喘息患者を対象としたエナジア® ブリーズヘラー®(QVM149)の第Ⅲ相臨床試験(IRIDIUM試験)における有効性成績がThe Lancet Respiratory Medicine誌に掲載

ネクセラファーマ株式会社

当社グループは、戦略的提携先であるノバルティス社が、第Ⅲ相臨床試験(IRIDIUM試験)結果が査読のある著名な学術誌、The  Lancet Respiratory Medicine誌に掲載されたと発表しましたので、お知らせします。 ノバルティス社は2019年10月にトップライン結果を公表しています。

LABA/ICSによる治療でコントロール不良な喘息患者を対象としたIRIDIUM試験において、1日1回投与の高用量および中用量のエナジア® ブリーズヘラー®(QVM149;インダカテロール酢酸塩、グリコピロニウム臭化物およびフランカルボン酸モメタゾン、以下「IND/GLY/MF」)が、1日1回投与のQMF149(以下「IND/MF」)と比較して、呼吸機能が統計的に有意な改善を示し、主要評価項目を達成しました1。

重要な副次的評価項目は、IND/GLY/MFのIND/MFに対する喘息管理質問票7(ACQ-7)のスコアの改善でした。いずれの群も臨床的に意味のある改善を示しましたが、本副次的評価項目は達成されませんでした1。二次解析では、高用量IND/GLY/MFは高用量サルメテロールキシナホ酸/フルチカゾンプロピオン酸エステル(Sal/Flu)と比較して呼吸機能の改善、ならびに中等度から重度および重度の喘息増悪率の臨床的意義のある低下を示しました1 。

IRIDIUM試験におけるIND/GLY/MFおよびIND/ MFにおける有害事象(以下「AE」)と重篤な有害事象(以下「SAE」)の発生率は投与群間で同程度でした。最も多く報告されたAEとSAEは喘息症状の増悪でした1。

エナジア® ブリーズヘラー®は欧州連合、日本およびカナダで承認されています。その他の国でもQVM149の承認審査が進められています。

IND/GLY/MFは、吸入確認が可能な単容量型ドライパウダー吸入器「ブリーズヘラー®」を用いて1日1回吸入投与します。IND/GLY/MFは、デジタルデバイスと一緒に処方されるEUで最初の喘息治療薬です。デジタルデバイスとは「ブリーズヘラー®」用に開発されたプロペラ・ヘルス社のセンサーとアプリで構成されます。このデジタルデバイスは、吸入確認、服薬リマインダー、および治療上の決定をより良くサポートするため、患者に主治医とも共有できる客観的データへのアクセスを提供するものです。

欧州委員会による承認を裏付ける臨床試験プログラムのデータを含むノバルティス社の公表全文は、www.novartis.comをご覧ください。

2005年4月、当社およびVectura Group Plcは、グリコピロニウム臭化物の用途および製剤の知的財産権に関する独占的ライセンスをノバルティス社に許諾しています。ノバルティス社は、エナジア® ブリーズヘラー®(QVM149)の開発・商業化に対する責任を負います。契約に基づき、当社は、一定の開発の目標の達成に応じたマイルストン、およびエナジア® ブリーズヘラー®の商業化が成功した場合の販売高に応じたロイヤルティを受領する権利を有しています。

当社代表執行役会長兼社長CEOである田村眞一は次のように述べています。「IRIDIUM試験の結果は意味深いものであり、標準治療を受けているにもかかわらず、コントロール不良な喘息患者様に対する1日1回投与のIND/GLY/MFが有益であることを明示しています。これらの結果は、このLABA/LAMA/ICS配合吸入剤が、症状が続き苦しまれている喘息患者様の多くの方々の生活に有益な変化をもたらす可能性を示しています。」

* 略語:LABA-長時間作用型β2作動薬(例:INDおよびSal);LAMA-長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬(例:GLY);ICS-コルチコステロイド(例:MFおよびFlu)

 
コントロール不良な喘息について
喘息患者は世界中で3億5,800万人と推定され、適切にコントロールされていない場合、個人的、健康的、経済的負担を引き起こす可能性があります2,3。既存治療にもかかわらず、GINAのステップ 3 で喘息患者の 40%以上、GINA ステップ 4 および 5 で 45%以上がコントロール不良です4,5。コントロール不良な喘息患者は、疾患の重症度を軽視または過小評価する可能性があり、増悪、入院または死亡のリスクが高くなるという報告もあります6,7,8。服薬アドヒアランスの低下、正しく吸入器が使えない、治療法が合わない、経口ステロイド剤の安全性の問題、生物学的製剤の不適応など喘息に対するアンメット・メディカル・ニーズはまだ多くあります9-12。

 

参考文献
  1. Kerstjens H et al. Once-daily, single-inhaler indacaterol/glycopyrronium/mometasone versus indacaterol/mometasone or twice-daily salmeterol/fluticasone in patients with inadequately controlled asthma (IRIDIUM): a randomised, double-blind, controlled Phase III study. Lancet Resp Med https://doi.org/10.1016/S2213-2600(20)30190-9.
  2. GBD Chronic Respiratory Disease Collaborators. Global, regional, and national deaths, prevalence, disability-adjusted life years, and years lived with disability for chronic obstructive pulmonary disease and asthma. 2017;5(9)691-706.
  3. AAFA. My Life With Asthma Survey Findings Report. Available at: https://www.aafa.org/media/1684/my-life-with-asthma-in-2017-survey-findings-report.pdf. Accessed July 2020.
  4. Chung KF et al. International ERS/ATS guidelines on definition, evaluation and treatment of severe asthma. Eur Respir J 2014;43(2):343-73.
  5. Fang J et al. Demographic, clinical characteristics and control status of pediatric, adolescent, and adult asthma patients by GINA Step in a US longitudinal cohort. Am J Resp Crit Care Med 2018;197:A1903
  6. Peters SP et al. Uncontrolled asthma: a review of the prevalence, disease burden and options for treatment. Respir Med 2006;100(7):1139-1151.
  7. Katsaounou P et al. Still Fighting for Breath: a patient survey of the challenges and impact of severe asthma. ERJ Open Res 2018;4(4):00076-2018.
  8. Price D et al. Asthma control and management in 8,000 European patients: the REcognise Asthma and LInk to Symptoms and Experience (REALISE) survey. NPJ Prim Care Respir Med 2014;24:14009.
  9. Price D, et al. Adverse outcomes from initiation of systemic corticosteroids for asthma: long-term observational study. J Asthma Allergy 2018;11:193-204.
  10. Albers FC et al. Biologic treatment eligibility for real-world patients with severe asthma: The IDEAL study. J Asthma 2018;55(2):152-160.
  11. Bourdin A, Halimi L. et al. Adherence in Severe Asthma. Clin Exp Allergy 2012;42(11):1566-74.
  12. Global Initiative for Asthma (GINA). Pocket guide for asthma management and prevention. Available at: https://ginasthma.org/wp-content/uploads/2019/04/GINA-2019-main-Pocket-Guide-wms.pdf Last accessed July 2020.

 
エナジア®及びブリーズヘラー®はノバルティス社の登録商標です。


以上

 
Sosei Heptaresについて
当社グループは、Gタンパク質共役受容体(GPCR)をターゲットとした独自のStaR®技術並びに構造ベース創薬(SBDD)技術から生み出される新薬候補物質の探索および初期開発にフォーカスした、国際的なバイオ医薬品企業グループです。当社グループは中枢神経系疾患、がん、消化器系疾患、炎症性疾患など複数の疾患領域において、幅広いパイプラインの構築に取り組んでいます。

これまでアッヴィ社、AstraZeneca社、ジェネンテック社(ロシュ・グループ)、ノバルティス社、Pfizer社および武田薬品工業株式会社等の大手グローバル製薬企業、ならびにその他の新興バイオ医薬品企業と提携しています。当社グループは、東京に本社を置き、英国のケンブリッジに研究開発施設を有しています。

「Sosei Heptares」は、東京証券取引所に上場しているそーせいグループ株式会社(証券コード4565)のコーポレートブランドです。「そーせい」、「Heptares」、当社グループのロゴおよびStaR®は、当社グループの商標または登録商標です。

 
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業種
医療・福祉
本社所在地
東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト7F
電話番号
03-5962-5718
代表者名
クリス・カーギル
上場
東証プライム
資本金
468億700万円
設立
1990年06月