「未来を先読みする活動」を組織知化するデジタルツールの提供を開始

~組織的なフォーサイト活動の実施と継続を支援~

株式会社日本総合研究所

株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、未来を先読みする活動であるフォーサイト活動(注1)の組織的かつ継続的な実施を支援するデジタルツールとして、「Future Intelligence with FSC」(以下「FIF」)を開発し、サービス提供を開始しました。

 FIFは、フォーサイト活動を継続的・体系的に行い、組織知化することを支援するデジタルツールです。「未来に向けた変化の兆しに関する情報を継続的に観察する」「キーワードモニタリングによって自社の機会・リスクを発見する」「自社で作成した線形・非線形の未来の社会変化に関する仮説を蓄積、更新する」「組織内外での未来に関する議論を活性化させる」ことによって、不確実性が高まる社会に対応する力の組織的な獲得を支援します。

 なお、FIFの提供開始を記念して、フォーサイト・シンポジウム「未来を先読む力を組織に実装する ~欧州・日本の官民フォーサイト活動から学ぶ~」を2023年11月28日(火)に開催する予定です。

 

■背景

 世の中の不確実性の高まりに対応するため、日本企業でも、インテリジェンス組織の設置をはじめ、情報収集・分析をさまざまな形で強化しようとする動きが広がってきています。

 その中で、フォーサイト活動に取り組もうとする組織も数多く現れるようになりました。しかし、フォーサイト活動が特定の個人の思考に依存してしまい、情報収集のための適切なテーマが設定できなかったり、収集した情報が一時点の断面に過ぎず、未来の変化に目を向けた分析が難しくなったりするケースも少なくありません。また、フォーサイト活動が、経営ビジョンや中期経営計画の策定などの際に行われる、一過性の取り組みとして扱われ、継続的な活動になっていない組織もよく見られます。

 もちろん、フォーサイト活動の組織知化の実現に力を入れようとしている組織も存在します。しかし、多くの場合、複数のソフトウェアやツールを併用したり、アナログな情報管理を行ったりしているため、フォーサイト活動を組織知化するのに必要な、情報の収集・共有・蓄積・分析を体系的に行えていないのが実態です。

 

■FIFの概要

 FIFは、フォーサイト活動を継続的・体系的に行い、組織知化することを支援するデジタルツールです。不確実性が高まる社会に対応する力の組織的な獲得を目的として開発された、独4strat GmbH社(注2)の「Foresight Strategy Cockpit(以下、「FSC」)」をベースに、これまで数多くの組織にフォーサイト活動を支援してきた日本総研の知見を活かし、日本企業・行政組織などの特性に合わせてカスタマイズしたものです。

図1: FIFの活用による効果図1: FIFの活用による効果

 FIFは、情報の観察・蓄積・分析などのプロセスをFIF単体で実施できるため、種類の異なるソフトウェアやツールを組み合わせた場合に生じる「情報の散逸」を防ぎながら、フォーサイト活動の組織知化を推進することが可能です。FIFで実現できる主要な点は以下の通りです。

 

1.未来に向けた変化の兆しに関する情報(weak signals)を継続的に観察する

  •  世界中で発生している未来の変化の兆し情報(メジャーなトレンドではないが、社会変化のきっかけとなる可能性のある情報)にアクセスできる。

  • 変化の兆し情報は、システムによる自動収集ではなく、日本総研の研究員が独自に収集したものをFIFに反映させている。過去蓄積分に加え、毎月50~100個程度の兆し情報が新規に掲載され、活用可能となっている。


2.キーワードモニタリングによって自社の機会・リスクを発見する

  • 設定したキーワードに関連する兆し情報の登場回数などを把握することで、自社の機会・リスクなどの早期発見・早期警戒につなげる。


3.自社で作成した線形・非線形の未来の社会変化に関する仮説を蓄積、更新する

  • 蓋然性の高い情報から作成した未来の社会変化に関する仮説(線形変化)、不確実性の高い情報から作成した未来の社会変化に関する仮説(非線形変化)のFIF内への掲載・更新ができる。

  • 仮説に紐づく未来の兆し情報へのアクセスや、過去に作成した仮説との紐づけが容易に実施できる。

  • 作成した仮説は、複数人での評価結果を可視化したい場合はレーダーチャート形式、視認性高く一覧化したい場合はテーブル形式など、利用目的に応じた形で表示できる。


4.組織内外での未来に関する議論を活性化させる

  • コンテンツの公開範囲を自由に設定したり、組織外の関与者を招待したりすることができる。また、組織内外で未来に関する議論を誘発するため、それぞれの兆し情報や社会変化仮説に対するコメント・投票・評価に参加してもらうことができる。さらに、過去の評価との比較や優先的に取り扱うべき仮説なども容易に特定することが可能となっている。

図2: 線形・非線形の社会変化仮説の蓄積・更新図2: 線形・非線形の社会変化仮説の蓄積・更新

図3: キーワードモニタリングによる機会・リスクの発見図3: キーワードモニタリングによる機会・リスクの発見

■FIFの導入支援

 FIFの提供に際しては、スムーズな導入を支援するため、「変化の兆し情報(week signals)を用いた非線形変化の導出ワークショップ」など、基本的な活用方法のコーチングファシリテーション支援を実施します。また、「FIFを活用したフォーサイト活動・組織の設計および立ち上げ支援」などを含むコンサルティング・サービスも提供しています。

 

■フォーサイト・シンポジウム「未来を先読む力を組織に実装する」開催(2023年11月28日)

 FIFの提供開始を記念して、「未来を先読む力を組織に実装する ~欧州・日本の官民フォーサイト活動から学ぶ~」と題したシンポジウムを2023年11月28日(火)、赤坂インターシティコンファレンスで開催します(オンライン聴講も可能)。本シンポジウムでは、FSCを開発した4strat GmbH CEOのTHOMAS KOLONKO氏のほか、OECDをはじめフィンランド内務省や欧州民間企業などからフォーサイト担当者を招き、組織としてフォーサイト活動を実践する際のポイントを議論します(同時通訳あり)。また、一橋大学・鷲田祐一教授や新潟大学・白川展之准教授による、わが国の公共部門・民間部門それぞれでのフォーサイト活動実施の意義・効果についての講演も行われます。

 ご関心をお持ちの方は、ぜひ以下のお申し込み用ページからお申し込みください(申込締切: 2023年11月22日(水)、ただし、お申し込み多数の場合は事前に締め切る場合があります)。

【お申し込み用ページ】

https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=106364

 

 日本総研は、2015年から、「未来を洞察しデザインする」ための未来の変化の兆しに関する情報の収集・蓄積とワークショップ型コンサルティングの提供を行ってきました。FIFの提供を通じて、組織が未来を先読みする活動を一層充実させ、不確実性が高まる社会に対応する力を具備する取り組みを支援していきます。

 

(注1)フォーサイト活動

 世の中のさまざまな情報・知識を集め、あり得る複数の未来の可能性を洞察し、戦略オプションの策定や機会・リスクの発見に活用するアプローチ。2000年代前半にビジネスシーンでの活用が提唱されて以降、世界中の官民組織で実装が進んでいる。

 

(注2)独4strat GmbH社

 社名:      4strat GmbH

 事業内容:フォーサイト、イノベーション、技術マネジメント、リスクアセスメントなどに関する先見性マネジメントを支援するForesight Strategy Cockpitの提供

 設立年:   2016年

 本社:      Boxhagener Straße 77-78 10245 Berlin Germany

 代表者:   THOMAS KOLONKO

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会社概要

株式会社日本総合研究所

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URL
https://www.jri.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区東五反田2-18-1 大崎フォレストビルディング
電話番号
03-6833-0900
代表者名
谷崎勝教
上場
未上場
資本金
100億円
設立
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