【RCIJリスクリサーチ】約8割が「職場で起こり得る8つのリスク行動」すべてを問題認識している一方、5割以上は類似行動を経験
職場のSNS・情報管理リスクに“認識と行動のギャップ”
一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(略称:RCIJ、代表理事:大杉春子)は、全国の働く男女415名を対象に、職場におけるSNS投稿、情報管理、生成AI利用に関する意識調査を実施しました。
調査の結果、提示した「職場で起こり得る8つのリスク行動」すべてについて、75%以上が「問題がある」と回答した一方、53.3%が、いずれかの行動と同一または類似する経験を持っていることが分かりました。
特に、20代では36.4%が社内資料を私物スマートフォンで撮影した類似経験を持ちながら、80.5%は同じ行動を「問題がある」と認識していました。
問題を知らないからやってしまうのではなく、リスクを認識しながらも、業務上の必要性や利便性、善意を優先してしまう「認識と行動のギャップ」が、職場の情報管理リスクにつながっている可能性が示されました。
調査背景
従業員によるSNS投稿、社内情報の私物端末への保存、業務での生成AI利用など、職場を取り巻くコミュニケーションリスクは多様化しています。
企業では、SNSガイドラインの整備やコンプライアンス研修などが行われていますが、リスクについて知識を持つことが、必ずしも行動の抑制につながるとは限りません。
特に、「会社のため」「業務を効率化するため」「部下とのコミュニケーションのため」といった善意や必要性を伴う行動は、本人が問題を認識していても、その場では許容できると判断してしまう可能性があります。
そこでRCIJは、職場で起こり得る8つのリスク行動を仮定して、問題認識と類似経験の有無を調査しました。
■調査で提示した「職場で起こり得る8つのリスク行動」
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取引先からもらった手土産と取引先名を個人SNSに投稿
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部下の個人Instagramをフォローし、休日写真に毎回コメント
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社員の集合写真を個人SNSに投稿
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オフィスで自撮りした動画を公式SNSに投稿
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残業や評価制度への愚痴を個人SNSに投稿
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テレビ取材予定を仲間内のSNSに投稿
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炎上マニュアルを私物スマートフォンで撮影
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生成AIに部下の評価面談に関する情報を入力
調査結果サマリー
1|8つのリスク行動すべてで75%以上が「問題」と認識
「大いに問題がある」「少し問題がある」を合わせた問題認識率は、8つのリスク行動すべてで75.7~87.5%となりました。
最も問題認識率が高かったのは「炎上マニュアルを私物スマートフォンで撮影」の87.5%。最も低かった「テレビ取材予定を仲間内のSNSに投稿」でも75.7%が問題を認識しています。

2|それでも53.3%が、いずれか1つ以上の類似行動を経験
各行動の類似経験率は18.3~21.9%で、いずれも約5人に1人が類似経験を持っていました。
また、回答者の53.3%が8つのリスク行動のいずれか1つ以上を経験。3つ以上の類似経験を持つ人も30.4%に上りました。
※なお、「類似経験」には、提示した事例と完全に同一ではないものの、近い状況や行動を経験した回答も含まれます。

3|20代の36.4%が、社内資料を私物スマートフォンで撮影
「炎上マニュアルを私物スマートフォンで撮影」の類似経験率は、20代で36.4%となり、60代の13.8%の約2.6倍でした。
一方、20代の80.5%は、この行動を「問題がある」と認識しています。

調査結果
1|職場で起こり得る8つのリスク行動、いずれも75%以上が「問題」と認識
職場で起こり得る8つのリスク行動について、「大いに問題がある」「少し問題がある」を合わせた問題認識率を集計しました。
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取引先からもらった手土産と取引先名を個人SNSに投稿:82.9%
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部下の個人Instagramをフォローし、休日写真に毎回コメント:81.4%
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社員の集合写真を個人SNSに投稿:85.8%
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オフィスで自撮りした動画を公式SNSに投稿:86.0%
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残業や評価制度への愚痴を個人SNSに投稿:84.8%
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テレビ取材予定を仲間内のSNSに投稿:75.7%
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炎上マニュアルを私物スマートフォンで撮影:87.5%
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生成AIに部下の評価面談に関する情報を入力:79.5%
一方、「テレビ取材予定を仲間内のSNSに投稿」は24.3%、「生成AIに部下の評価面談に関する情報を入力」は20.5%が「全く問題がない」と回答しました。
2|回答者の53.3%が、いずれか1つ以上の類似行動を経験
8つの行動のうち、いずれか1つ以上について「似たようなことをやったことがある」と答えた人は53.3%でした。
また、3つ以上の類似経験がある人も30.4%に上りました。
各行動の類似経験率は以下のとおりです。
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取引先からもらった手土産と取引先名を個人SNSに投稿:19.3%
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部下の個人Instagramへのフォロー・コメント:21.9%
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社員の集合写真を個人SNSに投稿:20.0%
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オフィスで自撮りした動画を公式SNSに投稿:18.3%
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残業や評価制度への愚痴を個人SNSに投稿:21.0%
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テレビ取材予定を仲間内のSNSに投稿:19.3%
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炎上マニュアルを私物スマートフォンで撮影:21.2%
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生成AIに部下の評価面談に関する情報を入力:21.7%
各行動の問題認識率が約8割である一方、類似経験率はいずれも約2割となっており、リスクを認識することが、必ずしも行動の抑制につながっていない実態がうかがえます。
3|20代の36.4%が「炎上マニュアルを私物スマートフォンで撮影」
社内研修で配布された過去の自社炎上事例や対策が書かれたマニュアルを、家で復習するために私物スマートフォンで撮影する行動について、年代別の類似経験率を比較しました。
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20代:36.4%(n=77)
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30代:20.0%(n=95)
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40代:16.2%(n=117)
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50代:17.7%(n=96)
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60代:13.8%(n=29)
20代では、80.5%が私物スマートフォンでの撮影を「問題がある」と認識している一方、36.4%に類似経験がありました。さらに、類似経験がある20代28人のうち、25人(89.3%)が問題のある行動だと認識していました。
年代別に見ると、類似経験率が最も高かったのは20代の36.4%、最も低かったのは60代の13.8%でした。20代の類似経験率は、60代の約2.6倍となっています。
問題認識があっても、行動を抑制できないケースがある可能性を示しています。背景には、利便性や業務上の必要性などが影響していることも考えられます。
4|20代の31.2%が、残業や評価制度への愚痴をSNSに投稿した類似経験
「残業が続く中、個人SNSに会社の評価制度への愚痴を投稿する」という行動の類似経験率を年代別に見ると、以下の結果となりました。
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20代:31.2%
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30代:25.3%
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40代:17.1%
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50代:16.7%
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60代:10.3%
20代の類似経験率は、60代の約3倍でした。
5|生成AIへの評価面談情報入力、30代で29.5%
「生成AIに部下の評価面談に関する情報を入力し、フィードバック文章を作成する」という行動の類似経験率は、以下の結果となりました。
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20代:24.7%
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30代:29.5%
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40代:21.4%
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50代:14.6%
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60代:10.3%
30代の類似経験率が29.5%で、全年代の中で最も高くなりました。
■専門家の提言
一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会 代表理事 大杉 春子
今回の調査で注目すべきなのは、働く人の多くがリスクを知らないのではなく、「問題だと分かっていながら、行動してしまう」点です。
これまで企業のSNS・情報管理対策では、ルールを知らせる、禁止事項を教えるといった知識提供型の研修が中心でした。しかし、実際の職場では、「仕事を早く進めたい」「自宅で資料を確認したい」「部下に適切なフィードバックをしたい」といった、善意や業務上の必要性を伴う場面でリスク行動が起きます。
つまり、本人の意識やモラルだけに依存した対策には限界があります。必要なのは、「注意してください」と呼びかけることだけではなく、どの情報を、どの端末やサービスで、どこまで取り扱ってよいのかを具体的に示すことです。生成AIの利用についても、全面的に禁止するだけではなく、入力してはいけない情報の範囲や、安全に利用できる環境を明確にする必要があります。
また、問題が発生した際に個人を責めるだけでは、従業員が報告をためらい、リスクが表面化しにくい組織になってしまいます。「なぜ、その行動を取らざるを得なかったのか」を確認し、業務手順や情報共有の仕組み、上司の関わり方まで見直すことが重要です。
今回の結果は、SNSや生成AIのリスク対策を、個人のリテラシー教育から、行動を支える組織の仕組みづくりへと進める必要性を示していると考えます。
調査概要
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調査名:職場におけるSNS・情報管理リスクに関する意識調査
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調査対象:全国の働く10~60代の男女
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有効回答数:415名
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調査期間:2026年7月【実施日要確認】
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調査方法:インターネット調査
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調査主体:一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)
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備考:「類似経験率」は、提示した行動と同一または類似する行動を経験したと回答した割合です。
※年代別集計では、回答者が1人だった10代を除外し、20~60代を比較しています。
■ 無料オンラインセミナー
「組織論から読み解く“人事が抱えるリスク”と対処法」開催
今回の調査で浮き彫りになった「問題だと分かっていても、なぜ行動してしまうのか」という課題。RCIJでは、2026年7月24日(金)、株式会社Momentor代表取締役社長の坂井風太氏を招き、無料オンラインセミナーを開催します。
本セミナーでは、採用広報炎上、従業員のSNS問題、退職者による暴露など、人事・広報部門が直面するリスクを、個人のリテラシー不足だけでなく「組織文化」の観点から読み解きます。
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日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)について
RCIJは、コミュニケーション戦略(戦略広報)におけるリスク管理に特化したカリキュラムを展開している専門機関です。各業界の第一線で活躍する専門家が結集し、リスク管理から危機管理広報まで包括的に網羅したプログラムを提供しています。
設立:2020年7月6日
事業内容:リスクコミュニケーション技能認定講座の提供、セミナー開催等
代表理事:大杉春子
▶協会公式HP:https://www.rcij.org/about
▶資格講座URL:https://www.rcij.org/qualify
▶協会Xアカウント:https://x.com/rcijofficial
▶世間で話題になった炎上案件をプロの目線でわかりやすく解説!週1回10分でRCを学ぶ音声番組
「RCIJPODCAST『炎上の正解』」:spotify / Amazonpodcast / Youtubeにて配信中
■本件に関するお問い合わせ
一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会 事務局
E-mail:contact@rcij.org
【引用・転載に関するご案内】
■ 本調査結果の引用・転載について
本調査の内容を引用・転載される際は、出典元として必ず以下のクレジットを明記してください。
「一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会 調べ」
また、Webメディア等で引用される場合は、本リリースのURL、または当協会公式サイト(https://rcij.org/ )へのリンクを設置いただけますと幸いです。
※調査結果の図表・画像データのご提供、および本件に関する詳細な取材(代表理事 大杉へのインタビュー等)も随時お受けしております。お気軽に事務局までお問い合わせください。
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