専門家と臨床医、それぞれの視点で感染症時代を斬る!今こそ、健康な暮らしの実現に“お茶”が貢献「第4回 伊藤園健康フォーラム」
お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵~感染症時代における“茶の効用”~
株式会社伊藤園(社長:本庄 大介 本社:東京都渋谷区)は、「第4回 伊藤園健康フォーラム」(主催:伊藤園中央研究所)を、2021年9月3日(金)に伊藤園公式YouTubeにて開催しました。
本フォーラムは、お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵~感染症時代における“茶の効用”~をテーマに開催。茶の効用について最前線で研究されている専門家や臨床医の先生方による、お茶に関する講演およびパネルディスカッションを実施。感染症時代の健康な暮らしの実現に、お茶が果たせる役割について議論がなされました。
- ❝茶カテキン❞が免疫機能を活性化。感染症予防にも大きな期待!
テーマ :「茶カテキンによる免疫機能の活性化と感染症予防」
■ 山田氏 講演内容
お茶に含まれる成分である「カテキン」には抗菌・抗ウイルス作用や免疫機能の活性化など様々な健康効果が
期待されている。あらゆる研究のなかで「カテキン」が免疫機能の活性化に関与しているのではないかという事が
明らかになった。そこで、「高齢者の方の免疫低下を制御できないか」を探る研究を行った。65歳以上の高齢者20名に対して市販の茶カテキン飲料を2週間毎日摂取いただいた結果、ナチュラルキラー細胞の活性が非常に高くな
った。さらに、免疫機能が低かった方ほど活性化することがわかった。
また、これまでに「カテキン」のインフルエンザの阻害効果もすでに実証。静岡県菊川市の小学生を対象にした当研究では、お茶を1週間で6日以上飲んだ小学生は、3日未満の人と比べて発症率が4割近く減少するという結果となっている。現在問題となっている新型コロナウイルス感染症についても、私自身カテキンの効果にも大いに期待している。
- コロナ禍に広がる健康課題に❝茶の効用❞
最前線で研究されている専門家や臨床医の先生方による、パネルディスカッションでは、コロナ禍ならではの、健康課題解決に向けた❝茶の効用❞を議論。まずは、現場で直面する課題についてのディスカッションがなされました。
■ 山田氏
私のところに来られる患者さんは、新型コロナウイルスへの影響で外出をしなくなったことから、「認知機能が低下した、肥満になった」などの問題を抱えている方が増えている。
■ 松田氏
感染が爆発し、医療現場が逼迫している。その理由として人流が抑えられていないという事実がある。自粛疲れに加え、逼迫した経済状況などもそれらに影響。加えて、感染力の強い変異株の登場なども大きな要因となっている。
■ 仲井氏
日々の呼吸法としては鼻呼吸を推奨しているが、マスクをしている状態だと無意識のうちに口呼吸をしてしまっている。大人も、子供のように口を明けたままの状態となってしまっているということだ。口腔内の乾燥は虫歯にもなりやすくなり、歯周病の方はコロナが重症化しやすいというデータも出てきているため、口の中の健康はコロナ禍で非常に重要。
■ 工藤氏
コロナの生活習慣の変化からくる様々な健康問題にプラスして、水害などの影響もあり「災害不調」を起こしている方が多くいらっしゃる。「災害不調」には2つのパターンがあり、1つ目は血糖値の上昇や、食べすぎなどの生活習慣病が悪化するパターン。2つ目は診断のつかない身体の不調である自律神経失調症を抱えてしまうパターン。自律神経失調症の患者さんは昨年よりも3倍近く増えている。
■ 衣笠氏
年配の方を中心に、他者とのコミュニケーションの機会が極端に減っていることを懸念している。それがストレスになったり、認知機能の低下につながっているとの報告もある。
以上のディスカッションから、長期化する新型コロナウイルスの影響により感染症以外にも認知機能の低下、心身の不調、口腔環境の悪化、コミュニケーション機会の減少などの問題が発生していることが分かりました。
- 感染症時代におけるお茶のチカラの活かし方
■ 山田氏
感染症対策の上で重要なことは、細菌の侵入を防ぐことと、身体の中に入ってしまったときに増殖しないようにコントロールをすること。そのコントロールの上で、免疫の不活化というのは非常に重要。その中で、「カテキン」の免疫機能の活性化の効果には非常に注目している。
■ 松田氏
お茶に含まれる「カテキン」類が新型コロナウイルスを不活化させる、ということが明らかになっている。新型コロナウイルスの一番の特徴は唾液の中にウイルスがいることであり、そこから人に感染させてしまう。口の中の唾液中のウイルスを不活化する効果から、定期的に「お茶」飲むことで、人に移さないという「公衆衛生的な使い方」ができるのではないかと考えている。マスクを外す際に「お茶」を飲むことが非常におすすめ。
■ 仲井氏
虫歯菌、歯周病に対して「カテキン」が有効であるという歯科医師としての実感がある。お薬ではなくて、日常で摂取する飲料、食品で効果が期待できるのはとても良いと思う。また、虫歯の要因は虫歯菌の出すネバネバ物質が歯に付着する事によって起きるのだが、「カテキン」は、そのネバネバ物質を作る酵素を阻害する効果がある。それらのことから、お茶の「カテキン」には非常に期待している。
■ 工藤氏
「レモン緑茶」を患者さんにおすすめしている。お茶に含まれる「カテキン」には脂肪燃焼作用もあり、さらにレモンと緑茶を合わせることで「アディポネクチン」という痩せホルモンが増えるというのもわかっている。お茶を水出しで煮出すと「テアニン」というリラックス成分が増えるため、水出しでレモン緑茶を飲むこともおすすめしている。レモンのクエン酸が身体の疲労を取り、テアニンが心の疲労を和らげるということで、心身を整えるという観点でベストな組み合わせだと感じている。
■ 衣笠氏
「お茶する」という言葉は、人とコミュニケーションを図るという意味が主である。つまり、お茶はコミュニケーションツールの一つとして非常に重要な役割を担っていると考える。
ディスカッションを通して、コロナ禍に激変した生活を起因とする、様々な健康課題に対してお茶が有効であることが分かりました。
- コロナ禍における茶の5つの効用
コロナ禍における茶の効用は以下の5項目であるというまとめとなりました。
① インフルエンザ予防
② 新型コロナウイルス感染拡大抑制~公衆衛生学的使い方
③ 口腔ケア
④ 体内リズムを整える
⑤ コミュニケーションツールとしての使い方
- 登壇者
山田 浩氏(静岡県立大学 薬学部 教授)
1981年 自治医科大学医学部卒業、1994年 同大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。静岡県立総合病院研修医、焼津市立総合病院内科医員を経て、1986年 小笠診療所長。1994年 自治医科大学神経内科学講座助手、スウェーデン・カロリンスカ研究所臨床薬理学講座に2年間留学。1997年 聖隷浜松病院総合診療内科医長。2001年 浜松医科大学附属病院治験管理センター助教授。
松田 修氏(京都府立医科大学大学院医学研究科 免疫学 教授)
京都府立医科大学を卒業後、自治医科大学付属病院レジデントを経て、京都大学医学研究科博士課程を修了、医学博士。JSPS特別研究員を経て、1994年に京都府立医科大学にて微生物学の助教、その後同・講師、同・准教授。2008~2012年JSTさきがけ研究者を兼務。2010年免疫・微生物学教授となり、2011年より現職。専門分野は、免疫学、再生医学。
仲井 雪絵氏(静岡県立大学短期大学部 歯科衛生学科 教授)
岡山大学歯学部を卒業後、岡山大学大学院歯学研究科博士課程を修了(博士(歯学))。岡山大学歯学部助手(現在の助教)を経て、ワシントン大学歯学部にVisiting Assistant Professorとして3年間留学。帰国後、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科助教、2016年4月より現職。2018~2020年 静岡県立大学短期大学部学生部長も務める。2019~2021年 静岡市歯と口腔の健康づくり推進会議初代会長。専門分野は、小児歯科学・母子保健。2008年小児歯科専門医指導医を取得。著書には、「ラクに楽しく成果が出せるキシリトールの理論と実践「マイナス1歳」からはじめるむし歯予防」、「マイナス1歳からはじめるむし歯予防 ~ママになる前からできること~」などがある。
工藤 孝文氏(みやま市工藤内科 院長)
福岡県みやま市工藤内科院長。専門分野は糖尿病・肥満治療、東洋医学・漢方治療で、多数のテレビ番組に出演中。著書に「緑茶コーヒーダイエット」「災害不調」などがある。
衣笠 仁(株式会社伊藤園 中央研究所 所長)
1986年 日本大学農獣医学部卒業、株式会社伊藤園入社、中央研究所に配属、茶の香りの研究に携わる。特に飲料の製造時に起こる品質変化に関する研究を専門とする。2007年 開発部開発6課に異動、緑茶飲料の開発に携わる。2013年 中央研究所に異動、現在に至る。
モデレーター:奥村隆一氏(株式会社三菱総合研究所 キャリア・イノベーション本部 主席研究員)
一級建築士。早稲田大学 大学院 理工学研究科 建設工学専攻、修士課程修了後、1994年4月、三菱総合研究所入社。2021年3月、東京工業大学 情報理工学院専攻 博士取得。キャリア・イノベーション本部に所属し、少子高齢問題、雇用・労働問題、地方自治政策に関わる研究に従事。著書に『仕事が速い人は図で考える』、『考えをまとめる・伝える図解の技術』、『図解 人口減少経済 早わかり』などがある。
■伊藤園中央研究所について
中央研究所では、幅広い最先端技術を活かし「健康、おいしさ」の領域を中心に独創的な商品をつくり上げるための研究に取り組んでいます。特に健康性は、今後の高齢化の課題に対処した食生活のあり方という点から商品価値を高めるためにも重要であると考えており、これらの研究成果を活かし、特定保健用食品や機能性表示食品の商品開発を進めております。また、おいしさを構成する要素を科学的に明らかにし、新たな飲用シーンを提案することで、皆様の食事をよりいっそうおいしく楽しめることが可能になるものと考えています。
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