フリースケールからは、CodeWarrior統合開発環境(IDE)、リファレンス・デザイン・ボード、高性能コンパイラ、CodeWarriorデバッグ/設定ツール、モデル、QorIQ最適化スイートなどが提供されます。フリースケールは他にも、すぐに利用できるソフトウェア・ライブラリや、各分野に特化したVortiQaアプリケーションレベル・ソフトウェア・ソリューションなどを提供します。
• 業界をリードする専門知識、長年にわたり先進的な組込みソフトウェア・ツールを開発してきた経験、包括的なパートナーシップが活用されているため、従来のフリースケール製品や他社製ソリューションからのソフトウェア移行が容易です。ソフトウェア投資を最大限に活用し、市場投入を加速することができます。

Layerscapeアーキテクチャベースの最初の製品
Layerscapeアーキテクチャをベースとする最初のQorIQ製品ファミリとして、LS-1とLS-2の2品種が導入されます。どちらも、デュアルARM Cortexプロセッサ・コア、仮想化サポート、先進的なセキュリティ機能、先進のインターコネクト技術、共通のISA、ソフトウェア互換性/ピン互換性といった特長を備えており、両ファミリ間でシンプルかつスムーズなアプリケーション移行が可能です。優れたワットあたり性能と先進的な統合性を備えたLS-1/LS-2製品ファミリは、いままでにないフォーム・ファクタやまったく新しい製品カテゴリのアプリケーションにも対応し、QorIQポートフォリオの新たな市場を切り開きます。

LS-1ファミリは、最大1.2GHzで動作する2つのARM Cortex-A7コアを搭載しており、消費電力3W未満の組込みプロセッサとして比類のない統合性を提供します。LS-2ファミリは、最大1.5GHzで動作する2つのARM Cortex-A15コアを搭載し、総消費電力を5W未満に抑えています。LS-1/LS-2ファミリのターゲット・アプリケーションとしては、宅内向けゲートウェイ機器、企業向けアクセス・ポイント、スマートエナジー・システム、産業用通信機器、ライン・カード、ロボティクスなどがあります。

LayerscapeアーキテクチャをベースとするQorIQプロセッサは、将来的にPower Architectureテクノロジも活用する予定です。フリースケールは、業界をリードするPower Architecture e6500コアの拡張開発を続けており、最高性能のコアを新ポートフォリオに搭載します。


供給
Layerscapeアーキテクチャベースの最初の製品は、2013年中頃に初期サンプル出荷を開始する予定です。

フリースケール・テクノロジ・フォーラムについて
イノベーションとコラボレーションの活性化を目的に設立されたフリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF:Freescale Technology Forum)は、組込みシステム業界の毎年恒例の開発者イベントです。2005年に開催を開始して以来、世界中のFTFイベントへの参加者は4万8,000人を超えています。年1回の中核イベントであるFTF Americasは、テキサス州サンアントニオで2012年6月18日~21日に開催しています。日本では、FTF Japanを東京にて2012年10月22日・23日に開催する予定です。

フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.co.jp/をご覧ください。

FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
©2012フリースケール・セミコンダクタ・インク

会社概要

URL
http://www.freescale.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー 29F
電話番号
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代表者名
ケンリック P. ミラー
上場
未上場
資本金
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設立
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