インドのスマートフォン出荷台数、他業種の景気減速傾向にも関わらず、過去最高となる4,900万台を突破

Xiaomiが市場を牽引し、2019年第3四半期、インドのスマートフォン市場のトップを維持。トップ5社のシェアは、2019年第3四半期に過去最高の87%となる。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、インドのスマートフォン出荷台数は過去最高の4,900万台となり、他業種における景気減速の最中、2019年第3四半期に前年同期比10%成長したという調査結果を含むMarket Monitorサービスによる最新調査を発表致しました。
新製品投入や値引きに加え、主要スマートフォンメーカーがこぞってディーワーリー(10から11月に6日間かけて行われるヒンドゥー教のお祝い。買い物をすると縁起が良いとされる)のお祭りシーズンに合わせて流通在庫を増加させたことが、工場出荷台数の伸びを支えました。

図1: インドのスマートフォンとフィーチャーフォンの市場規模推移

出典: Counterpoint Research Market Monitor Q3 2019

市場動向について、カウンターポイント社リサーチアナリストのKarn Chauhan氏は以下のように述べています。
「インドのスマートフォン市場は2桁成長し、2019年第3四半期には過去最高となる4,900万台の記録を打ち立てた。これにより、他の業種で進行中の景気減速を補った形だ。デジタルコンテンツの消費や、eコマース、コミュニケーションといった面で、ユーザーのスマートフォンへの接し方は成熟しつつある。人々の生活の中心にスマートフォンが存在するようになった結果、スマートフォンへの支出が他の支出よりも優先されるようになってきた。加えて、スマートフォンメーカーは商品ラインの充実を続けながら、4連カメラや全面ディスプレイ、それに急速充電といった魅力的な先進機能をメインストリームであるボリュームゾーン向けに投入している。こうした状況から、今後のホリデーシーズンでは、経済の先行きが不透明であるにも関わらず、スマートフォンの需要は他の商品カテゴリーを上回ると我々は予想している。」

また、競合状況について、カウンターポイント社リサーチアナリストAnshika Jain氏は以下のようにコメントしています。
「スマートフォンの出荷台数は記録的なものとなり、インドにおいて、今となっては携帯の3台のうち2台がスマートフォンとなっている。主な要因は、お祝いシーズン商戦に備えて大量に新製品が投入されたこと、積極的にマーケティングしたこと、巧みなインセンティブ戦略で販売チャネルの流通在庫をお祝いシーズンに備えて増加させたこと、などが挙げられる。中国メーカーのXiaomi、vivo、Realme、OPPOは2019年第3四半期に記録的な数量を出荷した。Eコマースのチャネルが成長し充実してきたことで、配達地域がこれまで以上に広がり、顧客サービスも向上した。値引きやキャッシュバックや割賦による販促を行い、機種変更プログラムを用意することで、今度のホリデーシーズンのスマートフォン売上は大きく伸び、同時に実店舗の売上のかなりの部分を奪うことになるだろうと予測される。」

図2: インドのスマートフォン市場シェア 2019年第3四半期

出典: Counterpoint Research Market Monitor Q3 2019

スマートフォン市場が前年同期比で2桁成長を記録する一方で、フィーチャーフォン市場は前年同期比37%と急速に落ち込んでいます。これは旧機種のJioPhoneの在庫をディーワーリーの商戦までに一掃しようと考えたメーカーが、Reliance Jioの新規出荷を控えたことに起因します。このような個別事情が落ち込みに大きく寄与している為、フィーチャーフォン市場全体をみれば減少傾向となりました。しかし、その反面、itel、Lava、Karbonnの各社はこの1年間で成長を遂げ、特に、itelは2019年第3四半期にフィーチャーフォン市場の第二位へ躍進しました。

図3: インドのフィーチャーフォン市場シェア 2019年第3四半期

出典: Counterpoint Research Market Monitor Q3 2019

市場概況:
  • Xiaomiは過去最高の出荷を記録し、26%のシェアを獲得した。eコマースでの販売が好調であり、出荷は前年同期比で7%成長した。中でもRedmi 7A、Redmi Note 7 Pro、Redmi Note 7Sは同社の稼ぎ頭である。
  • Samsungの出荷は、前年同期比で4%減少したが、低価格機種のGalaxy A2 Coreと後継のAシリーズやMシリーズ(A30、M30、A10、A50、M10)の好調により、前期比では3%成長した。Samsungはまた、Galaxy Note 10シリーズを第3四半期に投入したことで、高級機セグメントでは、複数期連続及び通年で好調となった。
  • Vivoは過去最高のシェアとなった。これは、中位機種(vivo S1とY17)が好調だったことと、最近発売したU10、Z1X、Z1 Proをさらにeコマース重視で販売したことによる。
  • Realmeも過去最高の出荷を記録し、同社はインド市場に参入した昨年と比較して、6倍成長を遂げており、最速で成長しているメーカーとなっている。スペックとデザインの良さ、中位機種重視の商品ラインナップ、積極的なeコマースチャネル戦略、それに販売促進によって、市場参入以来Realmeは着実に成長を遂げている。四半期末の9月には、お祝いシーズンに備えてチャネルに大量の端末を卸したことにより、Realmeは第三位のメーカーとなった。Realme C2、Realme 3i、それにRealme 5シリーズは2019年第3四半期にもっとも売れた機種となっている。
  • OPPOは前年同期比で12%成長した。これは低価格機種のA5の需要と、F11シリーズの堅調によるものである。
  • itelは前年同期比で40%成長した。これは実店舗の拡張と、低価格機種への新機能の搭載、そして地域別のマーケティング戦略のおかげである。実店舗での5,000インドルピー(70USドル)未満のセグメントでは、itelは第1位のスマートフォンメーカーとなっている。
  • Transsion グループ(itel, Infinix, Tecno)全体では、2019年第3四半期のインドスマートフォン市場で第6位となる。
  • OnePlusは昨年から出荷をほぼ倍増させ、2019年第3四半期には高級機種で第一位のメーカーとなった。これは、新発売のOnePlus 7Tと、OnePlus 7シリーズの値引きとによる。
  • Appleは、XRモデルの値引きと新発売したiPhone 11の引き合いが強かった為、スマートフォンメーカーのトップ10社入りを果たした。

包括的かつ詳細な2019年第3四半期版Market Monitorを購読者の皆様にご提供中です。最新の詳細調査、分析、プレス発表についてのお問い合わせは press@counterpointresearch.com までお気軽にお問い合わせください。

弊社のMarket Monitorは、各社のIR情報から推定した出荷数、各社へのヒアリング内容を販売側から裏付けしたデータ、流通段階でのチェック、その他副次的調査の結果に基づいています。


【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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会社概要

URL
https://www.counterpointresearch.com/
業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
-
代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月